幸福の黄色いハンカチ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『幸福の黄色いハンカチ』

 

 

 

 

 

1977年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 山田洋次

 

原作 ピート・ハミル

 

脚本 朝間義隆

 

撮影 高羽哲夫

 

音楽 佐藤勝

 

 

 

出演 高倉健/倍賞千恵子/桃井かおり/武田鉄矢/太宰久雄/赤塚真人/岡本茉利/梅津栄/たこ八郎/谷よしの/渥美清

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

永遠の愛を若者は見た、その優しさ、美しさ

 

刑務所帰りの中年男が、偶然出会った若い男女とともに妻の元へ向かうまでを描いた山田洋次監督によるロードムービー、主演は名優・高倉健、その妻役に倍賞千恵子、映画初出演の武田鉄矢、桃井かおりらが共演

 

過去を持つ主人公の物語と若いカップルのラブストーリーが北海道の四季とともにつづられ、1977年に公開されるや大ヒットを記録し、その年の映画賞を独占した

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

彼女にフラれてヤケになった花田欽也は勤めていた工場を辞めて、その退職金で真っ赤なファミリアを購入、失恋旅行として一人フェリーに乗り北海道にやって来た

 

釧路から網走にやって来た欽也は駅前でナンパ、同じく東京から一人旅に来た、社内販売員として働いている朱美をナンパしてドライブ

 

 

海岸にやって来た二人はそこにいた島勇作に写真を撮ってもらう、その縁で勇作を駅まで送るつもりがそのまま三人で旅を始める事になった

 

 

その夜に阿寒湖の温泉旅館で二つ部屋をとり、朱美と同室の欽也は朱美を口説くがその強引な欽也に泣き出した朱美、その騒ぎを聞いた隣室の勇作が現れて欽也を叱る

 

 

次の日の朝、重い空気の中で勇作は陸別駅で車を降りた、そこで朱美も一緒に降りたのだが再び乗車、途中でカニを食べたのだが欽也がカニに当たり腹痛で路上に車を置いたままトイレへ

 

 

トラクターを通す為に朱美が運転するが車を脱輪させてしまい、何とか脱出させるが今度は車を暴走させてしまい干し草に突っ込んでしまう、その結果その農家に泊めてもらう事に、そこで勇作は欽也に朱美への態度に説教

 

帯広の駐車場で欽也がヤクザ風の男とトラブルを起こすが勇作の反撃で逃れ、その際に運転をするが検問に引っ掛かり、勇作が無免許だと判明する

 

 

その理由を問われて勇作は一昨日まで6年間殺人罪で刑務所に入っていた事を話す、最寄りの警察署でかつて勇作の事件を担当した警官が勤務しており、彼の計らいで事なきを得る、勇作は夕張に汽車で行くと言うが三人旅は続く

 

 

勇作は過去を語り出し、ヤクザだった彼は人生をやり直そうとし、光枝との出会い結婚、そして妊娠するも流産、病院で勇作は光枝が5年前に流産していた事を知った、ヤケになった勇作は夜の街で男とケンカになり相手を死なせてしまう

 

 

勇作は一人夕張に向かおうと出所直後に妻の光枝に葉書を出していた、「まだ俺を待っててくれるなら黄色いハンカチをぶら下げておいてくれと」、それを聞いた欽也と朱美は一緒に夕張に行く事を決意する

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

オープニングから欽也を演じる武田鉄矢がヌードとスーパーカーのポスターが貼ってある部屋で登場するんです、彼女に足が短いとフラれた欽也はヤケになって仕事を辞めて車を買って北海道に旅に出るんです

 

武田鉄矢は当時紅白歌合戦に出るも一発屋で妻と皿洗いのアルバイトをしていたそうです、そんな頃にオファーがあって武田鉄矢は何でか分からなかったそうです、売れない歌手をからかっているのかとね

 

 

網走の駅でナンパをする欽也は同じく北海道に失恋旅行にやって来た朱美をナンパ、朱美も色々とあったようで欽也の車に乗るんです、もちろん欽也は下心ありありです

 

朱美を演じるのは桃井かおりでこの頃から彼女の気怠さは魅力ですね、その何とも煮え切らない態度は当時の若い女性を現しているのか、それとも桃井かおり独特の雰囲気なのか

 

 

とにかく桃井かおりの存在は大きくて、なんで欽也なんかにナンパされたのか?、夜になると一緒の旅館の同じ部屋なので朱美は貞操の危機なんです、もちろん欽也はそれが狙いですもんね

 

勇作を演じる高倉健の登場は網走の食堂です、高倉健は長年任侠映画からの久しぶりの人情ドラマで役者としても転換期となった作品です、食堂でビールを飲み、醬油ラーメンとカツ丼を食べるシーンで高倉健は2日間何も食べずに挑んでます

 

 

ひょんな事から欽也と朱美と行動を共にする事になる勇作ですが、過去に殺人で6年間服役していて出所したてなんです、温泉旅館で温泉に入るシーンで混浴と知らずに朱美が入って来てあわてて朱美は出て行きます

 

おいらが初めて観たロードムービーは本作だと思います、赤いファミリアはなんとFR(フロントエンジン・リアドライブ)で今のこのクラスの車はほぼFF(フロントエンジン・フロントドライブ)ですからね、めっちゃレアです

 

 

勇作の妻の光枝を演じるのは倍賞千恵子で、彼女が「男はつらいよ」の撮影現場でこの話しを基にした歌を口ずさんでいたところ山田洋次監督がイメージが浮かんだそうです

 

 

この光枝と勇作の関係は素晴らしいのですが、やはり夫婦には色々とあってギクシャクしてしまい、ケンカで相手を死なせてしまって服役中に勇作は離婚を申し出るのですが、光枝は勇作をずっと待っているんです

 

勇作を担当した警官の渡辺を演じるのが渥美清で、わずかの出演シーンなのですが高倉健とのシーンではさすがに名優同士で見入ってしまいました、ほのぼのとしたシーンなのですけど渡辺の優しさが染み出ていました

 

 

朱美役には山口百恵を想定していたのですがスケジュールが合わず、都会出身の桃井かおりにすんなりと決まったそうです、武田鉄矢は桃井かおりとは反対の地方出身者で高倉健と同じ福岡県出身者で決定したそうです

 

 

監督は原作のピート・ハミルと交渉し、日本を好意的に見ていないピート・ハミルは上映は日本限定を条件に承認、その後に国内で高い評価を得た事で海外での公開をピート・ハミルに認めてもらう為に観てもらうと「ビューティフル」と絶賛してOKとなりました

 

 

 

 

 

 

胸いっぱいに、愛がよみがえる それが『幸福の黄色いハンカチ』です。

 

 

 

 

 

何回も観てますが毎回ラストシーンではグッときます、その後の欽也と朱美の関係もね。