ゆりかごを揺らす手 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 
 
 
 
 
『ゆりかごを揺らす手』
 
 
 
 
 
1992年 アメリカ
 
 
 
 
 
《スタッフ&キャスト》
 
 
監督 カーティス・ハンソン
 
脚本 アマンダ・シルバー
 
撮影 ロバート・エルスウィット
 
音楽 グレーム・レベル
 
 
 
出演 アナベラ・シオラ/レベッカ・デモーネイ/アーニー・ハドソン/マット・マッコイ/ジュリアン・ムーア/ジョン・デ・ランシー
 
 
 
 
 
《解説》
 
 
女は愛の代わりに、憎しみと手をつないだ
 
レベッカ・デモーネイ扮するベビーシッターが様々な策を弄して主人公を追い詰める過程を丹念に描き、じわじわとした恐怖を駆り立てるスリラー演出が秀逸
 
レベッカ・デモーネイが演じた悪女を単なるサイコパスではなく、母性の行きどころを失くした女性として設定し、物語に深みと悲しみを与えているのが見どころのひとつ、普段はおとなしそうな彼女が突如見せる爆発的な悪のパワーは恐怖
 
 
 
 
 
《物語》
 
 
優しく子煩悩な夫マイケルと幼い娘エマに囲まれ幸せな日々を過ごすバーテル家のクレアは2人目の子供を身籠り、産婦人科の診療に訪れた
 
医師のモットは看護師を部屋から出して、診察と言いながら必要以上にクレアの胸を触り、手袋を外してクレアに対して猥褻な行為に及んだ
 
 
クレアはマイケルに涙を流して話した、マイケルは黙っていたら他の患者も犠牲になると、クレアは勇気を出して訴えた、クレアが医師会に訴えたことが発端となり他に4人の妊婦が同じように訴えを起こした
 
マスコミに大きく取り上げられモットは自宅でピストル自殺、モットの妻ペイトンは保険も遺産も差し押さえられショックで倒れてしまう
 
妊娠中のペイトンは流産し、生命の危機から子宮を摘出する大きな手術で一命を取り留めた、一方クレアは無事に男の子を出産、ジョーイと名付けた、障害者団体から紹介された使用人のソロモンにエマは懐き、一家は幸せに暮らしていた
 
 
6か月後、マイケルは乳母を雇うことをクレアに提案、現れたのはペイトンで過去を隠して乳母として雇われることに成功、一家に入り込むことが出来た
 
 
ペイトンは引っ越して来たその夜からジョーイに自身の母乳を与えて自分の子供のように扱い、更にエマにも好かれるようにいじめっ子を脅して2人だけの秘密クラブを作る
 
 
そして自分を怪しげに見るソロモンをエマを性対象として見ているとクレアにさり気なく言い、ソロモンの道具箱にエマの下着を忍ばせた、ソロモンの道具箱を見たクレアはソロモンを解雇、仲良しだったエマはクレアに反発
 
 
更にマイケルとクレアの仲を裂くためにマイケルの初恋の相手で現在は友人の妻であるマリーンと浮気しているように画策し、クレアの誕生日パーティの計画をしていたマイケルとマリーンを疑い、バーテル家を崩壊へと追い込んでいく
 
 
ある日、マリーンはペイトンがモットの妻であることを偶然知り、バーテル家へと駆け付けるが、ペイトンの罠にハマってしまう
 
 
 
 
 
 
《感想》
 
 
セクシーなベビーシッターや家政婦やメイドには気を付けないと、家庭を乗っ取られて崩壊されてしまうかも、ゆっくりと家の中を支配していく、怖いね
 
もちろんその家の主人には気付かれず、その妻をターゲットにして娘の信頼を奪い、夫の浮気を疑わせたり、その家の中で孤立させてしまいます
 
 
妊娠中のクレアは産婦人科で触診されるのですが、必要以上に胸を触り、そして脚を広げさせて猥褻な行為に及ぶのです、クレアは喘息の持病があるのですがそれが悪化
 
クレアを演じるのはアナベラ・シオラで、理想的な幸せな家庭なんです、2人目の妊娠で医師から猥褻なことをされて訴えるんです、それによって医師は自殺、自分は悪くなくても後味悪いですよね
 
 
その医師の妻のペイトンが流産した上に子宮摘出の手術、クレアを逆恨みしたペイトンは乳母としてバーテル家に入り込みます、ペイトンを演じるのは「卒業白書」のレベッカ・デモーネイ
 
 
そのクールな表情が何だか怖くて、障害者の使用人のソロモンと挨拶したときにソロモンが握手をするとペイトンの白いブラウスの袖が汚れるんです、そのときのペイトンの顔の怖いこと、すぐに笑顔になるんですけどね
 
ソロモンを演じるのはアーニー・ハドソンで、ペイトンを疑いの目で見るのですが大柄な黒人でも知的障害があり、小柄なペイトンでもその迫力で圧倒してしまいます、しかも平手までして
 
 
欲しいものは自転車でそれを初対面でポロっと言ったことをマイケルは憶えていてサプライズでプレゼント、それにソロモンは感動してこの家族を守ると誓うんです、マイケルを演じるのはマット・マッコイ
 
 
マイケルには少しずつ色気をふりまいてアピールしていきます、まあマイケルにしても綺麗な女性に気があるふりをされたら悪い気はしませんもんね
 
 
しかしペイトンはソロモンにジョーイに母乳を与えているところを見られてエマの下着をソロモンの道具箱に入れてクレアの逆鱗に触れさせて解雇させてしまいます
 
これによってソロモンが大好きなエマは母親であるクレアが嫌いになります、そこにペイトンがつけ込んでエマを囲い込んでしまいます、まるで母親のように、エマを演じるのはマデリーン・ジーマでこの子が本当に可愛くてまさに純情無垢な感じです
 
 
それにクレアから聞いたマイケルの初恋相手が友人のマーリーンだと知って、クレアの誕生日にサプライズをしようとペイトンはマイケルに相談、それにマーリーンにも協力をしてもらってそれをマイケルとマーリーンが密会しているように思わせます
 
マイケルとマーリーンの不倫を疑ったクレアはみんながサプライズで隣の部屋に集まった日にマイケルにそのことを大声で問い詰めるんです、隣の部屋に友人たちやマーリーンがいることを知って茫然、友人も失って自暴自棄となります
 
 
しかしマーリーンが仕事関係の書類の中でペイトンの正体に気付き、クレアに教えようと車を走らせます、家にはクレアはおらずペイトンに事実を告げるもペイトンが仕掛けた罠にマーリーンは事故死してしまいます、演じるのはジュリアン・ムーア
 
 
逆恨みによる復讐は関係のない者まで殺してしまうもう止められないところまできてしまいます、女の復讐は時間を掛けてジワジワと進めるだけに男と違って気付いたときにはもう遅かったりしてね
 
 
 
 
 
 
アメリカ中の心臓を凍らせた、サスペンスの傑作 それが『ゆりかごを揺らす手』です。
 
 
 
 
 
このレベッカ・デモーネイは本当に美しくて怖いんです、そのギャップがこれまたすごいです。