東大寺修二会 十二夜行法(プロローグ) | タクヤNote

タクヤNote

元mixi『東大寺』『南都七大寺』コミュニティ管理人で、
現在は古都奈良の歴史文化の紹介、
アメーバピグや、配信アプリ『RIALITY』で知り合った人の
アバターの絵を描くなどの自作イラスト紹介をしています。

 

 

東大寺で最大の行事として知られる、二月堂修二会お水取り。日没後にお松明が二月堂舞台の上で練行衆が走りをする絵は、奈良の、そして関西の風物詩として毎年広く紹介されます。

この修二会というのは、正式には『十一面悔過法要』と言います。十一面とは二月堂の本尊・銅造十一面観音菩薩立像で奈良時代から東大寺に受け継がれてきた大観音と小観音の二躰。何人であろうと拝することは出来ない絶対秘仏であり、納められている厨子には扉が付いていません。
そして、修二会とは、この絶対秘仏・十一面観音を本尊として、行われる悔過法要なのです。人は悟りを求めながら、煩悩から逃れることが出来ず様々な罪を犯してしまいます。
大乗仏教の経典に書かれている自身の身を人々の救済に尽くすという教えを実践するために、すべての人々の罪を受けて悔い改めるための行法を実践する、いわゆる苦行を行うというのが悔過供養なのです。
東大寺修二会とは前行10日、本行14日ととほぼ1か月間俗世と隔絶して参籠所と二月堂に篭り、昼夜を問わずに悔過の苦行を行い続けるというものです。
ニュースで報じられる“お松明”は日に6回(六時の行法)の日没後最初に行われる初夜の行法の前の修二会を行う練行衆の足元を照らす松明として始まったのが始めとされます。本当の修二会の悔過法要は、このお松明の後、二月堂の堂内で厳修されるのです。

 

 

 


修二会の悔過法要は、お松明が終わった後、朝方まで二月堂の堂内で営まれます。そして、これこそが奈良時代から一度も途切れること無く続けられて来た不退の行法なのです。

この二月堂の中で行われる行法は、一般の参加者は局と呼ばれる、格子の外からしか拝することが出来ません。その内側で行法の模様を見るためには、講か関係者からの招待が必要となります。
なかなか一般の参拝者は間近で参拝が出来ない修二会の悔過法要ですが、実は小生は3年前の平成24年に講の方から招待されて、一度だけこの修二会の行法を堂内で拝した経験があるのです。
それも修二会のクライマックスとも言われる3月12日の行法です。
mixiで3年近くにわたって東大寺のことを紹介し続けたことが評価されて、東大寺二月堂お水取りの神秘の行法を、目の当たりにする機会を得たのです。

 

 

 

 

 

 

 

 


当時の小生はずっとmixi東大寺コミュニティで東大寺の行事を紹介し続けておりまして、今回の修二会の行法を目の当たりに拝する機会を得て「コミュニティに参加をしているメンバーのみなさんの代理として、行法をしっかりと体験をして、mixiで出来るだけしっかりと紹介をしなくてはならない」と、相当な心づもりで二月堂の中で練行衆による行法を観て行きました。

そして、この時の経験はmixiの二月堂・修二会トピックでレポをアップ。この一夜のことを一か月かかってアップしました。本当に当時の自分の全霊を注いで書いた、渾身のレポとなりました。

 

 

 

 

 

 

 


http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=4342911&id=43801361

 


mixiで紹介した東大寺および南都七大寺のレポを焼き直して紹介をしているこのブログでしたが、この3月12日の行法参拝レポは、その内容のボリュームの多さと濃さから、なかなかこれまでアップすることが出来ずに来ました。
しかし、去年の年末・12月21日にこのブログに書いた記事、タクヤNote 今年の抱負(アメンバー限定記事)に書いたように、今の形で奈良の行事を紹介するのは、もしかしたら今年いっぱいになるかも知れないと考えています。なので、今年の内にぜひ、3年前の渾身のレポをこのブログでも紹介したいと思っています。
ただ、mixiの時よりはダイジェストにはする考えではあるものの、他のお寺の行事のレポよりはボリュームは多くなるでしょうし、また今月は他にアップしたい記事もあるので、12日の行法のレポは途切れ途切れになるかと、そのために完結は4月にずれ込むと思われます。
多少長い修二会紹介になりそうですが、ぜひお付き合い願いたいと思います。


さて、そのお水取りですが、この度紹介する3年前の3月12日以来、3年ぶりにお松明を観に行って来ました。3月3日のおひな祭りだったのですが、前にも書いたように今年は奈良レポブログとしてはこれがラストになるかも知れないという思いと、3年前のカメラフジfinepixS9000からニコンD7000と、カメラの性能が格段に上がったこともあって、このお松明では自分としてはこれまでで一番の写真を撮って、お水取り写真の集大成としようと強い想いで行きました。

しかし、それを実現するには、この日は最悪となってしまいました。夕方まではどんよりと曇っていた天気が、日没のお松明の時間の直前になって急に強い雨が降り出した上に、激しい風まで吹いてきたのです。正に春の嵐となってしまったのです。二月堂の下でお松明を待つ参拝者たちも、みんな傘を差して雨風をしのがなくてはいけない天候となってしまいました。

 

 


 

 

 

 

 

 


このような風雨の中でお松明にレンズを向けても、レンズに雨のしずくが付いて、まともに写真を撮れる天候ではありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 


小生のお松明の撮影の特色としているスローシャッターも、レンズに雨のしずくが付いて、酷いものです。

 

 

 

 

 


そして、お松明写真の華である、走りです。お松明を持った練行衆が北から南へと走り抜けるところを5秒露光で撮影しました。雨で画像が曇ってなければ、結構イケてる写真になったのです・゜・(つД`)・゜・

 

 

 

 

 


実際、写真には写らない苦労もいっぱいありました。ただでさえ人が込んでいる時は撮影が大変なのに、さらにその群衆が傘を差すのですから、撮影位置を決めるのは本当に苦労を要しました。カメラを固定してまさに走りが始まったその瞬間、前の人が傘を差してレンズの真ん前に立ったりして、シャッターすら切れないことも。
「今年でお松明の写真を終わりにするな」と、これが御神声なのかも知れないとも思いました。来年以後また来れるかどうかわかりませんが、少なくとも今年が集大成にはならなかったのは間違いないようです。

さて、これもお水取り、お松明の写真の話ですが、先日このブログの読者であるレインボーパパさんのブログ『ナラんちゅレインボーパパのゴーリキ招来』で3月9日に、お水取りお松明の写真を記事にアップされていました。

 

 

 

 

 


http://ameblo.jp/nara-ongeki5191551552/entry-11998833927.html

 


この写真、何と平城宮跡から望遠レンズで撮られたものだそうです。遠距離からの望遠撮影がどんな出来になるのか、やってみたいとは思ったことはあったので、実際に撮影したらどういう感じになるのか、大変参考になる写真です。
見た印象を言えば、完全な露光不足。そこで、小生が愛用しているレタッチソフト、ソースネクストPaintgraphic Pro2で画像処理をし、露光を上げてみました。

 

 

 

 

 


お松明の炎は迫力を増させることは出来ましたが、火の粉などの細かいでティールまでをとらえるのは、これだけ遠距離だと大変なようです。レインボーパパさんは「二月堂自体もわかるようにしたい」とブログ記事に感想を記されておられましたが、その場合は陽が完全に暮れる前に“前露光”で二月堂の建物を写しておき、後で合成する必要があるかも知れないと思いました。
ただ撮影方法として選択肢は捨てきれないので、混雑する二月堂近辺から離れて、お松明が写せるポイントを探してみてもいいかと思いました。まだ小生がお松明写真の集大成写真を残せるのは先のことになりそうです。


東大寺修二会 十二夜行法(籠松明) ─ 平成24年3月12日 ─に続く。

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