『ベネデッタ』
2021年 フランス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ポール・バーホーベン
脚本 デビッド・バーク
撮影 ジャンヌ・ラポワリー
音楽 アン・ダッドリー
出演 ヴィルジニー・エフェラ/シャーロット・ランプリング/ダフネ・パタキア/ランベール・ウィルソン/オリビア・ラブンダル/ルイーズ・シュビヨット/エルベ・ピエール/クロチルド・クロ
《解説》
わたしは告白する
「氷の微笑」「ロボコップ」の鬼才ポール・バーホーベン監督が、17世紀にレズビアン主義で告発された実在の修道女ベネデッタ・カルリーニの数奇な人生と彼女に翻弄される人々を描いた伝記映画
バーホーベン監督にとっては「ブラックブック」「エル ELLE」に続いて女性が主人公の物語、修道院が舞台ながら大胆なエロティシズム、過激なバイオレンスの描写はバーホーベンらしく80歳を過ぎてもなお健在
《物語》
17世紀イタリア・ペシア、6歳のベネデッタ・カルリーニは両親に連れられてテアティノ修道院に入った、修道院長のフェリシタのもとで粗末な衣服に着替えさせられ、快適なのは体の敵だと言われて修道女としての第一歩を歩み出した
ある夜、ベネデッタはこっそりと廊下のマリア像に祈りを捧げていると、突然マリア像がベネデッタの方に倒れてきたが、潰される直前で止まった
幸い傷ひとつ負わなかった事で駆け付けた修道女たちはケガがないのは奇跡だと騒ぐが、フェリシタはベネデッタを部屋に戻し、奇跡はキノコみたいに簡単には生えない、それに想像以上に厄介なものだと
18年後、美しく成長したベネデッタは修道院での芝居の時に自分が主イエスに呼ばれる幻視を垣間見た、それはキリストの花嫁だと
その時に修道院に若い女性バルトロメアがドアを激しく叩き駆け込んで来た、父親からの性的虐待を受けて助けを求めたのだ、ベネデッタの父親が持参金を払い、バルトロメアは修道女になる事を許された
ベネデッタは指導係を任され、やがて2人はお互いに意識し合い、フェリシタの娘のクリスティナはそんな2人の関係を怪しんでいた
ベネデッタは神からバルトロメアを遣わされ、愛と助言を必要としていると感じた、その頃からベネデッタは頻繁にキリストの幻視を見るようになる
リコルダティ神父に相談すると、神の意志は痛みや苦しみからなるものだと教えられ、痛みは歓迎するもの、ベネデッタは全身に痛みが走るような幻視に苦しめられる
苦しむベネデッタをフェリシタはバルトロメアに世話をするように命じ、これがきっかけで2人の距離は更に縮まっていった
《感想》
ポール・バーホーベン監督が17世紀に実在した修道女の裁判記録と実録小説「ルネサンス修道女物語 聖と性のミクロストリア」を映画化しました
80歳を超えたバーホーベンなのですが、相変わらずのエロティシズムとバイオレンスで期待した通りでした、裸も血もバンバン出てきます
オープニングでは幼いベネデッタが修道院にやって来るのですが、そこで野盗に襲われるのですが、母親のネックレスを取り上げるのですが、ベネデッタはキリストが裁くと言うとその男に鳥が糞をするんです
夜中に廊下にあるマリア像に祈りを捧げているとベネデッタに向かって倒れてくるのですが、ギリギリで止まるんです、もう少しで潰されるところだったのですが奇跡的にケガもないのです
ここまで観て、ベネデッタは神に選ばれし修道女なのかと思ってしまいます、18年後にベネデッタはキリストの妻となるヴィジョンを見る事になるんです
ベネデッタを演じるのはヴィルジニー・エフェラで、大人になったベネデッタは美しく成長するのです、キリストのヴィジョンを見て神父に相談するのですが、神父は痛みや苦しみこそが神の意志だと
それからベネデッタは全身に痛みを覚えて寝たきりなのですがそれを世話をするのがバルトロメアなのです、彼女は父親に虐待されていて逃げて修道院にやって来たんです
演じるのはダフネ・パタキアで奔放な性格で初対面のベネデッタの前で裸で体を洗うのです、それを見たベネデッタはドキドキしてしまいます
そんな2人が意識し合ってるのです、ベネデッタの痛みは治まらず、遂には手足に聖痕が現れるのです、それこそが神の奇蹟だと騒ぎになるのですが、フェリシタは自傷だと言うのです、演じるのはシャーロット・ランプリング
しかしアルフォンソ首席司祭はそれによって巡礼者の増加や寄付の増加、それに自身の地位向上を目論み、懐疑的なベネデッタの聖痕だったがベネデッタを利用、そしてベネデッタを修道院長に任命、その結果、フェリシタは修道女に格下げ
フェリシタの娘のクリスティナはベネデッタの自傷行為だと疑うのですが、黙らされて自らの体を鞭打って悪魔を追い出せと、演じるのはルイーズ・シュビヨット
ペシアの人々はベネデッタを聖女として崇め、ベネデッタはバルトロメアと同性でのセックスで木製のマリア像をディルドにして使用しているんです
本作の醍醐味としてそのセクシャルなシーンでしょうね、バーホーベン監督はそれを抑える事なく生々しく魅せてくれます、まさか木製のマリア像を削ってそれを挿入するなんてね
当時は同性愛は重罪のようでフェリシタはその行為を覗き見してフィレンツェに向かってジリオーリ教皇大使に訴え、ペシアにやって来るのです
同性愛は火刑だと言われ、バルトロメアを拷問してバルトロメアに同性愛とディルドの隠し場所を告白させてバルトロメアは追放され、ベネデッタは裁判で火刑となります
まさに完全な男社会で17世紀のヨーロッパはここまで女性は虐げられていたのかと、それにここまで宗教が力を持っていたのかとね、それにペストが蔓延していて、本当にベネデッタは神の遣いなのかと思わせてしまいます、ペシアはペストから逃れてますからね
狂言か奇蹟か、信仰か権力か それが『ベネデッタ』です。
実在にこんな修道女がいたとはね、ある意味ベネデッタは民衆をマインドコントロールしていたのかも。
更に過激な続・裏237号室の『ベネデッタ』のレビューはこちらです。






















