ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』

 

 

 

 

 

2021年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 飯塚健

 

脚本 杉原憲明/鈴木謙一

 

撮影 川島周/山崎裕典

 

音楽 海田庄吾

 

 

 

出演 田中圭/土屋太鳳/山田裕貴/眞栄田郷敦/小坂菜緒/落合トモキ/菅原大吉/八十田勇一/濱津隆之/古田新太/大友律/狩野健斗/山田英彦/加藤斗真

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

選手でない彼らの大逆転が始まる

 

1998年長野オリンピックでのスキージャンプ団体の金メダル獲得を陰で支えたテストジャンパーたちの知られざる実話を、田中圭の主演で映画化

 

田中圭演じる主人公・西方仁也ほか、「カメラを止めるな!」の濱津隆之が演じる原田雅彦ら、実在のスキージャンパーが劇中に多数登場、監督は「荒川アンダーザブリッジ」「虹色デイズ」の飯塚健

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1998年2月17日、長野冬季オリンピック男子スキージャンプ団体の決勝、テストジャンパーの西方仁也はその様子を特別な思いで見ていた、なぜ俺がここで原田がそこにいるんだ、落ちろ!

 

4年前、1994年リレハンメルオリンピック男子スキージャンプの代表は西方仁也、原田雅彦、葛西紀明、岡部孝信の4人、西方、葛西、岡部は次々と大ジャンプを決め、金メダルほぼ手中に収めたが、最後のエースの原田はまさかの大失速で日本は銀メダルに終わった

 

帰国して記者会見ではマスコミからのバッシングに晒された原田はオリンピックは銀ではだめなんだ金じゃなきゃ、西方は原田がいなかったら銀もなかったと慰め、次の長野オリンピックでの金メダルを誓う

 

 

長野・野沢温泉村で旅行を営む父親は銀メダルの祝勝会の準備、妻・幸枝の労いの言葉に金メダルを逃した悔し涙を流した、26歳の西方にとっては次の長野がラストチャンスと考えている

 

 

西方は長野に向けて鬼コーチ神崎の元で強化合宿に入った、長野オリンピック開幕まで187日となったある日、西方は腰に違和感を感じた

 

 

代表争いも熾烈を極め、西方は腰の不調を隠して練習に励むが、そんな時、練習中にバランスを崩して着地に失敗、ケガをした西方は長野に間に合わせる為にリハビリに力を入れる、原田が世界選手権で総合優勝を決めて焦りを感じる

 

開幕まであと92日の雪印杯全日本ジャンプ大会で復帰戦となるが、既に代表に選手されていた葛西を抑えて優勝、完全復活をアピールする西方だったが代表には選ばれなかった

 

 

そんなある日、西方を家に神崎が訪れてテストジャンパーをやらないかと誘ってきたのだが、一度は断るも幸枝と話し合い、引き受ける事になった

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

もちろんおいらは長野オリンピックは観ております、スキージャンプ団体での日本代表の金メダルの瞬間も観ております、リレハンメルオリンピックでの銀メダルも知っております

 

その長野オリンピックでの感動の金メダルの裏にはこんな秘話があったんですね、リレハンメルオリンピックで金メダリストとなるはずだった西方仁也を主人公にした実話です

 

西方仁也を演じるのは田中圭で、リレハンメルからの帰国記者会見ではジャンプを失敗した原田を慰める言葉を掛けるのですが、実際には銀じゃだめで金じゃないとだめなんです

 

 

足取り重く帰って来るのですが彼を優しく迎えるのが妻の幸枝で演じるのは土屋太鳳で、この幸枝がいてこそ西方は頑張れたのではないかな?

 

 

次の長野オリンピックを目指して合宿に入るのです、この合宿での鬼コーチの神崎を演じるのが「土竜の唄 香港狂騒曲」の古田新太でオリンピックには縁のなかった選手がコーチでそれが更にオリンピックを目指す選手の士気を高めるのです

 

 

しかし西方は腰に違和感を感じるんです、ウエイトトレーニングにも痛みが出るも練習を続けてジャンプでバランスを崩して転倒、大ケガをしてリハビリ生活となるんです

 

長いリハビリをしていると若手ジャンパーの南川崇が同じくケガをして現れるのです、演じるのは眞栄田郷敦で次のオリンピックがあるからと軽い態度なのですが、ケガをした恐怖で飛べなくなってるんです

 

 

復帰戦で優勝するの代表から外れてしまった西方は神崎からテストジャンパーを打診されるんです、この先のスキー協会に恩を売る為に引き受けるんです

 

選ばれたテストジャンパーの中には女子高生の小林賀子もいて、当時のオリンピックには女子スキージャンプはなかったので、オリンピックに何かしら参加したかったのです、演じるのは日向坂46の小坂菜緒

 

 

それに聴覚障害を持つ高橋竜二もいてやはりオリンピックには無縁のジャンパーですがその飛距離はメンバー随一です、演じるのは山田裕貴でカッコ良くはないけど重要な役です

 

 

原田雅彦を演じるのは濱津隆之で、原田がインナーを忘れたと西方に借りに行くのです、そこで西方は思いのたけを吐くのです、まだお前を許してないとね、お前の失敗がなければ金メダリストだったとね

 

 

団体競技で誰かのミスで負けたりしてミスした人を責めないでいるのが美学ですが、そんな事はないですよね、あいつのせいで負けたと思ってるはずですよ、それにこんなオリンピックだったら尚更です

 

 

 

 

 

長野オリンピック奇跡の金メダルに隠された感動の実話 それが『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』です。

 

 

 

 

 

テストジャンパーの25人が全員成功しないと長野オリンピックのジャンプ団体が中止となっていたなんて知りませんでした。