『マスク』
1994年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 チャック・ラッセル
脚本 マイク・ワーブ
撮影 ジョン・R・レオネッティ
音楽 ランディ・エデルマン
出演 ジム・キャリー/キャメロン・ディアス/ピーター・リーガート/ピーター・グリーン/エイミー・ヤスベック/リチャード・ジェニ/オレステス・マタセーナ/ティム・バグレー/ナンシー・フィッシュ
《解説》
「T2」「ジュラシック・パーク」のILMが総力を結集!驚異のSFXムービー!
人間の潜在的欲望を引き出す古代の仮面をつけた青年が、謎の怪人マスクとなって大活躍する姿を描いた、ファンタスティックなアクション・コメディ
ダークホース・コミック社のマイケル・ファーロンとマーク・ヴァーヘイデンによる同名カルトコミックを「ブロブ 宇宙からの不明物体」のチャック・ラッセルが監督、ジム・キャリーとキャメロン・ディアスがスターダムに
《物語》
エッジシティのとある海の底で怪しげな鉄の箱を見付けたダイバー、箱に巻き付けられた鎖を切断している最中に配管工事のパイプがダイバーに落下し、その拍子に箱が開き、封印されていた木製の仮面が解放される
冴えない銀行員スタンリー・イプキスは業務中の口座を作りに訪れたティナ・カーライルという美女と出会い一目惚れ、同僚のチャーリーに誘われて話題のクラブ・ココ・ボンゴに行くがスタンリーは店を追い出されてしまう
そこで偶然ティナと再会、彼女はクラブ・ココ・ボンゴのクラブ歌手だったがスタンリーはティナの前で醜態を晒してしまい落ち込んで帰宅
帰り道で代車が故障し、自暴自棄になり橋の上を歩いていると海で人が溺れていると思い込み海に飛び込むがそれはゴミの塊、その時に木製の仮面を見付けてアパートに帰宅
なんとなく仮面を被りスタンリーは緑の怪人マスクに変身し、超人的なパワーを得て街で大暴れ、次の日の朝に目を覚ますと夢だと思っていたが全て現実だった
スタンリーはこの仮面を捨てようとするがティナに会いたいが為に再びマスクとなり、マフィアのドリアンたちが強盗をしようと銀行に行くがマスクが現金を横取り
大金を持ってリムジンでクラブ・ココ・ボンゴに行き、妖艶に歌うティナを見て改めて彼女の美しさに魅了される、飛び入りで参加し彼女と情熱的なダンスを踊り、ティナの心を奪い熱いキスを交わす
そこに現金を横取りされたドリアン一味がクラブ・ココ・ボンゴになだれ込み銃を乱射するがマスクはスルリとかわして逃げてしまう
そこに警官隊が現れてドリアンらは逮捕されるが現場に残された趣味の悪いパジャマの切れ端からスタンリーは容疑者としてマークされる
マスクに会いたいとスタンリーを訪ねたティナにマスクに会わせると約束し、夜の公園で会うが警察に囲まれてしまうが陽気なダンスで警察をかわすが新聞記者のペギーに騙されてドリアンに仮面を奪われて逮捕されてしまう
誘拐されたティナの命が危険と知ったスタンリーは愛犬マイロと協力してドリアンから仮面を奪ってマスクとなってティナを救出
《感想》
「ターミネーター2」や「ジュラシック・パーク」で築いたCGの可能性と素晴らしさをこんなくだらないコメディに注ぎ込むなんてさすがです、めっちゃ笑いましたよ
これまで日本では無名だった「ダーティーハリー5」のジム・キャリーの顔芸にも助けられましたがCGの出始めでここまで面白いものを見せてくれるとは驚きでした
それまでは液体金属だったり恐竜だったりがCGで描かれましたが本作では人間の奇妙な動きだったり、面白い顔だったりがCGで描かれてチャック・ラッセル監督のセンスが光ります
目が飛び出たりマンガのような表現が再現された映像が素晴らしかった、小心者のスタンリーが仮面を着けて人間の潜在的欲望を引き出すマスクとなります
原作のコミックはダークで暴力的で警官や一般人が殺される描写もありました、製作会社は「エルム街の悪夢」のような作品を目指すも監督はユーモアとホラーの融合を目指すも上手くいかずユーモアに重点を置いたそうです
監督はジム・キャリーを主役に推薦して個性を生かすべくアドリブを多用、決め台詞なんかはアドリブで、公園でマスクとティナの密会シーンでハートの煙に煙の矢を射抜く案もアドリブで後でCGが付け加えられました
ティナを演じるのはキャメロン・ディアスで初映画出演の大抜擢で、演技経験のないモデルをヒロインには反対も多かったようですが監督やジム・キャリーが推してキャメロン・ディアスも転機となりました
とにかくキャメロン・ディアスはメチャメチャ綺麗でセクシーでしたよ、今となっては彼女以外では考えられないくらいハマってました
それに何と言っても愛犬マイロの演技でしょう、変身以外ではCGを使っていません、原作にはマイロは登場しないようですがスタンリーには犬が必要となったようです
仮面をマイロが着けるシーンが着けた状態から外して逆再生で表現しようとしたのですがマイロは自ら仮面に顔を近付ける天才っぷりを見せ付けたそうです
カットされたシーンでエイミー・ヤスベック演じる新聞記者のペギーがドリアンに新聞の印刷機に放り込まれてペギーの死亡記事が見出しの新聞が印刷されるシーンがあったのですが暴力が過ぎるとカット
このブームはもう誰にも止められない! それが『マスク』です。
マスクは北欧神話の災いの夜の神・ロキと関連させています、その辺も撮影予定だったのですが予算の都合でカットとなりました。