悪魔を憐れむ歌 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『悪魔を憐れむ歌』

 

 

 

 

 

1997年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 グレゴリー・ホブリット

 

脚本 ニコラス・カザン

 

撮影 トム・サイゲル

 

音楽 タン・ドゥン

 

 

 

出演 デンゼル・ワシントン/ジョン・グッドマン/ドナルド・サザーランド/エンベス・デイビッツ/ジェームズ・ガンドルフィーニ/イライアス・コティーズ/ガブリエル・カソーズ/マイケル・ペイガン/ロバート・ジョイ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

“悪”は感染する

 

デンゼル・ワシントン主演のスリリングなオカルト・ミステリー、時空を超え、人から人へ憑依してはこの世に悪をまきちらす悪魔と、連続殺人事件を追う刑事が必死の対決を繰り広げる

 

ザ・ローリング・ストーンズの名曲「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」「悪魔を憐れむ歌」を重要な題材としてフューチャーした、ユニークなオカルトサスペンスホラー、監督は「真実の行方」のグレゴリー・ホブリット

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

死刑囚エドガー・リースは死刑執行の立ち合いにやって来た担当刑事のジョン・ホブスに鉄格子越しに握手を求めて呪文を唱え、謎の言葉「なぜライオンズとスパコフスキーの間に空白があるのか」を残すがホブスは笑顔で立ち上がって出て行った

 

ホブスを含めた20人ほどの立会人が見守る中で死刑が執行される、毒ガスが充満して苦しむエドガーはそのまま息絶えた

 

 

ホブスは立ち寄った飲み屋で酔ったルー刑事に絡まれて賄賂は大都市の伝統だと言うが、ホブスは賄賂を拒否し、煙草も止めた、彼は相棒のジョーンジー刑事は苦笑い

 

 

翌朝、出勤したホブスに電話が鳴り、相手はサウスアテンダーのアパートの住所をメモを取らせて切れた、ホブスは一応警官を向かわせるとロシア人亡命者マスカビッチが死んでいた

 

 

胸には18と書かれ、クローゼットにはエドガーの謎の言葉が書かれていた、模倣犯かと思われたが指紋には前科がなく、検死の結果エドガーが犯行に使った毒物が検出された

 

エドガーの謎の言葉の話しをするとルーがスパコフスキーは昔にサウス署にいた悪徳警官だと言う、叙勲した警官を銅板に刻まれたスパコフスキーの名の上に一行空いてライオンズの名もあった

 

 

ホブスは調べ一行空いた警官はロバート・ミラノだと分かるが彼は山小屋で銃の暴発事故で死亡していた、スタントン警部補に聞くと優秀な男だったと言うが、何か分かっても他言無用だとエドガーのビデオを渡した

 

 

それはエドガーが雇ったドキュメンタリーのクルーが撮影した物でエドガーが口にする呪文に興味を持った、ホブスはミラノの娘グレタに会いに行く

 

グレタは大学で神学を教える女性でホブスがエドガーからミラノの名が出た事を言うと、エドガーは歌っていたか?あなたに触ったか?と質問し、他言しない事を条件に話し始めた

 

 

ミラノは優秀な警官だったが凶悪犯の模倣犯として容疑が掛けられて自殺、グレタは潔白だったと言う、その後に連続殺人が発生し、ホブスにその容疑が掛けられてしまう

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

最初はなぜこの邦題なのかと思ったのですが、ザ・ローリング・ストーンズの曲がちょっとしたキーワードとなっているのですね、でもちょっと安易なタイトルだと思いましたね

 

ジョン・ホブス刑事を演じるのはデンゼル・ワシントン、ホブスは賄賂は拒絶して誇り高くて煙草も止めたクリーンな刑事でその志は一片の迷いもありません

 

 

そんな彼が捕まえたのは連続殺人犯のエドガー・リース、ホブスは彼の死刑執行に立ち会うのです、そこでエドガーはホブスに握手を求めて呪文を唱えて、なぞなぞクイズを出します、「なぜライオンズとスパコフスキーの間に空白があるのか」

 

 

なぞなぞクイズが嫌いなホブスは考えもせずに出て行くのです、そして死刑執行で毒ガスでエドガーは死ぬのですが、その時にザ・ローリング・ストーンズの曲を歌うのです、そして煙のような物が出て他の男に入っていくのです

 

そしてまたエドガーの犯行を模倣した犯行が行われるのです、犯人は風呂場で殺した後にその部屋に泊り、朝ごはんのコーンフレークを食べていたんです、そして「なぜライオンズとスパコフスキーの間に空白があるのか」と書かれているのです

 

なぞなぞクイズだと思って気にもしなかったのですが、犯行現場に書かれていた事でそれを仲間に聞くと、同僚刑事がそれは過去にいた警官だと、スパコフスキーが分かった事で叙勲された警官が名が刻まれた銅板に一行空けてライオンズの名があったんです

 

その空白が一行を調べてロバート・ミラノだと分かり、彼の娘のグレタを訪ねるのです、彼女は大学で神学を教える才女で、悪魔の存在を示唆するのです、グレタを演じるのはエンベス・デイビッツ

 

 

やはり悪魔なんてなかなか信じられませんよね、でも悪魔は善行を行う人間を陥れるので善行は目立たないようにしなければならないのです、しかし悪魔はグレタが悪魔に気付いたとバレたのです

 

悪魔は人間に憑りつき、人から人へ触れると悪魔はその人間に移動出来るのです、それをホブスも気付いて悪魔に翻弄されるのです、悪魔の名はアザゼル

 

ホブスはミラノが自殺した山小屋へと向かいます、そこにスタントン警部補とホブスの相棒のジョーンジー刑事が捕らえに来たのです、ホブスはこのどちらかが悪魔アザゼルだと確信します、スタントンを演じるのはドナルド・サザーランドでジョーンジーを演じるのはジョン・グッドマン

 

この山小屋にホブスが来た理由はミラノと一緒でアザゼルを倒そうとして失敗したのです、ホブスはそれを実行します、この3人以外誰もいない森の中の山小屋、ここで死ねばアザゼルは人へは移れないと考えたのですが

 

 

清廉潔白で誇り高い刑事を演じるのが似合うデンゼル・ワシントン、黒人俳優の立場をぐんと上げましたね、デンゼル・ワシントン出演だと何だか安心出来てしまいます

 

 

 

 

 

 

腕利き刑事が捜査の果てに見た驚愕の真実、悪魔の歌が聴こえる それが『悪魔を憐れむ歌』です。

 

 

 

 

 

悪魔を倒すにはコレしかないのでしょうか?だれもが信仰心を持ってるわけではないですもんね。