霊幻道士 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『霊幻道士』

 

 

 

 

 

1985年 香港

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 リッキー・リュウ

 

脚本 シトー・ヒーフォン

 

撮影 ピーター・ンゴー

 

音楽 アンダース・ネルソン/メロディ・バンク

 

 

 

出演 ラム・チェンイン/リッキー・ホイ/チン・シュウホウ/ムーン・リー/ポーリン・ウォン/ビリー・ロウ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

摩訶不思議な恐怖に世界が騒然

 

中国の代表的な妖怪であるキョンシーと妖怪退治のエキスパート霊幻道士の死闘を描くカンフー・ホラー、製作総指揮はサモ・ハン・キンポー

 

死体が蘇って動き出すという、いわば中国版ゾンビ“キョンシー”を題材にしたホラー・コメディの第1弾、キョンシーのユニークな動きと、香港映画らしいコミカルなカンフーが人気を呼び、キョンシー映画ブームの火付け役となった

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

センのいたずらでモンは驚いてしまうが客から預かっていたキョンシー10体が動き出してしまう、慌てて師匠のガウを呼び全てのキョンシーの動きを封じた

 

 

道士ガウは各方面から厚い信頼を得ている優秀な道士、弟子のセンとモンを厳しくしつけている、しかも面倒見が良くてみんなから慕われてる

 

 

ある日、街の富豪のヤンから先代である父親の墓地の改修を依頼されたガウは改修の当日に棺を掘り起こしてみると遺体は没後20年にもかかわらず全く腐敗していない

 

 

父親は生前にこの土地を強引なやり方で風水師から手に入れた為に恨まれ、わざと正しくない埋葬でヤンの父親は成仏出来ずにいたのだ

 

 

ガウは直ちに火葬を勧めるが父親が火を嫌っていたとヤンは断り、仕方なくガウは遺体を預かるが、改めて見ると父親に生気が宿っている

 

ガウは術を使って棺に封印を施した、体に気が残る死体はキョンシーとなる、人間は怒りや恨みを抱いたまま死ぬとそれが体の中に残ってしまう

 

しかしモンとセンのミスによって封印が破られ、キョンシーとなった父親はヤンを襲って殺害して消えてしまった

 

 

翌朝、ヤンの自宅に駆け付けた3人だったがヤンの甥の保安隊長のウェイのメチャクチャな推理でガウは逮捕されてしまい、連行される前にモンとセンにヤンもキョンシーになると説明

 

 

センに今夜、留置場に来るように言い、モンにはヤンの娘のティンを守るように伝えたが、その夜にセンは留置場に来るが安置されていたセンの遺体がキョンシーと化して動き出す

 

 

一方、ヤンの自宅でティンの護衛をしていたモンだがキョンシーが現れてパニックとなってしまう

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

当時の香港映画はカンフーのアクション映画ばかりだったのですが、本作の登場で日本で一大キョンシーブームが到来しました、いろんなキョンシー映画が公開されました

 

 

製作総指揮は「スパルタンX」のサモ・ハン・キンポーで、彼が監督・主演をした1980年の「妖術秘伝・鬼打鬼」を元にして本作が誕生した

 

中国古来の伝承に登場する妖怪キョンシーを主軸にしてホラーとアクションとコメディを織り交ぜて香港映画に新たなジャンルを作り上げました

 

「妖術秘伝・鬼打鬼」は続編が2本あって本作はその流れを汲んでいるようで、ガウ道士の弟弟子の道士が冒頭と終盤に登場するのですが、唐突過ぎて続いているのかしら?

 

 

ちなみに道士とは中国の三大宗教の一つの道教を信奉し、道教の教えに従った活動をする者の事なんです、よく映画で描かれる道士はカンフーの達人で術使いだったりしますけどね

 

ガウ道士を演じるのはラム・チェンインで「ドラゴン危機一発」「ドラゴン怒りの鉄拳」などに出演する古くからの香港映画のアクション俳優です

 

 

信頼の厚い道士で武術と法術に秀でていて、キョンシー相手でも臆することなく取り押さえたり、退治したりで達人なのです、センとモンという弟子を持っています

 

センを演じるのはチン・シュウホウで、実力はあるのですがいたずら好き、娼婦を嫌っているようで当初はティンがそうだと勘違いしてひと悶着あります

 

 

それに20歳の若さで死んだ女性の墓に線香を供えた事でその女性の幽霊に取り付かれて朽ち果てた屋敷でアレコレされてしまいます、それに対して若い美人と一夜を過ごせて良かったなどと言ってガウ道士に怒られてしまう

 

もう一人の弟子のモンを演じるのは「Mr.BOO!ミスター・ブー」のリッキー・ホイで、頼りないのですがティンの護衛をするのですがキョンシーとなってしまいます

 

 

ティンを演じるのはムーン・リーで、ヤンの娘でお金持ちのお嬢さんで西洋文化を嗜んでいる感じです、センには娼婦に間違われ、護衛をするモンは頼りないですが距離が近くなります

 

 

ティンの祖父がキョンシーとなって襲われた父親のヤンもキョンシーとなってティンも襲われるのですが、モンが護衛をして何とか凌ぐのですがガウ道士が登場して危機一髪を乗り越えます

 

 

センに憑りついた女の幽霊を演じるのはポーリン・ウォンで優しいセンを相手に精気を取り込んでいきます、美しい女性なのですが実は顔の半分は崩れているんです、最後は生者と死者の住む世界が違うと諭されます

 

 

あまりキョンシーの事を書けてないですが、おでこに御札を貼られると動きが止まります、でもあのキョンシー軍団は唐突で何で登場したのかいまだに悶々としてますよ

 

 

 

 

 

 

空前絶後のキョンシー・ホラー登場! それが『霊幻道士』です。

 

 

 

 

 

久しぶりに観たら80年代の香港映画はハチャメチャで面白いです。