『知りすぎた少女』
1963年 イタリア
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本・撮影 マリオ・バーヴァ
脚本 エンツォ・コルブッチ/エンニオ・デ・コンチーニエリアーナ・デ・サバタ/ミーノ・グェルリーニ/フランコ・プロスペリ
音楽 ロベルト・ニコロッシ
出演 レティシア・ロマン/ジョン・サクソン/ヴァレンティナ・コルテーゼ/ダンテ・ディ・パオロ/ルイス・ボノス
《解説》
殺人事件を目撃した女性が事件に巻き込まれる
イタリアンホラーを確立した巨匠マリオ・バーヴァの監督作品、イタリア国内ではベスト・オブ・マリオ・バーヴァと高い評価をされている
ダリオ・アルジェント監督「サスペリアPart2」に代表されるイタリアのスリラー映画のジャンルであるジャッロ映画の原点と言われるミステリー映画
《物語》
20歳のアメリカ娘のノーラはローマに住む叔母に会いに行くためにローマ行きの飛行機に乗っていた、その機内で隣に座る男からタバコを一箱もらい吸った、実はそれはマリファナで密輸人の男は空港内で逮捕された
難を逃れたノーラは叔母エテルと対面するが体調が悪く主治医のマルチェロ医師に何かあったら連絡するようにと電話番号と病院の場所を教えてもらう
その夜、元気そうであったエテルだったが急死してしまう、パニックになったノーラは家を出てスペイン広場の階段の向こうの病院に急ぐが、そこで引ったくりに遭ってしまい頭を打って気を失ってしまう
気が付いたノーラは目の前で女性が背中を刺されて殺される現場を目撃してしまう、再び気を失ってしまったノーラだったが巡回中の警官に発見されて保護される
しかし彼女以外に目撃者もおらず証拠も残っていないために、幻覚だと言われて取り合ってもらえない、ノーラも飛行機内でマリファナを吸っているのでその影響かと思った
エテルの葬儀でエテルの友人だというラウラが話し掛けてラウラの家へ、そこでラウラは夫も留守が多いので自分がしばらく家を空けるのでここに住めばいいと勧めてくれた
ノーラはマルチェロとレストランで食事をし、そこでノーラを診察してくれた医師との会話で医師は10年前に起こったアルファベット連続殺人に似ていて、ノーラはそれを目撃したと仮説を立てる
ノーラを送ったマルチェロはタバコに火を点けるとノーラが家を出て駆け抜けて行く、タクシーに乗り噴水のある広場で止まり、その向かいにあるアパートに入って行った
エレベーターで上がりある階で下り、そこから螺旋階段を上ってある部屋へ、白い壁の奥に進むノーラ、声が聞こえる方へと進むとテープレコーダーがあるだけでそこにマルチェロが現れ、心配で後を付けていた
ノーラはランディーニという男に事件の真相を教えると言われてこの部屋に来たのだ、マルチェロとランディーニを探すが見付けられず家に戻るとそこにランディーニが待っていた
《感想》
これがイタリアのジャッロ映画の原点と聞いては観ないわけにはいきません、「血まみれの墓標」のマリオ・バーヴァ作品も以前はビデオやDVDが廃盤になって観ることが叶わなかったんです
でも最近は配信でかなり古いマニアックな作品でも観れるようになって嬉しい限りです、ダリオ・アルジェントやルチオ・フルチの作品はまだ観れてましたがマリオ・バーヴァは難しかった
ジャッロとは推理小説のカバーが黄色(ジャッロ)だったことに由来しています、まあ日本でもピンクと言ったらちょっとエロい印象があるのはピンク映画のイメージかも
本作は20歳の女性ノーラが事件に巻き込まれて真実に近付いていく物語です、さすがに当時の展開では無理があると思うところもありますがモノクロの雰囲気もあって見応えありましたね
ノーラを演じるのはレティシア・ロマンで、これがめちゃめちゃ美人です、思わず見とれてしまうほどの美貌です、ノーラがアメリカからイタリアにやって来るところから始まります
飛行機の中で隣に座った男からタバコを一箱もらうんです、しかしそれはマリファナで男は運び屋、空港で逮捕されるのですが、ノーラはこそっとタバコを捨てると警官が落ちましたよと返してくれるんです
イタリアの叔母が急死して病院に医師を呼びに行こうとしたら引ったくりにあって、しかも突き飛ばされて失神してしまいます、このときにスカートが捲れて脚が見えるのは監督のサービスだそうです
マルチェロ医師を演じるのはジョン・サクソンで、この作品に出演したことがきっかけかもしれませんが、その後にイタリアのホラー映画数本に出演していますね
引ったくりに遭った場所は「ローマの休日」で有名なスペイン広場の階段で、そこをマルチェロと歩くのですが昼間は賑やかですが夜は人がほとんどいないんです
ノーラはマルチェロに協力してもらいながら事件の真相を追うのですが、なんと途中で海岸で日光浴をするんです、レティシア・ロマンの水着姿が見れるのでこれもサービスカットかな
手掛かりを知る人物に会うのですが、その男は10年前の事件で怪しいと思った男を追求して遂には逮捕となり有罪となったのですが、そこで実は真犯人がいたのではと疑問を感じてしまうんです
罪の意識もあってその男の無罪を証明しようとする傍ら、真犯人の調査もするんです、その真相に近付いたときにノーラと出会うのですが殺されてしまいます
真犯人が登場してこれまでの真相をペラペラと話し始めます、このパターンの原点なのかと感嘆しましたよ、犯人は意外と近くにいるところもね
この悪夢は現実⁉それとも幻覚⁉ それが『知りすぎた少女』です。
ジョン・サクソンがおいらの知るジョン・サクソンとはちょっと違っていてそれもまた面白かったです。













