『ボヴァリー夫人』
2014年 ドイツ・ベルギー・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ソフィー・バーセス
原作 ギュスターブ・フローベール
脚本 フェリペ・マリーノ/ソフィー・バーセス
撮影 アンドリー・パレーク
音楽 エフゲニー・ガルペリン/サーシャ・ガルペリン
出演 ミア・ワシコウスカ/リス・エバンス/エズラ・ミラー/ローガン・マーシャル・グリーン/ヘンリー・ロイド・ヒューズ/ローラ・カーマイケル/オリビエ・グルメ/ポール・ジアマッティ
《解説》
発表当時〈風紀紊乱〉の罪に問われた文豪・フローベールの代表作にして最大の問題作が今蘇る!
これまで数度にわたって映画化されたギュスターブ・フローベールの古典名作「ボヴァリー夫人」を「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカ主演で再映画化
ボヴァリー夫人の不倫相手レオン役に注目若手俳優エズラ・ミラー、共演に「ノッティングヒルの恋人」のリス・エバンス、「サイドウェイ」のポール・ジアマッティ、本作が2作目となる女性監督ソフィー・バーセスがメガホンをとった
《物語》
19世紀半ばのフランス、修道院で暮らしているエマ、そこは女性の所作を美しく慎ましい生活、そんなエマは医師で年上のチャールズ・ボヴァリーと結婚
早くに妻を亡くしていた父はとても喜んだ、実家を出て馬車に乗って夫の家に到着したエマ、夫の手を借りてドレスを脱ぎ、初夜を迎えた
翌日の朝早くにチャールズは患者の元へと向かった、エマは荷物を整理したり屋敷の中を見て回った、夫の為に半日掛けて夕食を作るがチャールズは時間の無駄だと
この家では家事は全て使用人のアンリエットにやらせるのが習わしだ、エマは不満だったがチャールズの仕事の話しに話題を変えた
ある日に商人のルウルーが訪ねて来た、彼女はその商品を見せてもらい、どれも煌びやかで美しくて気に入ったが夫に相談してからと返事
チャールズの案内で村を散歩、夜はチャールズの友人たちと食事、薬剤師のオメーや法律事務所書記官のレオン、彼はフランスで1番のロマンチストと呼ばれている
農機具発明の話しで畑に向かったチャールズと共にやってきたエマはレオンと会話、エマは結婚に憧れを抱いていたが実際はそうでもない
家の中でエマは毎日退屈な時間を持て余し、時計の音が気になって止めたり、庭をいじったりピアノを弾いて時間をやり過ごしていた
エマがピアノを弾いていると自宅にレオンがやって来た、夫が不在だったがレオンはエマを散歩に誘う、レオンはプレゼントだとパリ市街の地図をくれた
エマは子供の頃に地図を見て妄想していたと思い出を話し、手を取り合って散歩をし、それ以降もレオンはエマを訪ねて夜中までチャールズを含めて3人でカードを楽しみ、チャールズが休むとエマを庭に連れ出してレオンは愛を告白してキス
そのキスを受け入れたエマだったが人妻である事を理由に拒むもレオンに惹かれていくエマだったがレオンはパリへと戻る事になった
再び孤独になったエマは資産家のマルキと出会い、エマを気に入ったマルキは甘い言葉で彼女を口説き、エマの道徳観を超える振る舞いに戸惑うがマルキに体を許してしまう
夫以外の男に抱かれてその背徳感と快楽に溺れて悦びを感じるエマだったが、それはやがて訪れる悲劇の始まりだった
《感想》
不倫文学の金字塔とも言える古典名作であり最大の問題作です、まあ不倫文学って言葉があるのかどうなのか知りませんけど、昔から文学として不倫は認められているようです
この主人公のボヴァリー夫人を演じるのがミア・ワシコウスカでヌードと大胆なセックスシーンを披露しています
憧れの結婚をしたものの料理を作ったら、それは使用人がするので無駄だと言われ、一日特に何をするわけでもなく暇を持て余してるんです
19世紀なんてそんなに時間を潰せるものは少ないと思います、夜になると真っ暗だしね、朝は夫にゆっくり寝ていていいと言われて優しいのですが物足りない
そんな退屈な毎日の中でエマが出会ってしまう男が3人いるんです、書記官のレオンと資産家の伯爵マルキ、そして商人のルウルーです
若いイケメンのレオンにはキスをされるのですが人妻であることを理由に拒否するとレオンは引っ越しをしてエマの前から消えてしまうんです
その次に出会ったのがマルキで火遊びが好きなマルキは人妻であろうと関係なく口説いてくるのですけどエマは誘いには乗らないのです
でも覚悟を決めてマルキの屋敷へと向かってそこでセックスをして不倫関係となるんです、それからマルキとの不倫にのめり込んでエマは活発になるんです
そのエマに触発されてか夫のチャールズはオメーの足の悪い使用人の難しい手術に挑むんです、それをエマも焚きつけるように応援するのですが、当時は麻酔のない時代でブランデーで紛らわせるのですが激痛が伴います
手術は成功したかに思えたが診断を間違っていて違う腱を切ってしまっていて結果その使用人は足を切断となります、それによってエマはチャールズに幻滅してしまって冷たくなります
その頃にはマルキに飽きられて捨てられてしまいます、それでエマは倒れてしまうんです、不倫によって悦びを感じていたエマなのですが、気力がなくなってしまいます
その後にレオンと再会してレオンとセックスをすることでエマは満たされていくんです、しかしレオンの職場にまで押し掛けるエマにレオンは愛想を尽かしてしまうんです
ショックですがその頃にはルウルーから購入していたドレスや宝飾品をツケで購入していた支払額は1万フランを超えてチャールズの家は差し押さえされてしまい、ルウルーに色仕掛けで誘惑しようとするも拒否される屈辱
そしてエマは1人で森に向かうんです、まあラストは想像通りの展開なのですが、このラストはこの古典から始まったのでしょうね、不倫なんかしても結局はなにも良い事はないと言うことです
どこまでも満たされない、心と身体 それが『ボヴァリー夫人』です。
まあ夫の目を盗んでイケナイ事をしているという背徳感が快楽を与えるのでしょうね。
更に過激な続・裏237号室の『ボヴァリー夫人』のレビューはこちらです。