キャンディ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『キャンディ』

 

 

 

 

 

1969年 イタリア・フランス・アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 クリスチャン・マルカン

 

脚本 テリー・サザーン/メーソン・ホッフェンバーグ

 

撮影 ジュゼッペ・ロトゥンノ

 

音楽 デイブ・グルーシン

 

 

 

出演 エヴァ・オーリン/リチャード・バートン/マーロン・ブランド/リンゴ・スター/ウォルター・マッソー/シャルル・アズナブール/ジェームズ・コバーン/ジョン・ヒューストン/エルザ・マルティネリ/ジョン・アスティン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

キャンディはまるで「エッチの国のアリス」

 

1969年製作の幻のエロティック・コメディ、純粋無垢な女子高生キャンディと、次々と彼女に魅了されていく男たちの、ちょっとエッチで「不思議の国のアリス」を思わせるキュートなファンタジー

 

キャンディを演じた当時18歳のエヴァ・オーリンのボディは勿論のこと、注目すべきはマーロン・ブランドやリチャード・バートンをはじめとする名優たちの滅多に見られないおバカ演技、キャンディのロリータファッションにも要注目

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

父が教鞭を振るうローリング・フィールズセンター高校の人気者キャンディは華麗な講義をする詩人のマクフィスト教授に夢中、講義では失神者も出るほどの人気でキャンディもマクフィストの詩をうっとりと聞いている

 

 

放課後、マクフィストに誘われて彼のベンツに乗った、その誘惑の魔の手に入っていったキャンディ、興奮の面持ちでキャンディを抱きしめるマクフィスト

 

 

しかし酒に酔っていたマクフィストは思いを果たせずに酒まみれ、キャンディの自宅で服を乾かす事にしたマクフィスト、そこに若い庭師のエマニュエルがマクフィストに唆されてキャンディを襲う

 

 

抵抗しながらも受け入れてしまうキャンディ、そこにキャンディの父親が帰宅、スキャンダルを避けてニューヨークへ転校する事になった

 

 

キャンディは家族に付き添われて空港へ、そこへエマニュエルの姉の三姉妹に襲われる、童貞だったエマニュエルは神父になる予定だったが汚されて怒り心頭の三姉妹

 

そこに現れたスマイト准将と彼の部下の軍用機に救われたものの父親は一撃を受けて失神、一目でキャンディの魅力の虜となったスマイトは父親の治療費と引き換えにキャンディに裸になれと

 

 

全裸になったキャンディにスマイトの手が伸びた時、誤ってパラシュート降下スイッチを押してしまい、次々と降下していく部下たち、そしてスマイトも降下してしまい、スマイトの企みは未遂に終わった

 

ニューヨークに着いたキャンディたちは父親の治療をクランカイト医師に委ねた、世界的名医のクランカイトの大胆奇抜な手術はみんなを驚かせた

 

手術後に父親の容態を気遣ったキャンディはクランカイトを捜すうちに病院のパーティに巻き込まれていた、そこには父親が頭にコンセントを付けてベッドで寝ていた

 

 

そこに現れたダンラップ院長はキャンディを淫らだと罵る、堕落行為に猥褻行為、変態的性行為にも精通していると、キャンディは病院を飛び出して街に出た

 

 

紆余曲折あってキャンディは街を彷徨いヨガの修行者グリンドルに出会い、交わりと抱擁の中で無我の境地へ、グリンドルに別れを告げたキャンディは砂漠に身を投じて導かれるまま洞窟へ、緑の草原をどこまでも歩くキャンディ

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

何と言ってもスウェーデン出身のエヴァ・オーリンのロリータ的な魅力が溢れる作品で、内容はあってないようなものなのですがカルト的な人気を得ています

 

 

近年では「女性上位時代」と並ぶオシャレ系エロティック・コメディとして扱われています、摩訶不思議で皮肉たっぷりなナンセンス系コメディです

 

始まりでは青春物なのかと思ったらエヴァ・オーリン演じるキャンディが20世紀最高の詩人の1人と言われるマクフィストに憧れてそれを利用して襲われます、マクフィストを演じるのは「クレオパトラ」のリチャード・バートン

 

 

車の中で襲い掛かるのですがその撮影がアクリルを使って下から撮ってるんです、こんな画期的なアングルはかつてあったでしょうか?もの凄くセクシーです

 

 

酔っぱらったマクフィストはキャンディの家で庭師のエマニュエルを唆してキャンディを襲わせるのですが、キャンディも満更でもない感じなんです、エマニュエルを演じるのは元ビートルズのリンゴ・スター

 

 

しかもエマニュエルの姉3人はキャンディに童貞を奪われて汚されたと因縁を付けるんです、神父になる予定だったとバイクで襲い掛かります、軍用機に助けられるのですが父親はケガをします

 

その軍用機のスマイト准将もキャンディの魅力に負けて全裸を要求してキャンディも素直に全裸になるものの襲い掛かるスマイトに恐怖を感じて降下のスイッチを押してしまい軍隊全員がパラシュート降下してしまいます、演じるのはウォルター・マッソー

 

 

ニューヨークに着いて父親はすぐに手術となるのですがこの手術がグロくてスタイリッシュなんです、頭にコンセントが付けられていて笑います、クランカイト医師を演じるのはジェームズ・コバーン、キャンディを罵るダンラップ院長を演じるのは映画監督のジョン・ヒューストン

 

 

この病院でもキャンディは脱がされそうになったり襲われそうになったり、クランカイトを狙っていると勘違いされて看護師にも襲われたりで病院から逃げ出します

 

 

街を彷徨って入った店ではトイレでびしょ濡れにされたり、濡れた薄い服のまま外を歩いて、背むし男に空き家に入れてもらうが実は悪党でキャンディはピアノの上で襲われます

 

 

警察に逮捕されたキャンディはパトカーの中で身体検査と言われて体を触られるのですが、パトカーはゲイバーに突っ込んでしまいます、警官は女装した男たちに襲われます

 

逃げるキャンディが出会ったのはヨガの修行者のグリンドルで演じるのはマーロン・ブランドで、なんだか胡散臭いんです、と思ったらやはりキャンディの魅力に囚われてしまいます、しかしその後はキャンディの底知れぬ性欲に負けてしまいます

 

 

監督はクリスチャン・マルカンで、脚本は「イージー・ライダー」などを書いたテリー・サザーンによる挑発的でエロティックな風刺小説として名高い原作で奇抜な作品となってます

 

 

 

 

 

 

キャンディは性の妖精、現代若者のファッションからSEXまでを一変させたニューパワー それが『キャンディ』です。

 

 

 

 

 

エヴァ・オーリンの魅力を堪能する作品でもありますが、相手役の豪華俳優陣の配役もユニークです、明るいお色気とくだらないギャグと可愛いエヴァ・オーリン、空港で思いっきりコケるのも可愛いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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