早熟のアイオワ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『早熟のアイオワ』

 

 

 

 

 

2008年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ロリ・ペティ

 

撮影 ケン・セング

 

音楽 マイク・ポスト

 

 

 

出演 ジェニファー・ローレンス/ボキーム・ウッドバイン/ソフィア・ベアリー/クロエ・グレース・モレッツ/デビッド・アラン・グリア/セルマ・ブレア

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

少女は大人になる

 

「ハートブルー」「プリティ・リーグ」などで知られる女優ロリ・ペティが自ら監督・脚本を務め、売春婦の母親と暮らす少女の日々を綴った自伝的作品

 

後に「ハンガー・ゲーム」シリーズなどのジェニファー・ローレンス、「キック・アス」シリーズなどのクロエ・グレース・モレッツら、実力派女優が共演したドラマ

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1976年・アイオワ州カウンシルブラノス、14歳のアグネスは朝は太陽と、夜は月と競争する、頭にあるのは今日と今夜だけ

 

 

今朝、初めて見る男がいた、人殺しをしそうなタイプではなかった、誰も私を救ってはくれないのは昔からわかっていた、少女が堕落していったってこの町の人は知らん顔だ

 

アグネスは幼い妹2人とポーカーハウスと呼ばれる家で暮らしていた、夜になるとポーカー賭博や売春目的の男女が集まってくる、母親のサラは恋人のデュヴァルに言われるがままに売春をするが、アグネスとデュヴァルの仲はまだ良い

 

 

そんな過酷な環境でも3人の姉妹はたくましく育っている、妹のビーは新聞配達と瓶拾いで家計を助け、末っ子のキャミーはポーカーハウスの間は近くのバーで過ごしている

 

バスケットボールに打ち込むアグネスは地元新聞に載るくらいの有名選手で今夜の試合に勝ったら州大会の決勝に出られるとデュヴァルに嬉しそうに話す、デュヴァルは母を殴るがアグネスにはキスをする

 

アルコールとドラッグに溺れているサラは今朝の男は上手だった、アグネスには体を売るくらいしかないんだから最初くらいは上手い男で、そろそろ決める時期だとアグネスに売春を強要する

 

 

ただ飯は食わせない、少しは家計に貢献してと笑うがアグネスは涙が出る、アグネスはあちこちでアルバイトをして家計を支えている、売春やドラッグには手を染めずに妹たちを守っている

 

 

家に戻るとポーカーハウスには賭博やセックスを目的に男女が集まり騒がしい、バスケットボールの試合に行こうとしたところでデュヴァルにキスをされた、彼のキスはとろけるようでかなわない

 

しかしその後にデュヴァルに無理矢理暴行されて処女を失った、アグネスはデュヴァルに銃を向けるがサラがデュヴァルを庇い、アグネスに包丁を向けて家を出るように言い、アグネスは絶望する

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

これが華やかな女優の過去なのです、「ハートブルー」で一躍注目されたロリ・ペティの自伝的作品なのですが、なかなか壮絶な少女時代だったようですね

 

生まれた時は母親も普通だったのですが牧師の父親は家族に暴力を振るい、母親と姉妹は施設の世話になり引っ越してこのようなポーカーハウスで母親は売春して生活するようになったのです、それに男に依存しています

 

母親が14歳の自分の娘に売春を強要するなんてあるのですね、なんて残酷な現実で少女は少女のままでいれなくなり大人になるしかなかったのです

 

 

この主人公のアグネスを演じるのはジェニファー・ローレンスで当時17歳で幸薄い環境ですがメチャメチャ可愛いです、それに可憐でしたね

 

 

朝起きると母親が売春した男がまだいたりして妹たちが起きる前に帰すのです、そして散らかった部屋を掃除して妹たちの世話をするのです

 

地元新聞の記者をしたりアルバイトを色々として家計を助けるのですが、バスケットボールに打ち込んでいて年下少年たちとのバスケで相手にディフェンスされた時に胸に手が当たって帰ってしまう可愛いとこもあります

 

 

末娘のキャミーを演じるのはクロエ・グレース・モレッツで当時10歳でバーでずっと金魚のスナックを食べてジュースを飲んでいるのです、バーのママも境遇を知っているので優しいのです

 

 

彼女の出番は末娘なので少ないのですが、大物感漂う演技でその片鱗を覗かせています、こんな環境の場所に天使のような顔をしているのです

 

 

母親のサラを演じるのはセルマ・ブレアで下着姿でウロウロしてその目は虚ろです、その恋人のデュヴァルを演じるのはボキーム・ウッドバインです

 

 

アグネスは母親の恋人のデュヴァルとはキスする関係なのです、母親に売春を強要しているのですが何故か関係は良好なのです、ここは不思議ですが、こんな場所でも味方でいてくれる人がいて嬉しいのかも

 

しかしそのデュヴァルに暴行されてしまうのです、サラが売春をさせたいと言っていたことからデュヴァルが味見としてね、終わった後にアグネスはバスタブで洗い血を流すのです

 

 

それをサラに見られて抱きしめて欲しかったのにサラは石鹸がもったいないと吐き捨てるのです、アグネスはデュヴァルに銃を向けるのですがサラが庇ってデュヴァルがいないとダメなのとアグネスを追い出すのです

 

 

最後にアグネスはバスケットボールの試合に出て試合には勝つのです、アグネスは記録になるほどの点数を入れて勝って、妹たちの盗んだデュヴァルの車に乗せて町を出るのです、その後はどうなったのか?

 

 

 

 

 

 

少女たちに突きつけられる、過酷な現実、大人になるしかなかった それが『早熟のアイオワ』です。

 

 

 

 

 

いつも酩酊状態の母親サラなのですが娘たちを愛せていないのは環境のせいなのか疑問が残ります、悲劇のヒロインに酔っているかのようです。