『勝手にふるえてろ』
2017年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 大九明子
原作 綿矢りさ
撮影 中村夏葉
音楽 高野正樹
出演 松岡茉優/渡辺大知/石橋杏奈/北村匠海/趣里/前野朋哉/池田鉄洋/稲川実代子/柳俊太郎/梶原ひかり/金井美樹/小林龍二/増田朋弥/後藤ユウミ/原芙貴子/仲田育史/松島庄汰/古館寛治/片桐はいり
《解説》
この恋、絶滅すべきでしょうか?
芥川賞作家・綿矢りさによる同名小説の映画化で、恋愛経験のない主人公のOLが2つの恋に悩み暴走する様を、松岡茉優の映画初主演で描くコメディ
突然告白してきた職場の同期と、中学時代から片思いしていた同級生との間で揺れ動く女性の恋の行く末を描く、監督は「でーれーガールズ」の大九明子
《物語》
経理のOLとして働く江頭良香は中学生の頃から一途に片思いをしているイチこと一宮の事が忘れられない、同僚の友人の月島来留美が社内恋愛の話しを聞かされても、仕事と恋愛を分ける良香には信じられない話し
当時クラスの人気者だった存在のイチを王子としてあえて距離を置いていた、私だけが彼の特別な理解者だと考え、一周回ってここまで考えている自分に酔える
キャーキャーとイチに群がる輩とは別格というプライド、辟易しているイチを私だけが解放してあげる、こういう個人的な話は普通はSNSでするもの
だが世の中の役に立たない私事を世間に発表する勇気なんてない、むしろ恥くらいに思っている、良香は毎日、脳内で恋愛を楽しみ、それ以外はネットで絶滅動物を検索したりアンモナイトを愛撫したり
そんなある日、来留美から同期の営業との飲み会に誘われた良香はそこで霧島に強引にLINEの交換をさせられて、通称“二”と呼んだ
後日、二に誘われてクラブに飲みに出かけると悪酔いした彼に以前から良香の事が気になっていたと告白されて、良香はカオスに陥ってしまう
人生初の告白された事に舞い上がる良香だったがイチへの想いもあり返事はしていなかった、過去のイチの妄想ばかりでなく、今のイチを見たいと思った
そこで良香は海外に引っ越した同級生に成りすましてSNSでアカウントを作り、同窓会を計画をするが、二からもデートに誘われる、そして同窓会当日、良香はイチと再会する
《感想》
松岡茉優結婚記念レビューです、彼女は子役からのスタートで芸歴も長いです、おいらが彼女を知ったのはNHKの朝ドラ「あまちゃん」や「桐島、部活やめるってよ」くらいからです
あの時期に若手女優が一気に増えて、能年玲奈、橋本愛、有村架純、高畑充希らがブレイク、共演もあって華やかでしたね、そんな彼女たちも結婚するような年になったんですね
主人公の江頭良香を演じるのが松岡茉優で、最初はラブコメな感じかと思ってましたが、実際は良香がちょっと怖くなるようなヤバい奴
さすがに原作が綿矢りさだなと、女の子の表面だけでなくちょっとダークな裏側まで表現して、女の子って何だか情緒不安定で怖くて訳が分からない事もあるんですね
女の子って脳内妄想恋愛なんてしてるのでしょうか、ずっと片思いであたかも彼氏のような妄想をして満足感が得られているのでしょうか?
経理で働く良香なんですけど、ずっと片思いしているんです、それも中学時代からなので結構な時間ですよ、そこまで一途になれるのはすごいですね
同期の月島来留美にその事を話すと来留美は同期の男の子に告白すると言うのです、来留美を演じるのは石橋杏奈で、良香に告白した“二”と呼ばれる霧島との恋愛を後押しします
二を演じるのは渡辺大知で、良香と同期で営業なんですけど、良香はあまり好意的には思っていないのですが初めての告白でちょっと浮かれてしまったりね
中学時代から10年間思っているイチの事も忘れられませんがリアルに近くにいる二も気になる存在、その悩みを行きつけのカフェの店員に相談したりね、演じるのは趣里
いつも釣りをしているおじさんにも相談したり、最寄りの駅の駅員にも相談したり、バスで編み物をしているお婆さんに相談したり、コンビニ店員に相談したり、でも全部妄想なんです、これは怖い
同級生のアカウントを勝手に作ってSNSで同窓会を開いてイチとの再会を目論む良香、二と天秤に掛けるのですがやっぱり実物のイチを見るとイチ以外にはあり得ません、イチを演じるのは「君の膵臓をたべたい」の北村匠海
でもそれこそイケメンなので他の女もほっときません、何とか繋がりを持とうと上京組としてグループラインを作って東京で再会出来るチャンスを作るんです
そこで絶滅動物なんかやアンモナイトの話しで盛り上がるのですが、そこで良香はショックな出来事が起こってしまいます、これによって壊れかけてしまって、来留美や二を遠ざけて仕事も休暇をとって堕ちていきます
それでもこのまま壊れてしまいそうな良香ですが自ら勇気を振り絞って元の世界に戻してもらう救いのあるラストで良かったですね
脳内片思いの毎日にリアル恋愛が勃発⁉ それが『勝手にふるえてろ』です。
勝手な想像ですが、松岡茉優ってあまり恋愛が想像出来なかったですね、おめでとうございます。