『ミッシング』 | 映画とテラと、時々エレナ

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愛犬テラ(故エレナ)と家族の気ままな暮らしをらくがき程度に書きためるつもりが、最近ではほぼ映画レビューブログと化してます。σ(^_^;


2021.8.22にテラを新たに愛犬として迎えましたので、ブログタイトルを変更しました。



『ミッシング』
監督:吉田恵輔
出演:石原さとみ
      青木崇高
      森優作


とある街で起きた幼女の失踪事件。
あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。
娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。
唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。
そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の的になってしまう……


本作は、娘の失踪事件をきっかけに、身近にあふれる情報の波に翻弄され、SNSでの誹謗中傷に晒された母親が徐々に平常心を失っていく姿を描いた社会派ドラマとなります。

本作を観た感想を一言で表すなら“とてつもないものを観てしまった”といったところでしょうか。

とにかく胸が締めつけられるほど苦しくて、哀しくて、あまりに重い作品でした。

自ら監督に直談判して役を勝ち取ったというだけあって、石原さとみの演技は鬼気迫るものがあり、これまでに見てきた彼女の印象を根底から覆すほどの素晴らしい演技でした。✨

うちの嫁さんはパニック障害の傾向があって、精神的にまいってくると一時的に平常心を失うことがあるのですが、沙織里が平常心を失って狼狽する様子が、あまりにリアル過ぎて気味が悪かったほどです。😰

そんなこともあって、個人的にこの上なく青木崇高に感情移入した状態で観ていたのですが、あるシーンで青木崇高が号泣するのとシンクロするかのように同じタイミングで涙腺崩壊する始末。💦

正直言って、観ているこっちも平常心ではいられないほど心を抉られる作品で、今までニュースを他人事だと思ってちょっとしたエンタメ感覚で観ていた自分に気付かされて、当事者との温度差はこれほどまでに違ったのだと思い知らされましたね。

本作は紛れもない傑作だと思いますが、観る方に苦行を強いることになるので、安易にオススメ出来ない……そんな作品でした。