エイリアン3 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『エイリアン3』

 

 

 

 

 

1992年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 デビッド・フィンチャー

 

脚本 デビッド・ガイラー/ウォルター・ヒル/ラリー・ファーガソン

 

撮影 アレックス・トムソン

 

音楽 エリオット・ゴールデンサール

 

 

 

出演 シガニー・ウィーバー/チャールズ・S・ダットン/チャールズ・ダンス/ポール・マッギャン/ブライアン・グローバー/ラルフ・ブラウン/ダニー・ウェブ/クリストファー・ジョン・フィールズ/ホルト・マッキャラニー/ランス・ヘンリクセン/ピート・ポスルスウェイト

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

1979年、人類はエイリアンと遭遇、1986年、それは永遠に去った、1992年、今度は人類が危ない

 

凶暴な宇宙生命体と女性宇宙航海士リプリーの戦いを描く名作「エイリアン」シリーズ第3弾、監督はミュージックビデオやCMを手がけてきた新人デビッド・フィンチャー

 

デビッド・フィンチャー監督が27歳の若さで完成させた作品で、映画史に残るビジュアル・ショック、ジョージ・ギブスとリチャード・エドランドがSFXを担当、スキンヘッドとなり、かつてないヒロインを熱演したシガニー・ウィーバーが見もの

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

惑星LV‐426でエイリアンを殲滅したリプリーらは冷凍睡眠によって地球へと帰還する予定だったが宇宙戦艦スラコ号に事故が発生し、自動的に脱出艇が切り離された

 

脱出艇は囚人惑星フューリーへと不時着するが、共にエイリアンと戦ったヒックス伍長、命を懸けて助けた少女ニュートが不時着時に死亡し、アンドロイドのビショップも機能停止、リプリーは医師クレメンスの懸命な処置によって生き残った

 

 

フューリーは凶悪な数十人の男性囚人が戒律の元で自活的な生活をしている、放射性廃棄物を収めるコンテナを作る作業や天然メタンガスの精製作業をしている

 

 

そこに女性であるリプリーが現れた事でフューリーの秩序が乱れそうになるが、囚人のリーダーであるディロンが抑える、リプリーはクレメンスと打ち解け、ハロルド所長はリプリーを医務室から出さないよう命令、それとシラミが多いので頭髪を剃るように言われる

 

引き上げられた脱出艇の中を見るとエイリアンの痕跡があった、エイリアンを疑うリプリーはニュートとヒックスの遺体を火葬にして欲しいと訴える

 

 

その頃、フューリーの家畜の牛が突然死んだ、不思議に思ったが死体置き場へ、しかしその牛の胸が開き、中からエイリアンが誕生した、そのエイリアンは四足歩行で走り去った

 

 

リプリーは事故の真相究明に動くが、脱皮を繰り返したエイリアンは大きくなり囚人を襲い始める、リプリーは脱出艇のフライトレコーダーを取り出してゴミ捨て場に捨てられていたビショップを使って調べるとエイリアンはずっと一緒にいた

 

 

事故の真相はやはりエイリアンが原因だった、そしてリプリーの目の前でクレメンスが殺されたがエイリアンはリプリーは殺さずに去り、囚人たちの目の前でハロルド所長が殺された

 

 

リプリーはディロンらと共に団結して武器のない状況で戦うがリプリーは自分の体に異変が起きている事に気付き、調べるとリプリーの体の中にエイリアンクィーンが寄生していた

 

それを知ったウェイランド・ユタニ社はリプリー保護の為に救助隊をフューリーに派遣、リプリーらは命懸けでエイリアンを溶鉱炉で溶けた鉛を浴びせて仕留める事に成功

 

 

そこにビショップそっくりの開発者のマイケル・ビショップが現れてエイリアンの重要性を説得するが、リプリーはエイリアンの根絶を願い、溶鉱炉へと身を投げた

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

「エイリアン2」とガラッと変わってちょっと掴みどころの難しい作品な印象です、あれだけ派手にエイリアンを倒していた前作とは真逆で武器がない状況なのです

 

主人公のリプリーを演じるのはシガニー・ウィーバー、リプリーが必死に助けたニュートがオープニングであっさりと死んでしまう展開になんか余計なキャラクターは省いた感じです

 

 

本作は撮影されるまでトラブル続きで脚本化の交代や監督の交代などで支離滅裂な感じです、囚人惑星でシラミが多いので全員が頭髪を剃っています、それに後頭部にバーコードがあって、宗教色が強かったりと脚本家が代わる度に少しずつアイデアを残していったようです

 

新人監督のデビッド・フィンチャーは本作を酷評されて自信喪失となって、しばらくは脚本にも目を通さずに監督もしないと燻っていたようですね

 

本作ではエイリアンを軍事目的にしようと目論む企業ウェイランド・ユタニ社が日系企業だと強調されてます、所々に日本語や漢字で書かれた物がちらほら見えます、ウェイランド湯谷とね

 

アンドロイドのビショップの扱いが酷いですよね、でもビショップの開発者のマイケル・ビショップが現れて自身をモデルにしてアンドロイドを作ったようです、演じるのはランス・ヘンリクセン

 

 

劇場で観た時はエイリアンは犬から産まれたのですが、2004年の完全版では牛から産まれてます、この変更は何か意味があったのかな?でも四足歩行のエイリアンのアイデアは面白いです

 

 

フューリーにはシラミが発生している設定で全員が頭髪を剃っているのですが、リプリーが気絶して運ばれるシーンでシラミが群がっているんです、これは飼育したコオロギの幼生だって(爆)

 

 

それになぜか突然にリプリーが医師のクレメンスとセックスするんです、これはリプリーが久しぶりに抱かれたかったようなのですが、クレメンスも女性を抱くのは久しぶりなんです

 

 

この惑星フューリーは殺人や強姦などの凶悪犯が収容されているのです、収容と言っても生活は自由でこの宇宙の果てで仕事をさせられてる印象ですね

 

そこに女のリプリーが現れた事で囚人たちがソワソワ(笑)、クレメンスやハロルド所長は囚人を刺激しないように医務室から出るなと、それにリプリーの身の安全の為にね

 

 

でもリプリーは普通に食堂に行ったりします、これはリプリーがダメですよね、正に狼の群れに羊を放り込むような物です、あるいはリプリーは敢えて挑発したかったのかも

 

結果的にリプリーは襲われるのですがディロンが助けてくれるのです、彼も凶悪犯なのですが人情に厚くて囚人たちからも信頼されているのです、演じるのはチャールズ・S・ダットン

 

 

ディロンはリプリーの体内にエイリアンがいる事を一緒に調べて知るんです、なのでエイリアンはリプリーの真横まで来たのに何もせずに去ったのです

 

 

劇場公開版ではラストにリプリーの胸からチェストバスターが出たのですが、完全版ではそのシーンはカット、それは「エイリアン4」の設定に対する考慮からそうなったそうです

 

 

 

 

 

あいつが戻って来た それが『エイリアン3』です。

 

 

 

 

 

脚本家のストの影響で支離滅裂な感じでしたが、その独特の雰囲気は好きですね。