『団地妻 昼下がりの情事』
1971年 日活
《スタッフ&キャスト》
監督 西村昭五郎
脚本 西田一夫
撮影 安藤庄平
音楽 奥沢散作
出演 白川和子/浜口竜哉/南条マキ/前野霜一郎/美田陽子/関戸純方/高橋明/島村賢二/大泉隆二/氷室政司/マイク・ダニーン
《解説》
日活ロマンポルノの記念すべき第1回作品
経営に行き詰った映画会社・日活が苦肉の策として挑んだ成人向け映画路線、日活ロマンポルノ、1971年11月20日、「色暦大奥秘話」と2本立てで公開された
高度経済成長時代の後期、都市部に住む日本人が団地で暮らすことを夢見た時代を反映し、一見すべてが満たされたかに見える主婦が主婦売春を経て破滅していくまでを、西村昭五郎監督が描写
《物語》
都内近郊の団地に住む専業主婦の律子は夫の良平のセックスに満たされることがないまま、今朝も仕事に送り出した、隣室の陽子は奔放な女性で律子の部屋に来ては大人の玩具を見せる
律子は陽子に良平が満足させてくれないことを見透かされていた、それに陽子は高価なダイヤや洋服で着飾っている、夫が海外出張していることをいいことに欲求不満の人妻たちの売春を仲介して稼いでいる
陽子にもらったオモチャで自慰の最中に電話が鳴った、それは高校時代の夫と共通の友人の桐村からだった、律子は酒を飲み、刺激的な言葉に酔い、誘われるままにラブホテルに入り、夫では満たされない身体を桐村に委ねて何度もエクスタシーを迎えた
しかしラブホテルに入るところを陽子に見られて写真を撮られて圧力をかけられて、それをネタに脅迫されて屈し、人妻売春組織の畑中という男に会わされて、他の団地妻も売春をしていると実体を知らされた
マジックミラー越しに男を悦ばせるノウハウを教わり、そして初めて客を取らされてセックス、心では嫌がりながらも身体は悦び、その後も次々と客を取り、男たちに体の隅々まで貪られてそのせいで幼かった律子の身体とテクニックは爛熟していった
律子は慎ましく生活をしていたのだが、その身なりは徐々に派手になっていった、一方の良平は成績が落ちて課長昇進を賭けて大企業のマイクと交渉していたが上手くいかない
同僚の田代に相談すると女を当てがおうと考え、桐村に女の世話を頼むと畑中という男を紹介されて、畑中はマイクに律子を当てがった、マイクの獣のような激しいセックスに身も心も溶かされた律子
セックスの後に金を持って部屋に現れたのは良平と田代、律子と良平は言葉なく立ち尽くした、同僚にも妻が売春婦だと知られて良平はその日から行方不明となった
そんな事は知らない陽子は律子を尋ねて口論となり、律子は陽子を殺してしまう、夫に捨てられて陽子を殺した律子は桐村のマンションへと向かい、セックスに溺れて2人は逃避行するのだが…
《感想》
日活ロマンポルノの記念すべき第1回作品なのですが、しっかりとした大人のドラマでもあります、もちろんセックスシーンは何回もありますがそれは今ではそんなハードな印象ではないです
当時の人たちはこれで満足してたのでしょうね、でもある映画紹介でみうらじゅんが本作は日活ロマンポルノでは黒澤明でいう「七人の侍」に値する作品だと言っています
主演の白川和子は大学在学中に劇団に入団し、スカウトで日活ロマンポルノに出演して以後5年間でロマンポルノ映画に約200本に出演し、ロマンポルノの女王と呼ばれます
彼女の演じる笠井律子は高校時代には憧れの存在で同級生の笠井良平と結婚、団地に暮らす専業主婦ですが平凡で単調な毎日や仕事に忙しい良平とのセックスでは良平が終わるとセックスは終わりで自分がエクスタシーにはイキません
そこに数年ぶりに学生時代の友人の桐村に誘われて酒を飲んでラブホテルに入って夫のいる身でイヤイヤって言うものの抱かれてしまいます、しかも同じ男でも夫とは全然違うと感動するんです
まあ桐村は小さいながら会社を経営する社長でしかもプレイボーイなので世間知らずの律子はコロッとヤラれてしまうんです、桐村に言わせれば律子は生娘のように何も知らない女で、これから染めようと考えていたのかも
でもラブホテルに入るところを見られて写真を撮られて夫にバラすと脅しに屈して主婦売春組織に入ることになるんです、そこで最初はマジックミラー越しに売春をする主婦の仕事っぷりを見て勉強、金額の2割を売春組織のオーナーの畑中に入ることを説明されるんです
最初の客にたっぷりと見られて隅々まで愛撫されて女の悦びを感じるんです、その後も次々と客の相手をさせられて身体は開発されて感じやすくなります
それによって男に対するサービスも上達するんです、なので夫とのセックス中にも感じて上になってサービスしそうになってしまうんです(笑)
桐村と畑中は持ちつ持たれつの間柄で桐村が売春相手を紹介してもらうとそこに律子がいて桐村の車は通り過ぎてしまうんです、これは筋書き通りだったのかも
その後に良平が仕事の接待で外国人のマイクに女を紹介するのに桐村に頼むと畑中を紹介、その時に桐村は律子が売春してることを言おうとするのですが言えません
マイクの相手をするのは律子でマイクは後ろから激しく責め立てて律子はグッタリ、マイクが帰った後にお金を持って良平と同僚の田代が現れるんです、律子と良平は愕然とするのですが田代の手前知らないふりをするんです
団地に戻った2人は口論となり良平は律子を平手で何度も殴るのですが律子は毎日退屈で息が詰まりそうだと開き直ったようです、公にしないようにしようとする良平ですがそこに田代から電話で、奥さんへのお金は明日渡す、と彼は律子を見てかつて見た良平の妻だとわかったんです
会社にバレて噂になってしまうことで、これで終わりだと良平は部屋を飛び出して行方不明に、そこにやってきた売春組織に引き込んだ陽子殺してしまいます
桐村もマンションに行ってセックスをして2人で逃げようと計画するのですが、桐村の運転する車の中で口淫をしてその快感で桐村はハンドルを切り損ねてガケから転落して炎上、まるでヌーヴェル・ヴァーグやアメリカン・ニュー・シネマのようなエンディングでした
あなた…あたし、まだなのよ…愛と性を描く、画期的作品!それが『団地妻 昼下がりの情事』です。
ロマンポルノ作品なのですが、思った以上にしっかりとした作品で見応えもありましたね。
更に過激な続・裏237号室の『団地妻 昼下がりの情事』のレビューはこちらです。



















