ボイラー・タービン主任技術者の仕事(その1) | 電磁砲発射!

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電磁砲44です。

 

 ボイラー・タービン主任技術者のことをメインにブログを書いております。

 

 今回はボイラー・タービン主任技術者がするべき仕事について数回にわたって書きます。この内容は私の個人的な主観によるものです。発電所によっては全く該当しないこともありますのでご注意ください。

 

 私も仕事柄「ボイラー・タービン主任 仕事」なんて単語をgoogle先生で調べたりするんですが、そのマイナー性からか資格取得についての情報が多く、普段どのような事をしているのかの情報が不足しています。「やはりこの業界は上の世代から技術伝承を受けるしかないのか・・・」と思ったこともあります。そんな状況を打開したい想いで今回はこの記事を書きたいと思います。

 

 ボイラー・タービン主任技術者の仕事は大きく分けて4つあると思います。

 

  1.  ボイラーやタービンの立上前準備と立下後処理
  2.  立上・立下作業
  3.  B・T主任技術者会議出席
  4.  安全管理審査の受験

 

 他にもあると思うのですが、とりあえずこれだけは書いておきたい内容を上げました。これは2胴水管ボイラーの例です。

 

 

1.ボイラーやタービンの立上前準備と立下後処理

 ボイラー立下後作業

 ボイラーの運転が終了するとボイラーの水位は中央制御室のモニターで確認できる水位の事が多いです(規模にもよりますが、ボイラー水面計は常に中央制御室で監視する必要があります)。運転が終了した後のボイラー水は全ブロー(捨てる)します。これは「水抜き」と私たちはよんでいました。水抜き作業は時間をかけてゆっくり行います。

 水抜き作業が終了したら、再度ボイラーに水を入れます。同時に長期間保缶するための薬品を注入します。水は過熱器のエア抜き弁から水が噴き出るまで行い、この状態になるとボイラーに若干の圧力が発生します。これが保缶作業(満水保缶)になります。

 

 ボイラー立上前作業

 満水保缶状態のボイラー水を水抜きするところから始まります。この時、急速に水を抜いてはいけません。圧力があるうちはゆっくりブローします(水管を痛めます)。

 全ブロー終了後再びボイラーに水を入れますが、この時にも薬品を注入します。この時の薬品は、ボイラー運転中に注入している薬品を一定の割合で調合して注入します(基礎投入)。これは、ボイラー内部に薬品で皮膜を作るためだといわれています。水面計の下部から若干見える程度までボイラー水を入れます。立上作業が始まると、水の密度が低くなり膨張するため何をしなくてもボイラー水位は上昇します。あまり水位を上げる必要はありません。この水位を維持できない場合は、リークが考えられます。どこか締めなければならないバルブが開いているか、水管から漏れている可能性もあります(結構締めが甘かったり、締めるべき弁を閉めていなかったりします。連続ブロー往とか・・・)。これをボイラー立上日までに行います。

 

 タービン立下後作業

 タービンの立下後作業はあまりありません。ターニングが終了後、すべてのエア抜弁やドレン弁を開放します。

 

 タービン立上前作業

 タービン立上前作業は、すべてのドレン弁を閉めて潤滑油ポンプ運転。その後、運転開始直前に通気しその時にエア抜弁は閉めます。

 よほど大型発電所でなければタービンの長期間立上・立下はメーカーが入る定期点検(定期事業者検査)時です。もし、そうでない場合で長期停止する場合があるときは、通気をしっかり行い、機器が錆びないように気を付けます。タービン内にドレンが残っていたりすると錆付きの原因になりかねないので注意します。

 

 非常に簡単に作業内容を書きましたが、この間いろいろな弁を開閉したり、軟水装置の設定を変えたり、運転員にも手伝ってもらったりします。作業内容は非常に多岐にわたるので、手順書を作成して間違えないことが重要です。また、ここで記載した内容は一例です。この場合によらないことも結構あります。

 

 いかがでしたか。本当に簡単に書きましたが、責任重大な作業です。特にボイラー・タービン主任技術者の行う作業はボイラーやタービン破損に大きくかかわります。機械が大きいだけに修理費・修理期間が嵩みます。作業には慎重さが求められます。

 

 内容に疑問がある、ここは間違えている等のご指摘がありましたらコメント欄に書いていただけると助かります。

 

 今回もご覧いただきありがとうございました。次回は「立上・立下作業」になります。