ゼイリブ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ゼイリブ』

 

 

 

 

 

1988年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・音楽 ジョン・カーペンター

 

原作 レイ・ネルソン

 

脚本 フランク・アーミテイジ

 

撮影 ゲイリー・B・キッブ

 

音楽 アラン・ハワース

 

 

 

出演 ロディ・パイパー/キース・デイヴィッド/メグ・フォスター/ジョージ・バック・フラワー/ピーター・ジェイソン/レイモン・サン・ジャック

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

鬼才ジョン・カーペンターが描く社会派SFホラー

 

「ハロウィン」「遊星からの物体X」のジョン・カーペンターが1988年に手掛け、異星人による姿なき侵略を描いてカルト的人気を誇るSFサスペンススリラー

 

サブリミナル効果を用いた異星人の侵略を描いた現代社会を風刺、主演は80年代の全米人気プロレスラーのロディ・パイパー、友人役にキース・デイヴィッド

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ナダはしがない肉体労働者、不景気なデンバーから仕事を求めてやって来たが、貧富の差が激しく失業者があふれ、なかなか仕事にあり付けない

 

 

労働者が解雇されている時に経営者の給料は上昇しているという有様、泊まる場所もないナダは工事現場の仕事で知り合ったフランクに仲間と一緒にキャンプ地に泊めてもらう

 

 

その夜に何気なくテレビを見ていると映像が急に乱れ、海賊放送が始まった、「8か月前にある科学者グループが偶然発見した、発信されている信号を…」

 

 

「貧困な人々が増え、人権も軽視されている、彼らは抑圧的な社会を作り上げている、彼らの目的は人々を欲に目の眩んだ人間にする、彼らは隠れていて自身の姿は現さない」

 

海賊放送は夜だけでなく昼間も流れ、映像が消えるとナダの近くに座っていたギルバートが立ち上がり近くの自由教会に入って行った、気になったナダはこっそりと教会の中に入ると讃美歌が聞こえてきた

 

 

しかしその讃美歌は人の声ではなく録音されたもの、壁には「我らは生き、我らは眠っている」の文字、どうも不思議な教会だ、隣の部屋では人々が何やら議論している

 

そのナダの前に盲目の老人が現れた、ナダはとりあえず教会から退散、教会の事が気になったナダは数日外から観察していると突然武装した警官が現れて教会を取り囲み襲い掛かった、キャンプ地もブルドーザーで壊されてしまった

 

 

翌日にナダが教会に行ってみると人は誰も居なくなっており、金目の物がないかと収納部屋のダンボールの中から大量のサングラスが入っていただけ

 

 

落胆するナダだったがサングラスを掛けて街を歩いていると街の景色がいつもと違って見える、街のあらゆる場所にメッセージが書かれており、人間ではない何者かが街を闊歩していた

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

失業している肉体労働者のナダ、デンバーから流れて来たのですがひょんなことからサングラスを手に入れて街を歩いているといつもと違う光景なのです、ナダを演じるのはプロレスラーのロディ・パイパー

 

 

サングラスなのにモノクロで見えて、街の看板にはメッセージが書かれており、外して見ると普通の看板、雑誌を見てもメッセージがずらりと書かれている

 

 

そこで新聞を買うビジネスマンを見るとその顔は人間ではなくグチャグチャ、まるでピザのような顔なんです、それを見てギョッとしてしまうナダ

 

 

人間の中に人間じゃない生物が交じって生活しているんです、スーパーマーケットでグチャグチャの顔のおばさんに文句を言っていると腕のトランシーバーみたいなもので、気付いた奴がいると連絡しているんです

 

 

スーパーマーケットのいた客の中でグチャグチャの顔の連中が腕のトランシーバーで会話しながら迫ってきます、逃げ出したナダは警察に止められます、その警察もグチャグチャの顔

 

 

でもサングラスを外すと普通の顔なんです、彼らは地球を侵略するエイリアン、ナダは警官2人を倒して銃を奪って銀行へ、そこでエイリアンどもを射殺、もちろん人間は撃ちません

 

 

その後に駐車場で車に乗ろうとしているホリーを人質に彼女の家に行くのですが、油断した隙に窓から突き落とされてしまいます、演じるのはメグ・フォスター

 

 

追われる身となったナダはフランクと会い、サングラスを掛けろと言うのですが、殺人を犯しているナダの言うことは聞きません、サングラスを掛けろ掛けないの押し問答から乱闘へ

 

フランクを演じるのは「遊星からの物体X」「プラトーン」のキース・デイヴィッドで、裏道でナダと6分の及ぶ乱闘をします、普通なら死んでしまいそうな乱闘です

 

 

なんとかフランクをフラフラにしてそこでサングラスを掛けさせてピザみたいな顔のエイリアンと街のメッセージを確認させるんです、そこで2人はサングラスを作った者を探してレジスタンスに参加する事となります

 

 

社会の富裕層や政治家などにエイリアンは潜伏、人間もエイリアンに甘い汁を吸わされて協力する者もいるんです、地球はエイリアンに支配され、遊ばれているんです

 

テレビ局にある巨大なアンテナが擬態信号を出していて人間に化けているんです、それがラストには壊されてピザみたいなエイリアンが丸出しになるんです

 

 

その中でも騎乗位でセックスをしている女性がテレビでエイリアンが出ているのを見て腰を振っているのを止めたら、下の男が「どうしたベイビー」て言う顔がピザみたいなエイリアンなんです(笑)

 

 

 

 

 

 

異星人の侵略はひそかに進んでいた それが『ゼイリブ』です。

 

 

 

 

 

「クリスティーン」のジョン・カーペンターはSFホラーという形の社会風刺作品であるようです。