『八月のクリスマス』
1998年 韓国
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ホ・ジノ
脚本 オ・スンウク/シン・ドンファン
撮影 ユ・ヨンギル
音楽 チョ・ソンウ
出演 ハン・ソッキュ/シム・ウナ/シン・グ/イ・ハンウィ/オ・ジヘ/チョン・ミソン
《解説》
一生に一度だけ、こんな恋に出会えたなら
不治の病に侵された写真館の青年と、駐車違反取締員の女性の切ない恋を綴った韓国製ラブストーリー、ホ・ジノ監督の長編デビュー作で、数々の賞に輝いた
主演は「シュリ」のハン・ソッキュと「サランヘヨ あなたに逢いたくて」のシム・ウナ、2005年には日本で「8月のクリスマス」のタイトルでリメイクされた
《物語》
ジョンウォンは父親の跡を継いでソウルで小さな写真館を経営している、彼は不治の病を患っており、余命が限られているのだが、その事を知っているのは家族だけ、彼はそんな状況でも穏やかに毎日を送っている
ある夏の日に駐車違反取締員のタリムが写真を拡大して欲しいとやって来る、朝から葬儀で忙しく疲れているジョンウォンは素っ気ない態度を取ってしまうが夏の陽射しの中、待っているタリムに謝りアイスを一緒に食べる
その日から2人は町中でも偶然顔を合わせ、タリムも写真館にやってくるようになる
ジョンウォンは町でジウォンに会った、ジョンウォンの昔の恋人で里帰り中、妹の話しだと亭主が博打をして最近は殴るらしい、妹に今でも好きかと聞かれて返事が出来なかった
ある日ジウォンが写真館にやって来た、昔話しをしてジウォンがジョンウォンの体の心配をし、私の写真は捨ててと、ジョンウォンの体は深刻だった
テコンドーを教える友人のチョグルと酒を飲んだ、飲めない酒を飲むジョンウォンにチョグルは何かあったのかと、その日はチョグルと飲み明かした
雨の日にスクーターを修理に出したジョンウォンは帰りにタリムと会い傘に入れてもらう、その夜に食事に行こうと約束をするがタリムは来なかった、次の日タリムは気が進まなかったと、そして仕事に戻って行った
化粧をしたタリムが写真館にやって来た、2人でつまみにビール、そこでタリムが遊園地に誘う、初めてのデートでタリムは腕を組んで2人の距離は縮まった
そのデートを最後にジョンウォンは写真館から姿を消した、写真館は閉められたまま、ジョンウォンの容態が急変したのだ、そうとは知らずタリムは毎日のように写真館を訪れる
ある時に手紙を書いて写真館のドアに挟む、数日後に受け持ち地区の移動を間近に控えたタリム、会えない寂しさから写真館のガラスに石を投げつける
冬の始めに退院したジョンウォンは写真館でタリムの手紙を見付けた、彼女の移動した地区を探してタリムを見掛けたジョンウォンは声は掛けずに遠くから見守るだけ
やがてジョンウォンはタリムへの手紙を投函しないまま帰らぬ人となった、自らの遺影を撮って
雪が降ってクリスマスの装いを見せる町、タリムは久しぶりに訪れた写真館のショーウィンドウに以前にジョンウォンが撮影した自分の写真が飾ってあるのを見て微笑む
《感想》
2000年に「シュリ」が公開されて日本において最初の韓流ブームが起こったと思います、韓国映画で初めて日本で大ヒットした作品です
主演のハン・ソッキュは当時は日本で一番有名な韓国人俳優となりました、しかしその前年に静かに公開されたもう1本のハン・ソッキュ主演作品が本作です
当時の韓国の作品には難病物なんかが流行っていたのか、本作の主人公のハン・ソッキュ演じるジョンウォンは不治の病で余命が決まっているような青年
青年と言ってももう1人の主人公のタリムにはおじさんと呼ばれています、演じるのはシム・ウナでちょっと気が強い若い女の子で年上のジョンウォンにも物怖じしません
ひょんな事から出会った2人なのですがジョンウォンが経営する写真館によく現れるようになるんです、それが暑い夏の8月なので2人でアイスを食べたりね
難病のジョンウォンなのですがそんな兆候は見られるわけではなくてジョンウォンとタリムの友情のような交流が続いていきます、タリムはジョンウォンの体の事は知らないのでね
ジョンウォンは父親よりも先に死ぬ事がわかっているので、ビデオデッキの使い方の分からない父親に一生懸命教えるのですが機械に弱い父親はどうしても覚えられない、なんか母親を思い出しましたよ
それでもジョンウォンとタリムは交流を続けて遊園地でのデートをするまでの仲になります、帰り道ではタリムからジョンウォンの腕に組んだりね
でもジョンウォンの体調が思わしくなくて写真館がずっと休業中なのはタリムも気が気ではありません、何回も写真館に来ては帰る、手紙を入れては帰る
会えない日ばかりでタリムも寂しくて悲しくてやり切れない毎日だったんでしょうね、ついにはガラスに石を投げつけて割ってしまいます、なんだか切ない乙女心なのかも
一応は退院したジョンウォンなのですがタリムに手紙を書いたり、自分自身の遺影を撮影したり、移動になったタリムを捜して見付けても遠くから眺めるだけ、それだけで幸せなんですジョンウォンは
何気ない日常が幸せなんだと気付かせてくれる作品です、派手なシーンやドラマチックなシーンがある訳ではありません、セリフも多くはないです、でも伝わる物はたくさんあります
限りある季節の中で、めぐり逢ったのは初めての恋、そして最後の恋 それが『八月のクリスマス』です。
身内の死を受け止めたばかりですが、亡くなった事を知らされないままが良いのか、それとも。












