殺人鬼から逃げる夜 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『殺人鬼から逃げる夜』

 

 

 

 

 

2021年 韓国

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 クォン・オスン

 

撮影 チャ・テクギュン

 

音楽 ファン・サンジュン

 

 

 

出演 チン・ギジュ/ウィ・ハジュン/パク・フン/キム・ヘユン/キル・ヘヨン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

耳の聞こえない目撃者、新たなターゲットに

 

耳の不自由な主人公が連続殺人鬼に追い回される恐怖の夜を描いた新感覚スリラー、監督・脚本は、これがデビュー作となる韓国映画界の新鋭クォン・オスン

 

耳の聞こえない主人公ギョンミを「リトル・フォレスト 春夏秋冬」のチン・ギジュ、スマートな表の顔とは別に殺人衝動を抑えきれない殺人鬼という裏の顔をもつドシク役を、「コンジアム」で注目されたウィ・ハジュン

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

深夜、仕事終わりで女性がタクシーを拾えずに歩きながら帰宅を急いでいると、背後からワゴン車が近付き若い男ドシクが乗るように話し掛けるが女性は断り歩き出した

 

女性が振り返るとワゴン車のスライドドアが開いており、男性の助けてと小さな声が聞こえ、ワゴン車の中を見るとケガをした男性がおり、次の瞬間にドシクが女性をワゴン車の中に引きずり込んだ

 

 

通報を受けてパトカーが到着、それはドシクが通報し、死体の発見者を装い、外国人労働者3人が刺したいたと証言、警官は女性と男性の死体を見て驚くが、ドシクはタバコを吸っていた

 

 

お客様相談センターの手話部門で働く女性ギョンミは聴覚障害者でオンラインで対応している、ギョンミは母親と2人暮らしで母も聴覚障害者で近々2人で済州島に旅行に行く事を楽しみにしていた

 

 

合コンに行く妹ソジョンのスカートが短い事に着替えるように言う兄ジョンタクは元海兵隊員で現在は警備員をしている、両親は既に亡くなっており、ジョンタクはソジョンが心配で門限も厳しく、ソジョンはパンツに着替えて出て行った

 

 

車で母を迎えに行ったギョンミは家の近くで母を降ろすと車を駐車場へ、そこにドシクが現れてギョンミの母の後を付け、近寄ったところで合コン帰りのソジョンがスマホで喋りながら通り過ぎ、ドシクはターゲットをソジョンに変えた

 

 

電話の相手は兄ジョンタクで門限を過ぎた事で電話を掛けてきたのだ、電話を切った直後にソジョンはドシクに襲われ、ナイフで刺されて倒れた

 

ギョンミが駐車場から路地に出るといきなり白いハイヒールが足元に転がった、暗がりからもう片方のハイヒールが転がり、ギョンミは重傷のソジョンを見付けて近付くと、白いマスクと帽子のドシクがギョンミに襲い掛かる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

事件の目撃者が聴覚障害者だったらこんなに周りには伝わらないものなのでしょうか?韓国映画に出てくる警察はポンコツだらけなのですが、本作の警察もポンコツです

 

主人公の聴覚障害者のギョンミを演じるのはチン・ギジュでおそらく平均よりも小柄な韓国人女性ではないでしょうか?なので凄くか弱く見えますね

 

 

しかし聴覚障害者だからといって引け目を感じる事もなく、上司たちが集まる酒席で男性社員から酷いセクハラ発言を受けるのですが、耳が聞こえないギョンミは気にせず、それに笑顔で手話で罵倒してます

 

殺人鬼ドシクを演じるのはウィ・ハジュンで、殺人的な衝動を抑えられず相手は誰でもいい感じです、オープニングでの女性を殺害するシーンでは車の中に既に男性が捕らえられてますしね

 

 

ドシクはたまたま通り掛かったギョンミの母を狙うのですが、そこにスマホで大声で喋りながらソジョンが通り過ぎるのです、ターゲットをソジョンに変えて襲い掛かるのです

 

ソジョンを演じるのはキム・ヘユンでこちらも小柄な女性で、短いスカートを履いて兄のジョンタクに着替えろと言われて反抗するも着替える女の子です

 

 

ジョンタクを演じるのはパク・フンで両親が亡くなっているので親代わりにソジョンを心配しているのです、でもそれはソジョンには鬱陶しい兄なんです

 

 

襲われたソジョンを助けた事でギョンミも襲われるのですが何とか逃げて街に設置されている緊急ボタンを押すんです、ギョンミは母親といるのですがそこでスーツに着替えたドシクが現れます

 

 

頭がいいと言うか狡猾で見ていてめっちゃ嫌な奴で、それでいて好青年なので警察も騙されてしまいます、ジョンタクと乱闘になった時には警察はジョンタクにスタンガンを当てるのです

 

 

後半はギョンミを襲うドシクはギョンミの家に入って来ます、ギョンミは外に逃げてドシクは追い掛けます、韓国映画によく出てくる迷路のような細い路地を追いかけ回すんです

 

この追走劇がとにかく長くて小柄なギョンミが背の高いドシクに追い掛けられて少しずつ距離を詰められていくんです、それに大勢の人のいてる場所に出ても聴覚障害者のギョンミの言いたい事が誰にも伝わらない、ドシクは妹だと言って野次馬を納得させるのです

 

 

やはり健常者は障害者には関わりたくないのか、そういう差別的な表現もあって韓国映画の凄いところでもありますね、邦画ではなるべく包んで表現するのですけどね、韓国映画って直接的な表現が素晴らしいね

 

 

 

 

 

韓国発、新時代の逃走〈サイレント〉スリラー誕生! それが『殺人鬼から逃げる夜』です。

 

 

 

 

 

これだけの色々な出来事が一晩で起こります、ラストはやっぱ微笑ましかったですね。