VERSUS ヴァーサス | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『VERSUS ヴァーサス』

 

 

 

 

 

2001年 日本

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 北村龍平

 

脚本 山口雄大

 

撮影 古谷巧

 

音楽 森野宣彦

 

 

 

出演 坂口拓/榊英夫/三坂知絵子/松田賢二/新井雄一郎/松本実/大場一史/渡部遼介/片山武宏/浅井星光/吉原歩/増本庄一郎/谷門進士/上赤俊朗/古宮基成

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

誰も見たことのない戦い

 

絶対に負けないダーク・ヒーロー、記憶のないシックスセンスな女、殺しても死なないレザボア、迫り来る必殺処刑コップとアサシンズ、そして全ての謎を知る不死身の男、全員が戦う、黄泉返りの森と呼ばれる地で、時空を超えた宿命の決勝が今、始まる

 

闇の力を巡って繰り広げられる、男たちの宿命の戦いを描くヴァイオレンス・アクション、スーパークール&ノールール、すべてが過剰で、徹底的、世界が衝撃を受けたサムライ・エンタテインメント

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

奥深い森、囚人仲間に誘われて脱獄した脱獄囚KSC2-303は森の中を走り回り細い道に出た、そこで迎えの車を待つ、しかしそこにやって来たレザボアたちは車1台でリーダーが来るまで待機となる

 

命懸けで逃げて来たKSC2-303はイライラが募り、レザボアたちと口論となる、そこに彼らに囚われていた女が車から降ろされ、KSC2-303と目が合った

 

KSC2-303は女を離せと言うと銃を突き付けられるがその銃を奪って女を拘束していたサブリーダーを射殺、KSC2-303は銃を奪った男を盾にして女を自らの後ろに匿う

 

 

銃を突き付け合い更なる一触即発となるが死んだはずのサブリーダーの男が立ち上がり襲い掛かり、レザボアたちは銃を乱射してもう一度サブリーダーの男を射殺

 

レザボアたちは囚人仲間の男を射殺するが、その男も再び立ち上がり再び殺した、その間にKSC2-303は女を連れて森の中へと姿を消した

 

 

この森にはレザボアたちが始末した人間が多数埋められており、その死体が蘇ってレザボアたちを襲う、この森は幽界と現界を繋ぐ結界の地、黄泉返りの森で死者たちと壮絶な銃撃戦となる

 

KSC2-303は女になぜ連れて来られたかを問うと思い出せない、連れて来られた以前の記憶がないのだ、KSC2-303もなぜ刑務所にいたかを思い出せない

 

 

そこにリーダーの男が到着するが、レザボアたちはリーダーの男を裏切り殺し屋たちを呼び寄せており射殺するも、何事もなかったように起き上がり、全員を倒した、男は全てを知る不死身な男

 

 

それを見た女と目が合い思い出した、KSC2-303と不死身の男は戦う運命だと、不死身の男は結界を開いて邪悪な力を手に入れようと企む

 

 

実は500年前に実の弟に邪魔されて失敗、現在に転生してそのチャンスがやって来たのだ、しかも弟もKSC2-303として現在に転生されていた

 

その結界の扉を開く鍵を握っているのがこの女だった、女を巡って壮絶な戦いが展開される

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

第1回インディーズムービー・フェスティバルでグランプリを受賞した自主制作作品の「DAWN TO HELL」でこんなホラーでスピード感のある作品を撮る監督が出て来たとワクワクしたものです

 

それが北村龍平監督で、その彼が撮る本作は日本刀を使ったアクションとゾンビを絡めたハチャメチャな展開で、これがまた面白いのです、ただちょっと間延びした感じはありましたけどね

 

オープニングでいきなり時代劇風に始まって片腕の侍がゾンビを斬る、それが500年前の出来事で侍は男に斬り捨てられてしまうのです、そこから脱獄囚が森を逃げるシーンへと変わります

 

 

KSC2-303を演じるのが坂口拓で彼は仲間に誘われて脱獄したのです、落ち合う場所に来たレザボアたちはリーダーが来るまで待てと言うのです、レザボアとはヤクザの事のようです、リーダーの男は組長なのかな?

 

 

そこに連れ去られてきた女を見てKSC2-303は何かが弾けてレザボアのサブリーダーの男を殺して、彼女を何故か危険を冒してまで助けてしまうんです、これによって仲間割れが起こってしまいます、女を演じるのが三坂知絵子

 

 

リーダーの男からKSC2-303と女は生きたままでと言われていて、一緒に逃げて来た脱獄囚は簡単に殺してしまいます、しかしサブリーダーの男も脱獄囚の男もゾンビとなって生き返るのです

 

この森は黄泉返りの森と呼ばれていて、レザボアたちが過去に始末した人間をここに埋めているのです、それらが生き返ってしかも銃を持ったままで銃撃戦となります

 

 

ここでの銃撃戦は弾が尽きないのかと思うほど撃ちまくります、体に穴が開く程に撃ちます、しかも脱獄された刑事が追って森の中へと入ってきます、この刑事たちも異常者でね、お巡りさんと呼ばれるとキレて撃ちます

 

レザボアの中でもナイフ使いの強烈なキャラクターの男を演じるのが松田賢二で顔芸が素晴らしかったです、逆に眼鏡の男はクールな印象で演じるのは大場一史

 

 

そしてこのナイフ使いの男がリーダーの男を裏切り殺し屋を呼んでいるんです、赤い髪の殺し屋に片山雄一郎、二丁拳銃の殺し屋に吉原歩、空手使いの殺し屋に浅井星光

 

 

リーダーの男で不死身の男を演じるのが榊英雄、闇の力を得ようとして阻止されて500年前の因縁に決着を着けようと死闘を演じます、これがまたカッコ良くてね

 

 

ただ残念なのはこの榊英雄は自身の監督作品に女優を出演させる代わりに肉体を要求していたとの事です、4人の女優が性被害を受けたと告白しています

 

そんな中で実名で立ち上がったのが「女の穴」の石川優実、駆け出し女優は立場が弱くそこに付け込まれて性行為を要求する有力者がいる一方で、枕営業が当たり前と思っている女優もいるらしいです、やはり芸能界ってまだまだ悪しき風潮が残っているんですね

 

しかも榊英雄が撮った新作「蜜月」は性被害を訴えるような作品で公開中止が決定しました、主演の佐津川愛美も公開前のトークイベントでこの作品にかける思いを涙ながらに話していただけに残念ですね

 

ただ榊英雄は関係者や家族に謝罪しているのですが被害女性への謝罪は事実の是非に関わらず渦中の人という扱いでした、これは自分が加害者で被害者がいるという気持ちが薄いのではないかな?

 

 

 

 

 

この衝撃、問答無用のカタルシス それが『VERSUS ヴァーサス』です。

 

 

 

 

 

この作品は後に追加撮影されて「THE ULTIMATE VERSUS」が作られました。