クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』

 

 

 

 

 

2004年 フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 オリビエ・ダアン

 

脚本 リュック・ベッソン

 

撮影 アレックス・ラマルク

 

音楽 コリン・タウンズ

 

 

 

出演 ジャン・レノ/ブノワ・マジメル/クリストファー・リー/カミーユ・ナッタ/ジョニー・アリディ/ガブリエル・ラズール/セルジュ・リアブキン/アンドレ・ペンブルン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

ジャン・レノ×リュック・ベッソンが挑む最大の謎

 

フランスでベストセラーのミステリー小説を映画化した「クリムゾン・リバー」の続編、ジャン・レノが頭脳明晰な警視ニーマンスを続投する

 

前作のヴァンサン・カッセルに代わり、新たな相棒役に「ピアニスト」のブノワ・マジメルが登場、キリストと十二使徒をモチーフにしたストーリーで前作以上にミステリーもアクション要素も増量

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

新しくやって来た修道士が禁じられた13号室に入った、迷信を信じない修道士のその行為は修道長のヴァンサン神父へと報告され、駆け付けた時には壁にロザリオを打ち込み、その壁から血が流れ始めた

 

その修道院にニーマンス警視が現れた、調べた結果、壁には死体がキリストの磔のような形に埋め込まれていて、血液採取を指示をした

 

 

DNA検査から壁の中の死体の身元は行方不明者のフィリップ・エザキダールだと判明した、その頃、空港では関税係員が壁に磔にされて殺された

 

刑事レダは同僚たちと19時間張り込んだ後に捜査対象の女がいる部屋へと向かい、麻薬取引を装って中に入った、そこで世間話や取引の話しをしているとノックがされた

 

女の恋人であるエミリオが戻って来たのだ、レダの狙いはこのエミリオなのだ、エミリオはレダを殴り倒し、知らない男を部屋に入れた女も殴り、レダは反撃して格闘の末にエミリオを取り押さえた

 

 

ニーマンスはフィリップの弟を訪ね、彼の話しではかつては神童と呼ばれ、信仰に傾倒していてキリストの苦しみを追い求め、磔も自ら望んだのではと、それに最後の審判の日は近いとも言っていたと

 

 

仕事を終えてレダと同僚は帰る途中で男を車で撥ねてしまう、その男はキリストの格好をしていて怯えながら目の前に教会に助けを求めて気絶、男には銃創があるだけで身元がわからない

 

レダが病院に行くと受付の女性がキリストに神父が見舞いに来たと、レダが向かうとローブ姿の神父と入れ違い、病室ではキリストが心肺停止状態、レダは神父を追うが超人的な身体能力で逃げてしまう

 

 

ニーマンスはフィリップと病院に搬入されたキリストは仲間と知り、やがて事件の背後には黙示録の天使たちを名乗る組織がある事が明らかになる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

ジャン・レノとヴァンサン・カッセルがバディを組んだ前作の「クリムゾン・リバー」の続編で今作はブノワ・マジメルがバディを組みます

 

前作と同じく最初は全然違う事件を追っているのですが、途中で2つの事件が交錯していくんです、それによって別々の事件を追っていた刑事たちが顔を合わせるわけです

 

 

古い修道院の禁じられた部屋で壁からキリストの磔のような死体が発見されます、迷信を信じない修道士がロザリオを打ち付けたところ壁から血が流れだすんです、迷信を信じないのに大絶叫します(笑)

 

ジャン・レノ演じるニーマンス警視が現れて捜査を開始、手に血が付いた事で修道士に声を掛けるが誰も聞いてはくれません、それは修行の一環で沈黙の誓いを立てているんです

 

 

修道長がここはモンタノス派の修道院で、2世紀にキリスト後の預言者で宗派は絶えたかと思われていたが、9世紀までロンバルディア地方で生き延び、カール大帝の孫がこの修道院を建てたと説明

 

ちなみにモンタノス派はアナトリア半島で現れ、主流派からは異端とみなされたキリスト教の一派です、カール大帝はドイツ及びフランスの始祖的英雄で、ローマ帝国としてのカール一世、フランス王国としてのシャルル一世と称されます

 

ニーマンスはフィリップの友人ジェズの家を訪ねます、ジェズはおらず妻は夫はフィリップと共に古い修道院を買い取ったが、それを地主が買い戻すという話もあると、フィリップとジェズの写真を見せてもらうとそれは最後の晩餐を模したもの

 

ブノワ・マジメル演じるレダ刑事は同僚の運転する車がキリストの格好をした男を撥ねてしまって病院へと運び込むんです、そこに神父が現れてキリストを殺そうとするんです

 

 

逃げる神父はまるでパルクールでもしてるのではと思わせるくらい身軽で身体能力が高くて必死で追い掛けるレダから逃げ切ってしまいます

 

ニーマンスは大戦時に使用された防衛施設マジノ線に入ります、ここでフィリップの友人のトマが働いているのですが数日見ていないと言われ、既に廃坑の中で死体となって磔のような格好で隠されていたんです

 

そこでキリストが発見されたと聞いたニーマンスは病院へ、そこでかつての教え子のレダと再会、そして宗教に強い刑事のマリーが呼ばれます、演じるのはカミーユ・ナッタ

 

 

そして修道院にヘメリッヒがやってきます、彼はドイツの大臣で拘束は出来ません、ニーマンスら3人は修道院を家宅捜索するが空振り、ヘメリッヒを演じるのは「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」のクリストファー・リー

 

 

実は修道院とマジノ線は地下で繋がっており、ヘメリッヒは大戦中に発見し、戦後に必死に調べてロタールの墓で、それをキリストたち十二使徒も見付けてヘメリッヒは地主に買い戻させていたんです

 

 

ちなみにロタールはカール大帝の息子ルートヴィヒの最初の妻との間の長男で、フランク王国3代皇帝ですが結果的にフランク王国を三分割してしまいます、それがドイツ、イタリア、フランスなのだそうです

 

前作と違って派手な銃撃戦やトラップ、それに超人的な神父などエンタメ感抜群な展開です、それでいて日本人にはあまり馴染みのない宗教的な事なんかが散りばめられていて難しくなる事もありましたが楽しめましたよ

 

 

 

 

 

 

犠牲者が十字架のキリストと同じ体勢を取らされる猟奇殺人事件の真相は? それが『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』です。

 

 

 

 

 

ジャン・レノとブノワ・マジメルがなかなか顔を合わせないのでヤキモキしましたよ(笑)。