プラトーン | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『プラトーン』

 

 

 

 

 

1986年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 オリバー・ストーン

 

撮影 ロバート・リチャードソン

 

音楽 ジョルジュ・ドルリュー

 

 

 

出演 トム・ベレンジャー/ウィレム・デフォー/チャーリー・シーン/ケビン・ディロン/フォレスト・ウィテカー/ジョン・C・マッギンレー/フランチェスコ・クイン/デイル・ダイ/ジョニー・デップ/キース・デイヴィッド/コーリー・グローヴァー/マーク・モーゼス/トニー・トッド/レジー・ジョンソン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

戦争で傷つくのは、いつも青春

 

オリバー・ストーン監督が自身の従軍体験を基にベトナム戦争の実態をリアルに描き、1987年・第59回アカデミー賞で作品賞・監督賞など4部門に輝いた戦争ドラマ

 

ベトナムの戦場に米国社会の歪みを見いだす鋭い視点のみならず、戦場においては今日の味方が明日の敵になり得るという普遍的問題まで提起した、オリバー・ストーンのリアルな視点が冴える渾身の力作

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1969年9月・カンボジア国境付近、激戦のベトナム戦争の地に若い志願兵クリス・テイラーがやって来た、体力のなさを露呈し、エリアス軍曹の手を煩わせてしまう

 

 

黒人や少数民族や貧しい者たちからの徴兵に疑問を感じた彼は、名門大学を中退してまでベトナム行きを志願したのだ、だがいきなり最前線小隊プラトーンに配属された

 

理性の通じないところを地獄と言うならここがそう言うところだ、来てから1週間でもう嫌になった、1番嫌なのは前進の先頭に立つ時だ、いきなり敵と出くわしたらどうしよう?

 

朝5時に起きて夕方まで歩いたり穴を掘ったりの毎日、徹夜で待ち伏せする時もある、誰も何も教えてくれない、新兵なんか構ってられない、実戦の経験がない者は軽く見られる、ベトナムで死ぬなら早い方がいいらしい

 

 

夜、陣地の中にいられれば幸せだ、浅い眠りを3~4時間得られる、1年も続ける自信はない、来たのが間違いだった、想像を遥かに超えた過酷な戦争の現実が待ち受けていたのだ

 

陣地外での待ち伏せの時、新兵の居眠りで戦闘が遅れて死者が出た、バーンズ軍曹にこっぴどく怒られたクリスだったがヘマをして300日プラスとなる

 

ある日、ベトナム兵の隠れ家を発見、そこで仲間が惨殺される、それに怒ったバーンズが近くの村に行き、兵士でも何でもない民間人の農民を虐殺

 

 

さらに子供を殺そうとしたバーンズに現れたエリアスが殴り掛かり騒然となった、それによって元々犬猿の仲だったエリアスとバーンズは更に亀裂が入り、部隊も2派に分かれてしまう

 

 

クリスは死の恐怖が渦巻く最前線の中、虐殺、略奪、強姦など戦争の狂気とその現実を目の当たりにする、そして遂にバーンズとエリアスに事件が起こり、エリアスは戦場の混乱の中でバーンズに撃たれてしまう

 

 

それでも重傷を負って戦地に取り残されたエリアスはベトナム兵に追撃されて、ヘリコプターで離脱したクリスたちの目の前で銃弾を受けて絶命、クリスはバーンズが撃った事を察知するのだが…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

1970年代にもベトナム戦争を描いた作品は多く、本作は80年代のベトナム戦争を描く多くの作品の中でも先駆者的な作品で傑作のひとつです

 

監督のオリバー・ストーンはベトナム戦争帰還兵で自身の実体験に基づいて、アメリカ軍による無抵抗のベトコンや民間人に対する虐殺や放火、虐待に強姦、米兵たちの間で広がる麻薬、仲間同士での殺人や誤爆に同士討ち、敵兵の死体損壊などを描いています

 

 

予算はわずか600万ドルで当時の平均的予算の半分ほどで、わずか6館の映画館でひっそりと公開された、有名俳優は出ておらず、それどころか女優は一切出ていない

 

当然ヒットは見込めないと思われていたのですが、公開初日から映画館には行列で1週間の興行収入の新記録を樹立、それは全米に広がりアメリカだけで製作費の20倍以上稼ぎました

 

更にアカデミー賞で主要4部門を受賞し、オリバー・ストーンの名を世界に知らしめました、これまでのベトナム戦争を描いた作品とは違ったアプローチで実体験でしか得られない物が描かれています

 

 

オリバー・ストーンは当時の事を振り返って、人が死んでいくのを見た、人を殺した、殺されそうになった、何の理由があって救われたかは何かをする為、この体験を書いて映画にする為だろうと語っています

 

クリス・テイラーを演じるのはチャーリー・シーンでまだまだ無名で、いろんな俳優が候補に挙がるも断られ、設定としては若いチャーリー・シーンとなりました、前半では善人ぶってましたが、後半は殺しまくる殺人マシーンのようです

 

 

監督は「エルム街の悪夢」のジョニー・デップにもクリス役をオファーしているのですが、デップは自分が若過ぎる事と知名度がない事を理由に断ったが、監督はデップが将来大スターになると感じて端役で出演させたそうです、ハロルドを演じるのが「初体験/リッジモンド・ハイ」のフォレスト・ウィテカー

 

 

ボブ・バーンズ軍曹を演じるのはトム・ベレンジャーで想像通りの鬼軍曹なんです、味方が殺された事で関係のないベトナムの民間人を虐殺する残忍な人物です

 

 

このバーンズと対立するのがエリアス軍曹で演じるのは「ストリート・オブ・ファイヤー」のウィレム・デフォーで、こんな戦場でも常識人であり、傍若無人なバーンズと衝突するのです

 

 

このバーンズとエリアスは元々相性が悪くて、この非人道的な問題で衝突した事で戦場でバーンズとエリアスがバッタリと出会った時にバーンズはエリアスを撃つんです、そしてヘリで戻る時にエリアスは走って逃げて来るのですが敵に撃たれて絶命するのです、あの有名なシーンです

 

 

なので戦争では人間を狂気へと変えていってしまう恐ろしいものです、映画で描かれているのはまだ大人しいと思います、もっともっと非人道的行為が行われているはずです、戦争は反対です

 

 

 

 

 

巨匠オリバー・ストーンが驚異のリアリティで描き切る、ベトナム戦争の真実 それが『プラトーン』です。

 

 

 

 

 

正義感などで戦場に赴いた当時のオリバー・ストーンは後悔したのでしょうか?概ね自伝的な作品ですね。