『ラストタンゴ・イン・パリ』
1972年 イタリア・フランス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ベルナルド・ベルトリッチ
撮影 ビットリオ・ストラーロ
音楽 ガトー・バルビエリ
出演 マーロン・ブランド/マリア・シュナイダー/ジョバンナ・ガレッティ/マリア・ミキ/ジャン・ピエール・レオ/マッシモ・ジロッティ
《解説》
官能の美学か。絶望の愛か
イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトリッチが1972年に手がけ、公開当時、大きなセンセーションを巻き起こした一作、ベルナルド・ベルトリッチの名を世界に広め、同監督のフィルモグラフィーを代表する一作
偶然の出会いから衝撃的に肉体関係を結び、お互いに名前も知らぬまま情欲に溺れていく孤独な中年男と婚約者のいる若い娘の顛末を描いたエロティック・ロマンス
《物語》
パリの高架下の道で大声で叫ぶ男ポール、その横を通り過ぎる若い女ジャンヌ、カフェで公衆電話を使おうと待っていると中で使っていたのはポール
ジャンヌが気に入った貸しアパルトマンの空室で先に入って見ていたのもポール、この偶然の出会いが繰り返され、部屋を借りる借りないと話している
ポールはジャンヌを抱き上げて2人は服を着たままポールはジャンヌのスカートの中に手を入れて下着を脱がし、立ったままセックスをし、その後は何もなかったようにアパルトマンを出て別の道に行った
ジャンヌは駅に向かい、恋人のトムと会うが2人にはカメラとマイクが向けられた、ジャンヌを主人公にした映画の撮影が行われる、しかし彼女には何も話しておらずスタートしていた
ポールはアメリカ人で世界中で様々な経歴を経てフランスでローザと結婚、しかしローザがバスタブで手首を切って自殺したばかり、浴室の血は凄まじく飛び散っていた
ジャンヌは鍵を返す為にあのアパルトマンに引き返した、するとそこには業者が家具を運び入れているところ、あのポールの姿が見えた
ポールはジャンヌに俺も君も名はなしだ、外の世界は忘れてこの部屋で会うんだ、知っている事は全て忘れて知人の事や職業や住んでいる場所も何もかも忘れて会う
ジャンヌはお互いの事は何も知らずただ裸でセックスだけの関係に浸っていく2人だったが心境の変化から2人の関係性に意外な変化が現れていく
《感想》
初めて観た時は衝撃的でしたよ、1970年代にして一般映画として大胆な性描写があります、後ろを使ってのセックスを初めて描いた作品と言われています
そういう話題ばかりが先行して世界中で物議を醸し、興行成績は芳しくなかったようです、でも反対に支持者もいてミッキー・ロークは大ファンで「ナインハーフ」を作るきっかけにもなったそうです
ポールを演じるのは「ゴッドファーザー」のマーロン・ブランドで、後に役者として拷問のような体験だったと語っています、しかし演技は評価されています
ジャンヌを演じるのはマリア・シュナイダーで、その後は波乱万丈な人生となり、人生最大の痛恨と語っています、マリア・シュナイダーの演技も評価されています
劇中でポールがジャンヌをレイプするシーンがあるのですが、撮影はマリア・シュナイダーに教えずに撮影されたそうで、監督とマーロン・ブランドが共謀したそうです
これには反響が大きくベルナルド・ベルトリッチは脚本にもシーンは含まれていてマリア・シュナイダーも知っていたと、しかしバターを使うのは教えてなかったようです
しかしマリア・シュナイダーは撮影を終えて、そのシーンの撮影をめぐって、少しレイプされたような気分だったと発言しています
最初のシーンが貸しアパルトマンなんです、ポールがジャンヌのスカートを捲り上げて立ったままでセックスをして、その後は床に転がってします
その後は何もなかったようにアパルトマンに出て行くんです、別々の方向へと歩いて行くんです、鍵を返しにやって来たジャンヌはそこでポールと再会
ポールは妻に自殺されたばかりで、高架下で大声を出していたのもそれが理由のようです、しかし妻を亡くしたばかりで名も知らない女性をいきなりセックスしてしまうかな
ポールはお互いに名前も知らず何も知らずにただセックスをするだけの関係でここに来いと、その関係を受け入れるジャンヌはセックスに耽るんです、まさに大人の関係です
それにポールはジャンヌのお尻にバターを塗ってお尻でセックスをするんです、初めて観た時はまだ子供だったのでそういう行為は知らなかったので後から知ってビックリでした、そんなシーンいるの?って
このシーンの説明がなかったそうです、マーロン・ブランドは当時48歳でマリア・シュナイダーは当時19歳だったそうです、イタリアでは上映禁止となってます
愛のきびしさ、哀しさを衝撃の表現で貫いた今世紀最高の問題作 それが『ラストタンゴ・イン・パリ』です。
このタイトルはラストにこそ意味があるようです、堕ちて行く物語なのですが、人生1度くらいダンスを踊ってもいいんじゃないかな。
更に過激な続・裏237号室の『ラストタンゴ・イン・パリ』のレビューはこちらです。



















