シャドウ・オブ・ヴァンパイア | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』

 

 

 

 

 

2000年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 E・エリアス・マーヒッジ

 

脚本 スティーブン・カッツ

 

撮影 ルー・ボーグ

 

音楽 ダン・ジョーンズ

 

 

 

出演 ジョン・マルコビッチ/ウィレム・デフォー/ウド・キアー/ケイリー・エルウィズ/キャサリン・マコーマック/エディー・イザード

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

傑作「吸血鬼ノスフェラトゥ」に主演したのはホンモノの吸血鬼だった

 

吸血鬼映画の古典的傑作「吸血鬼ノスフェラトゥ」、本作は、その主演俳優シュレックが実は本当の吸血鬼だった、との大胆な設定で作られた異色ホラー

 

1922年製作、ドイツ表現主義を代表するモノクロ・サイレント映画「ノスフェラトゥ」は吸血鬼映画の元祖、79年にクラウス・キンスキー主演で同名リメイクも作られている

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1921年・ベルリン、ドイツの偉大な映画監督フリードリヒ・W・ムルナウは小説ドラキュラの映画化権を断られる、そこでムルナウは吸血鬼をオルロック伯爵、映画のタイトルをノスフェラトゥと変えて撮影

 

そして出来上がった作品はかつてないほどの恐ろしい吸血鬼映画を創り出し、不世出の名監督の地位を確立した

 

 

ムルナウはノスフェラトゥの撮影に入り、セットでの撮影を終えてチェコの古城でのロケとなった、主演女優のグレタはそれについて文句たらたら

 

 

舞台があるのにロケを入れるなんて自分の舞台のギャラがいくらか知っているのかと?舞台は活力をくれるがカメラは活力を奪うと、ムルナウはこの難しい役を演じきれば大女優になれる、芸術を創造するためだ

 

 

そこでチェコでの撮影で吸血鬼オルロック伯爵役にマックス・シュレックが雇われた、役に備えて己の性格は消し去り役に成り切るらしい、単独行動もその1つ

 

 

数週間前からチェコに入り、現地の風趣を肌で吸収するため、撮影が始まったら彼はメイクと衣裳姿で押し通すようだ、それと彼の撮影は夜にしか行わない

 

いざ撮影でオルロック伯爵役のマックス・シュレックと初めて対面したスタッフとキャストはその異様さに驚き、その圧倒的な存在感に目を奪われた

 

 

彼こそが完璧を求めるムルナウによって発見され、雇われた本物の吸血鬼だった、契約の条件は撮影中はスタッフとキャストを毒牙にかけないこと

 

 

その代わりに映画が完成したらヒロインを演じる主演女優のグレタ・シュレーダーの血を好きなだけ吸っていいと

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

作品自体はあっさりしているのですが、この設定って面白いですよね、モンスターを演じるのが実はホンモノのモンスターだったなんてね

 

 

ドイツ表現主義映画の代表作と言われる古典的名作「吸血鬼ノスフェラトゥ」の、まあブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」のあらすじをそっくりいただいたもの

 

内容を勝手に拝借した作品なので吸血鬼を演じたマックス・シュレックが実はホンモノの吸血鬼だったと、しかも監督のムルナウが見付けてその報酬は主演女優の血

 

マックス・シュレックを演じるは「アメリカン・サイコ」のウィレム・デフォーで、さすがに恐ろしい形相で独特の雰囲気を醸し出しています

 

 

監督のフリードリヒ・W・ムルナウを演じるのはジョン・マルコビッチで、映画のためなら何でもするような、ある意味クレイジーな偉大な映画監督です

 

 

本作が始まって撮影スタッフ全員が白衣でゴーグルなんです、これは当時の撮影風景をそのまま忠実に再現しています、当時の舞台裏やセットも興味深いです

 

 

プロデューサーのアルビンを演じるのはウド・キアーで、脚本家のフリッツを演じるのはケイリー・エルウィズで、2人はマックス・シュレックと酒を一緒に飲んでます

 

 

そしてグレタ・シュレーダーを演じるのはキャサリン・マコーマックで、かなり高慢なのですがモルヒネ中毒なんです、夜にはおっぱい放り出して大騒ぎです

 

 

グレタも自分がマックス・シュレックの餌食になるとは思ってもいません、ムルナウはよくこんな約束ができたものですね、グレタが死んだらどう説明するのでしょう?

 

 

ラストシーンに街を黒死病で災厄をもたらしたオルロック伯爵を倒すためにグレタ演じるニーナがその身をオルロック伯爵に与えて、朝が来るのも忘れてニーナの血を吸うオルロック伯爵は朝日を浴びて死んでしまう

 

 

そんなラストをそのままマックス・シュレックの最期にするのかと思ったら撮影後にそのままグレタの胸を掴んで首筋から血を吸うんです、それをムルナウは必死に撮影

 

 

撮影後にフリッツが銃でマックス・シュレックを撃つのですが何の効果もなくフリッツは殺され、杭を持ち出したアルビンも殺されてしまいます、しかしムルナウには秘策がありました

 

伝説的な傑作を何と言うかイジっている感じにも見えました、それにジョン・マルコビッチとウィレム・デフォーの鬼気迫る演技がそもそも面白かったかも

 

 

 

 

 

 

 

 

吸うか、吸われるか それが『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』です。

 

 

 

 

 

それにしてもこの設定は他の作品でもできそうですもんね。