『わたしに会うまでの1600キロ』
2014年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジャン・マルク・ヴァレ
原作 シェリル・ストレイド
脚本 ニック・ホーンビィ
撮影 ワイヴス・ベランガー
出演 リース・ウィザースプーン/ローラ・ダーン/ギャビー・ホフマン/ボビー・リンドストローム/トーマス・サドスキー/キーン・マクレー/マイケル・ユイスマン/W・アール・ブラウン/ケヴィン・ランキン
《解説》
たったひとりで3ヶ月間、砂漠と山道を踏破した女性の感動の実話
リース・ウィザースプーンが、1600キロの距離を3か月かけて1人で歩き通した女性を演じたヒューマンドラマ、美しく壮大な情景、過酷な旅と共につづられるヒロインの人生を体現したリース・ウィザースプーンの演技に圧倒される
第二の人生を歩むために、自然歩道のパシフィック・クレイスト・トレイルに挑んだ実在の女性、シェリル・ストレイドのベストセラーを映画化
《物語》
山道を歩き、断崖絶壁で足の親指の爪が剥がれてしまった激痛でバックパックを倒してしまい、その反動で靴が転げ落ちてしまった
シェリルは1人で山道を歩くことを決めたのだが、バックパックに詰め込み過ぎた荷物が重すぎて背負って立つのがやっとでふらついてしまう
まずは町からヒッチハイクでパシフィック・クレイスト・トレイルまで向かいメキシコからカナダまでの道を3か月間かけて歩くのだ
シェリルは初日からバカなことをしたと後悔する事に、灼熱の太陽が容赦なく照りつける、8キロ歩いてテントを張ろうとするが悪戦苦闘
コンロの燃料を間違い冷たい粥しか食べれない、シェリルは母リーフの言葉を思い出して力をもらった 母は行動力のある人でシェリルの通う大学にその年で通い出した、5日目には50キロ歩いたが8日目には食料が底をついた
空腹で歩いていると農業をする男フランクに会い食事のできる店まで乗せてほしいとお願いするとフランクは自分の家で食えとギラギラした目でシェリルを見て酒を勧めたがシェリルは咄嗟に夫ポールと一緒だと嘘をついた
フランクは妻の待つ家に連れて行ってくれ、温かい料理とシャワーを使わせてくれた、鏡に映った自分の体はバックパックで擦れ傷だらけ
翌朝、燃料を買いフランクに送ってもらい旅を再開した、10日目になると1日10キロペースで順調だ、12日目130キロ地点でグレッグという男に出会った
シェリルはいつの間にこんなダメな女になったのか?、昔のシェリルは強くて責任感があって夢もあった、それなのに結婚生活をぶち壊して残りの人生も台無し
シェリルは母の思ってた自分に戻るまで歩くことを決めた、自然の美しさの中に身を置くシェリル、果たして彼女が1600キロの道のりで見付けたものとは
《感想》
とても人生は何であるかを問う作品だと感じました、歩いたから何?と言われればそれまでですが、それをやり通した人にこそ見える物があったりするんでしょうね
レビューする前にメキシコからカナダまで歩く作品をどうやってレビューしようかと思ってましたが観てみるとすごくヒューマンドラマでした
シェリルの一人旅の時系列を追って再現しつつ、回想シーンが入る展開で進んでいきます、主演の「アメリカン・サイコ」のリース・ウィザースプーンが新しく立ち上げた映画製作会社で製作
リース・ウィザースプーンは今まで製作に携わった作品の中でも最も過酷な撮影だったそうです、バックパックを背負って駆け上がるシーンではバックパックが軽そうに見えるとクルーに言われ重いバックパックを背負わされて撮影したとか
シェリルが1600キロを歩くことになった理由は最愛の母の死が原因で生活が乱れ、幸せな結婚生活だったのに他の男と薬物に溺れてしまったことです、誰とでも寝る女となってしまったんです
リース・ウィザースプーンが薬物に溺れてセックスに耽る人妻をR15のレイティングで激しく演じています、母親の死を薬物とセックスで補うのか、それともただ快楽に逃げたのか
この手の作品でセックスシーンやヌードシーンなんかはなくてもいいと思うのですが彼女は10年以上ぶりにヌードを披露しています
製作も兼ねているので気合い入ってたのでしょうね、それに山道で怪我した足の爪を取るシーンは痛々しいです、アメリカの長距離自然歩道パシフィック・クレスト・トレイルは4260キロメートルです
アメリカとメキシコ国境からカナダ国境までアメリカ西海岸を南北に縦走します、ちなみにアメリカ最長はコンチネンタル・ディバイド・トレイルで全長は4989キロメートルです、これを歩くなんてね
シェリルの母親を演じるのは「夫以外の選択肢」のローラ・ダーンで母と娘の絆と言うか仲の良さを見せてくれてその後のシェリルの崩壊がなんとなくわかるような気がしました、ただ旦那さんは辛いですけどね
何度もやめようと思った、でも歩き続けた、人生とおんなじだ それが『わたしに会うまでの1600キロ』です。
こんな作品でCGを使われたら興醒めしてしまいますよね、やっぱロケじゃないとね。
更に過激な続・裏237号室の『わたしに会うまでの1600キロ』のレビューはこちらです。