記憶の棘 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『記憶の棘』

 

 

 

 

 

2004年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ジョナサン・グレイザー

 

脚本 マイロ・アディカ/ジャン・クロード・カリエール

 

撮影 ハリス・サヴィデス

 

音楽 アレクサンドル・デプ

 

 

 

出演 ニコール・キッドマン/キャメロン・ブライト/ローレン・バコール/ダニー・ヒューストン/ピーター・ストーメア/アン・ヘッシュ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

忘れられない想いが、よみがえる どこまでも切ない、輪廻をめぐる愛のミステリー

 

夫の生まれかわりだと主張する少年の出現によって、夫との愛の記憶を呼び覚まされるヒロインのアナ、「めぐりあう時間たち」でアカデミー主演女優賞に輝き、名実ともにハリウッドの頂点に立ったニコール・キッドマン

 

そんなニコールと互角の共演ぶりを見せるのは、ショーン少年に扮したキャメロン・ブライト、大人の男を感じさせる演技には誰もが舌を巻くだろう

 

監督を務めるのは、音楽界の天才的映像クリエイター、ジョナサン・グレイザー、イギリスが生んだ稀代のヴィジュアリストの斬新な映像が見物

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

10年前、最愛の夫ショーンがジョギング中に発作を起こし突然この世を去って以来、悲しみから抜け出せずにいたアナ、アナはニューヨークで暮らす30代の美しい未亡人

 

 

ようやく踏ん切りがつき、人生を新しく始めようと決意し、3年間待ち続けてくれたジョゼフのプロポーズを受け入れることにした

 

 

数日後、アナのアパートで母エレノアの誕生日パーティが開かれていた、家族が集まる中、楽しくパーティが進められるが、そこに見知らぬ少年が現れた

 

 

大人びた態度の少年は信じられない言葉を発した、その少年は自分がアナの夫ショーンだと言うのだ、そしてジョゼフとの結婚を反対

 

 

驚きと怒りで困惑したアナは少年を部屋の外に出しドアマンに家に帰すように頼んだ、少年はジョゼフと結婚するなという手紙をアナの元に届ける

 

 

その手紙を読んだジョゼフは同じアパートで家庭教師をしている父親の元にアナとともに会いに行き、事情を説明、驚いた父親は少年に二度とアナと会わないと誓わせようとするが少年は断固として従わない

 

 

父親の言うことに全く従わない少年にしびれを切らしたアナとジョゼフはオペラへ出掛けようとした別れ際に少年が倒れたのを目撃したアナ

 

 

その姿を夫に重ねてしまったアナの心は揺れ動き、オペラの声も届かなかった

 

 

少年が夫の生まれかわりかもしれないという思いは、少しずつアナの中で確信へと変わっていくが…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

生まれかわりを扱った作品ですが、ある意味残酷でした、亡くなった夫から立ち直るのですが、夫を名乗る少年の出現で夫との愛を再び呼び覚まされるアナ

 

 

ダニー・ヒューストン演じるジョゼフなのですが、3年間口説いていたのですが意味不明な少年の登場でアナの心変わりはかなりのショックでしょうね、やっと手に入れたのに

 

ジョセフは子供相手に手をあげて本気で怒るのも分かりますよ、子供は自分が殴られるわけがないと思ってますからね、そこまで怒るのも大人げないかも

 

 

ほんとにみんなが傷つく作品で、痛かった、特にラスト間近のアナとジョゼフ、あのアナの辛い心境は心が痛い、あまり多くは言えませんが、罪深いです

 

 

監督はヴィジュアリストと言われるジョナサン・グレイザーで特徴的なのは長回し、オープニングの夫ショーンのセントラルパークでのジョギングのシーンなんかは、何かが起こりそうな雰囲気を出してましたね

 

 

アナのオペラ鑑賞シーンでも表情を長く回してました、ここでのニコールの表情は素晴らしかった、本当にいろんな葛藤を表情で表してくれています

 

少年にショーンを重ねていてもたってもいられない、だけどジョゼフの手前、動くわけにはいかない、その絶妙な心理がよく出ていて胸が痛くなります

 

「誘う女」のこのニコールが綺麗なうなじを見せた大胆なショートヘアで魅力全開です、何だか弱々しく見えて、切ない心情を繊細に演じています、胸が張り裂けそうです

 

 

それに脱ぐ必要はないのに少し脱いでます、それもジョゼフとのセックスシーンです、予想してなかったのでビックリでしたよ、夫のショーンが死んで10年間も貞操を守っていたのですからその悦びはひとしおでしょうね

 

 

年頃の女性が貞操を守るのは大変だったでしょうね、男に抱かれる事で幸せな気持ちになったり安心できたりと快楽以外の感情もありますからね

 

ショーンを演じるのは「バタフライ・エフェクト」のキャメロン・ブライトで、子供ながらに抑えた演技は素晴らしかったと思います、大人を怒らせるのもね

 

少年と一緒にお風呂に入るシーンも意味深でした、相手は子供なのに夫の生まれ変わりだったらと思うと色んな意味で複雑ではないでしょうか?

 

 

この作品の核は、全てをひっくり返された感じでしたよ、まさかそんな展開でそんな事があったのって感じでした

 

 

 

 

 

いまだかつてないほどの美しさと切なさで見せるニコール・キッドマンの新たな魅力 それが『記憶の棘』です。

 

 

 

 

 

一番かわいそうなのはアナ、一番悪いのはショーン これ以上は言えません。