『ルパン三世 カリオストロの城』
１９７９年 日本
《スタッフ＆キャスト》
監督・脚本 宮崎駿
原作 モンキー・パンチ
脚本 山崎晴哉
撮影 高橋宏固
音楽 大野雄二
声の出演 山田康雄／小林清志／増山江威子／井上真樹夫／納谷五朗／島本須美／石田太郎／宮内幸平／永井一郎／山岡葉子
《解説》
影の軍団が、巨大なトリックが、ルパンを襲う！生きては還れぬ謎の古城で、ついにめぐり逢った最強の敵！
１９７９年に製作・公開された「ルパン三世」劇場用映画のシリーズ第２弾で、宮崎駿監督の劇場初監督作品として知られる名作アニメ
クラリスの声を演じるのは、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」でナウシカ役を務めた島本須美、２０１４年にはデジタルリマスター版、２０１７年にはＭＸ４Ｄ版、２０２１年には５０周年を記念して４Ｋ版が公開されてます
《物語》
怪盗ルパン三世は相棒の次元大介と共にモナコの国営カジノの金庫から５０億もの大金を盗み出すが、それが精巧に作られた幻のニセ札と言われるゴート札である事に気付く
札束を撒き散らして捨てた２人は次の仕事を決め、ゴート札の出処と噂されるヨーロッパの小国・カリオストロ公国へと向かい、変装して入国
ルパンたちが車を走らせていると花嫁姿の少女が車で逃げ、黒い車の男たちに追われている所に出くわす、カーチェイスに参戦した２人は追手を撃退
しかし車は大破してガケから転落してしまいルパンはなんとか少女を助けたがルパンは気絶、少女は別の追手に連れ去られてしまった
次元に助け起こされたルパンは少女が残していった指輪を見て顔色が変わった、ルパンが若かりし頃にゴート札の謎を解こうとカリオストロに侵入したが、尻尾を巻いて逃げ出したのだ、その時に幼い少女に出会っていた
捕らえられた少女の名はクラリス、修道院から戻ったばかりでカリオストロ城に軟禁され、伯爵に強制的に結婚をさせられて公国の権力と財宝を独占しようと企てていた、クラリスは大公家に残された最後の姫
その夜、指輪を取り戻そうとルパンらの宿にカリオストロ家の殺し屋集団が現れ、ルパンと次元の命を狙うがルパンらは逃げる事に成功
ルパンは斬鉄剣を持つ石川五右衛門を呼び寄せた、ルパンがクラリスの誘拐を予告した事でインターポールの銭形警部が現れた、そして峰不二子もカリオストロの秘密を探ろうと秘書として潜入している
ルパンは地下から城に入り、中では不二子の手引きでクラリスが軟禁されている北の塔へと侵入する
《感想》
次元大介の声を務めた声優の小林清志氏が肺炎の為に８９歳で亡くなられました、これでルパン三世シリーズの初代声優は全て交代となっているのが残念です、ルパン三世は初放送から５０年くらい経つものですからね
久しぶりに本作を観ましたがやはりこの声優陣が素晴らしいです、宮崎駿監督の映画作品第１作ですが、最近の宮崎駿作品は声優ではなく俳優が声をしていて少し残念なのです
もう何回観たかわからないくらい観ました、初めて観たのは小学生の頃でした、その後も何回もテレビで放送されてその度に観ています
それに今回、本作のクラリスの結婚式が１９６８年の９月１３日である事から２週間だけ特別上映されるようです、こんなにリバイバル上映される作品って珍しいですよね、それだけに傑作という事です
ちなみにおいらも色んなアニメ作品を観ましたが、ジブリにしろディズニーにしろピクサーにしろドリームワークスにしろ本作以上のアニメ作品は観た事ないです
ピクサーの監督ジョン・ラセターは本作を観て衝撃を受けたそうです、当時のハリウッドではアニメは子供の観るものと決め付けられており、本作は大人が観れるアニメで、ピクサーもお手本にしたようですね
本当に素敵なシーンが多くて何回観ても感動です、若かりしルパンがカリオストロから逃げ帰る時にケガをして大公家の庭で倒れていた時に幼いクラリスに見付かってクラリスは震える手で水をルパンに飲ませてあげた
そこからのルパンとクラリスの面識で、救われたルパンは偶然とはいえカリオストロに再びやって来てクラリスを救う事になります、それはルパンのかつての恩返しなのかも
ルパンがクラリスを救出して敵を食い止める為に次元と五右衛門が残るのですが、クラリスが２人に礼を言うんです、あの五右衛門がクラリスの事を可憐だと、その後に今宵の斬鉄剣はひと味違うぞと笑みを浮かべます
そしてクラリスを残してルパンたちが去るのですが銭形警部が、奴はまんまと盗みおったと悔しがり、クラリスは何も盗んでいません私の為に戦ってくれたと、銭形は奴はとんでもない物を盗みました、あなたの心です
この名台詞は小学生の頃はピンとこなかったのですが、大人になって観ると何だか臭いセリフも自然に聞こえました、銭形も良い仕事するやんってね、他にも素敵なシーンは色々とありますけどね
カリオストロ城の地下なんかは謎を探ろうとした者の屍が山のようにあります、そこには日露戦争の時に偵察に来た日本兵の自決した死体もあるのです
この作品が世界的に評価が高いのも納得です、何回も観て飽きちゃった人もいると思いますがまた観て下さい（笑）
さらにスピーディーに！さらにスリリングに！さらにスッとボケて！ それが『ルパン三世 カリオストロの城』です。
ちなみにモーリス・ルブランの小説「アルセーヌ・ルパン」シリーズに登場するカリオストロ伯爵夫人から名前を取っており、クラリスも登場するそうです。
