『ルームメイト』
1992年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 バーベット・シュローダー
原作 ジョン・ラッツ
脚本 ドン・ルース
撮影 ルチアーノ・トボリ
音楽 ハワード・ショア
出演 ブリジット・フォンダ/ジェニファー・ジェイソン・リー/スティーブン・ウェーバー/ピーター・フリードマン/スティーブン・トボロウスキー
《解説》
彼女が私になっていく!
ニューヨークの高級アパートで暮らす女性が、ルームメイトの一見平凡な娘の狂気に追い詰められていく姿を描いた90年代を代表するサイコ・スリラー
主演のブリジット・フォンダとジェニファー・ジェイソン・リーは、共に有名俳優一家で育ったサラブレッド女優、その2人が親しくなるまでの心の動き、募る不安、息詰まる対決まで、全編を通して演技合戦の火花を散らす
《物語》
ニューヨークのアパートメントに恋人のサムと住んでいたアリーは、サムが元妻と会い、セックスしたことを知って激怒し、別れる決心をして彼をアパートメントから追い出した
広い部屋の家賃と寂しさを補うために同居人を募集、白人独身女性募集と、なかなか良いと思われる人が現れない中で、地味で大人しそうなヘディが訪れてアリーはヘディを同居人に選んだ
2人は意気投合してショッピングにも一緒に行き、一人っ子だったアリーは姉妹が出来たような気分、ヘディは双子だったが死産だったと。自分の体の一部が欠けたようだと
その頃からサムからよりを戻したいと電話が掛かるようになるがアリーは同居人がいるからと拒否、留守番電話のメッセージを聞いたヘディはそれを消去する
そんなある日、サムが部屋にやって来た、電話も手紙も無視されて来るしかなかった、償わせてほしいと、しかしアリーは手紙は貰っていないと、和解した2人はよりを戻した
そんなアリーをヘディは冷ややかな目で見る、自分はひとりぼっちだと、そのうち良い人が現れると言うアリーにヘディは美人でスタイル抜群で仕事の才能もある、地味な私とは違うと
ヘディに気を遣うアリーだったが、部屋に来たサムに対して必要以上に親しげに接するヘディに不快感を抱くアリー、ヘディの部屋を少し覗くと自慰の最中でアリーは覗いていたことをヘディに気付かれてしまう
その後に美容院でアリーと全く同じ髪型と色に染め、まるで双子のようになったヘディを見たアリーはヘディが異常なほど自分に執着していることを感じ取る
ヘディの異常さを確信したアリーはヘディの荷物を調べると、そこにはサムからの手紙や、死産だったと言っていたヘディの双子の姉妹が9歳で事故死した際の新聞記事が出てきた、次第にヘディの行動は常軌を逸していく
《感想》
80年代はスプラッター映画が流行り、90年代は本作のようなサイコサスペンスが流行りました、残酷な描写は控え目ですが実際はこちらの方が残酷だったりします
アリーを演じるのはブリジット・フォンダで、あの有名な俳優一家で、祖父はヘンリー・フォンダ、父はピーター・フォンダ、伯母はジェーン・フォンダとすごい名前が並びます
恋人のサムとニューヨークの高級なアパートメントに暮らしているんです、オープニングすぐにブリジット・フォンダのヌードが披露されてちょっとビックリでした
そこに電話が掛かってきて、その相手はサムの元妻で最近に2人が会った時にセックスをしたようなんです、落ち込んでいた元妻を慰めていたときにセックスしてしまったとね
その結果、2人は破局してしまい、アリーは同居人を募集すると何人かの女性と会うものの最後にやって来たヘディと意気投合、ヘディを同居人とするんです
地味な女性のヘディを演じるのは「ヒッチャー」のジェニファー・ジェイソン・リーで、父親はヴィック・モローで彼女も俳優一家なのです
ジェニファー・ジェイソン・リーも部屋に住み始めるとすぐにヌードになってこちらにもビックリ、スレンダーなブリジット・フォンダとは違ってふくよかです
このヘディがアリーに憧れがあるのかファッションも髪型も髪色も同じにするんです、しかも夜遊びするときはクラブでアリーの名前で遊んでます
アリーがサムとよりを戻すと更に常軌を逸していきます、セックス後にアリーが目を離した隙にヘディは半裸でサムと楽しく会話をしているんです、アリーからしたらちょっと嫉妬心が出ますよね
部屋に戻ったヘディを覗くと自慰の真っ最中で喘ぎ声も、ヘディに気付かれたアリーは慌てて部屋に戻って寝たふりをするんです、これは気まずいですね
ヘディはアリーとサムを別れさせようとサムの部屋を訪れて、寝ているサムのベッドに入って口淫をするんです、薄暗い部屋ではヘディはアリーに見えて受け入れるサムなんですけど途中で気付くも遅し
ヘディのテクニックに落ちたサムは愕然とし、ヘディは黙ってあげるから元妻のところに戻れと言うもののサムはアリーに正直に話すと言うと、ヘディはキレてしまいます、ハイヒールの踵でサムの目を突き刺して殺します
女性が女性に狙われる展開はこのアリーに執着するヘディの怖さは尋常じゃないです、好きが行き過ぎて憎いに変わってしまうような感じでしょうか
ヘディは同性愛者ではないのですが、双子の姉妹を殺しているので姉妹が欲しかったのかもしれません、最初の印象とガラッと変わるジェニファー・ジェイソン・リーの凄さですよ
私だけのものを彼女はひとつひとつ奪っていく、香水、ドレス、恋人、そして… それが『ルームメイト』です。
私はあなたなんて言われたらどういうつもりなのかと思ってしまいます。
更に過激な続・裏237号室の『ルームメイト』のレビューはこちらです。




















