『愛を読むひと』
2008年 アメリカ・ドイツ
《スタッフ&キャスト》
監督 スティーブン・ダルドリー
原作 ベルンハルト・シュリンク
脚本 デビッド・ヘア
撮影 クリス・メンゲス・ロジャー・ディーキンス
音楽 ニコ・ムーリー
出演 ケイト・ウィンスレット/レイフ・ファインズ/デビッド・クロス/レナ・オリン/ブルーノ・ガンツ/アレクサンドラ・マリア・ララ/カロリーネ・ヘルフルト
《解説》
全世界500万人が涙したベストセラー小説「朗読者」、アカデミー賞チームによる待望の映画化
幼い頃に恋に落ち、数年後に劇的な再会を果たした男女が、本の朗読を通じて愛を確かめ合うラブストーリー、ベルンハルト・シュリンクの「朗読者」を「めぐりあう時間たち」の名匠スティーブン・ダルドリーが映像化
無期懲役となったヒロインを「タイタニック」のケイト・ウィンスレット、彼女に献身的な愛をささげる男をレイフ・ファインズが好演
《物語》
1995年、ドイツ・ベルリン、他人に心の奥底を見せず人を愛せなくなっていたマイケル、妻との間に娘をもうけたが妻子とは別れて生活、そんなマイケルが思い出すのは1958年の西ドイツのノイシュタットでの出来事
15歳のマイケルは猩紅熱で倒れたところを通り掛かったハンナに助けられた、自宅で安静したあとでハンナのアパートを訪れたマイケルは初めて接する大人の女性に心を躍らせる
ハンナに出掛けるので外で待っててと言われたがドアを開けたまま中を見るとハンナが着替えている最中で、目が合ってしまったマイケルは慌てて逃げるように外に出た
路面電車の車掌をするハンナを見て目で追い、またハンナのアパートへ、ハンナに石炭を運ぶ力仕事を頼まれた、マイケルは石炭で汚れてしまい風呂に入るように言われる
風呂から出るとハンナはバスタオルを持って裸で待っていた、マイケルの想いを察して性の手ほどきをしてあげた、マイケルにとってもそれは初めての経験だ
それからは学校帰りにハンナのアパートに行き、情事を重ね、彼女に夢中になっていく、ハンナはマイケルの学校での話しを聞き、習っている戯曲を朗読
ハンナはとても上手だと褒め、上手なもののないマイケルは嬉しかった、いつしか朗読は愛し合う前に執り行う儀式のようになっていった、ハンナはどこか冷めた態度を崩さないが、マイケルに本を読んでもらう時だけは少女のように純粋な表情を見せる
2人で初めての自転車での一泊旅行、ハンナは聖歌隊の声が響く教会で涙を流す、その理由は感動したからではなかった
ある日、真面目な勤務態度が評価されてハンナは昇進を言い渡される、その日はマイケルの誕生日で友達の計画してくれたパーティを断ってハンナの元へ
そこで涙するハンナを抱いてハンナは友達のところへ戻れと言い、そして再びハンナのアパートを訪ねるとそこにハンナの姿はなかった、別れは突然だった
《感想》
何と言っても「リトル・チルドレン」のケイト・ウィンスレットが素晴らしかったです、ほめ言葉にならないかもしれませんが、彼女のくたびれた感が良かったです
女性に対してくたびれた感が素晴らしいとは女性蔑視に当たるかもしれませんが、ケイト・ウィンスレットはハンナ・シュミッツを演じるに当たって自らをそう仕上げたのかも
ハンナは真面目に仕事をして目立つことなく慎ましく生活をしているのですが、アパートの前で憔悴しきっているマイケルを見てほっとけなかったのでしょう
レイフ・ファインズ演じるマイケル・ベルクは結婚はするが離婚、娘はいるのですが妻子とは離れて暮らしています、遊ぶ女はいるようなのですが、愛することはないようです
そんな彼が思い出すのはハンナのこと、あの時に声を掛けて助けてくれたハンナに花を持ってお礼をしに行くのです、ハンナはマイケルより21歳年上、彼には大人の女性に見えたのでしょうね
おそらく何らかの下心や期待があったのかもしれません、ハンナにも少し感情が揺れ動いたのかもしれません、マイケルは彼女の着替えを覗いてしまい、ひょっとしたら覗かれるのを知っていてね
次に会った時にはハンナはマイケルを風呂に入れて裸で待っています、ハンナはマイケルの想いに応えてのことでしょう、初めての女性がハンナ、ハンナも久しぶりの男だったかも
それからはマイケルはハンナの体に溺れてしまいます、若き日のマイケルを演じるのはダフィット・クロスで、母親に間違われることもありましたがマイケルはハンナをしっかり愛しています
セックスの前にハンナにマイケルが朗読することがお決まりとなっていろんな本を読むのです、学校で習った話しだけでなく友人に借りた「チャタレイ夫人の恋人」を朗読すると猥褻だと言うものの続けてと
それでもハンナは忽然と姿を消します、1966年にハイデルベルグ大学の法学生となったマイケルはナチス戦犯の裁判を傍聴、その被告人席のひとつにハンナを見付けるのです
ハンナは元ナチス親衛隊で強制収容所の看守で、300人のユダヤ人を死なせた罪に問われています、殺したわけではなく未必の故意を争う裁判ですが、彼女には秘密があってそれを知られたくないがために罪を被ってしまいます
裁判を受けるハンナは当然ですが老けていて、これまたケイト・ウィンスレットが裁判で疲弊していく様子も素晴らしかった、裁判長に反論する様子もね、そして刑務所での生活でも老いていきます、何年も何年も経って老女になってもね
この時代になってそれに日本ではナチス戦犯ってあまりわかりませんが、ユダヤ人にとっては一生忘れられないことなんでしょうね、歴史の重みもあって見応えあります
愛は、本に託された それが『愛を読むひと』です。
ケイト・ウィンスレットがアカデミー主演女優賞に輝いた作品です、ニコール・キッドマンで撮影が始まったのですがニコールが妊娠により降板、当初配役されていたケイトが起用されました。
更に過激な:続・裏237号室の『愛を読むひと』のレビューはこちらです。




























