『マイ・ボディーガード』
2004年 アメリカ・イギリス
《スタッフ&キャスト》
監督 トニー・スコット
原作 A・J・クィネル
脚本 ブライアン・ヘルゲランド
撮影 ポール・キャメロン
音楽 ハリー・グレッグソン・ウィリアムズ/リサ・ジェラルド
出演 デンゼル・ワシントン/ダコタ・ファニング/クリストファー・ウォーケン/ラダ・ミッチェル/マーク・アンソニー/ジャンカルロ・ジャンニーニ/レイチェル・ティコティン/ミッキー・ローク/ロベルト・ソーサ/ヘスス・オチョア/ゲロ・カミロ/マリオ・サラゴサ
《解説》
守りたい、男に生きる希望をくれたのは、たった9歳の少女だった
「エネミー・オブ・アメリカ」「スパイ・ゲーム」のトニー・スコット監督がA・J・クィネルのベストセラー小説を映画化、2度のアカデミー賞に輝くデンゼル・ワシントンと「アイ・アム・サム」の天才子役ダコタ・ファニングが共演
誘拐発生率世界第3位のメキシコシティを舞台に、過去に傷を持つボディーガードの男が巨大な犯罪組織に立ち向かう様を描く、過激だが衝撃的なストーリー展開に要注目
《物語》
ラテンアメリカでは60分に1人が誘拐されている、その被害者はの7割は生きては戻れない、テキサス州エル・パソ、アメリカ・メキシコ国境、メキシコでは誘拐がビジネスとして成り立っている
富裕層はボディーガードを雇うか誘拐保険に入る事が常識となっている、会社を経営している若き実業家のサムエル・ラモスは誘拐保険更新の為に新しいボディーガードを雇わねばならないと顧問弁護士のジョーダン・カルフスに相談
カルフスはポール・レイバーに相談し、旧友のジョン・W・クリーシを推薦、ジョンはかつて米軍の対テロ暗殺部隊に16年所属していたが現在はアルコール依存症
そんな彼の為にポールはラモスの9歳の娘ルピタのボディーガードに推薦した、ラモスの妻リサはジョンがアメリカ人というだけで気に入り採用となった
ルピタは大人びていて友人も少ない、ジョンの印象は「大きな悲しそうなクマさん」だと、寂しがり屋のルピタに対してジョンは素っ気ない態度で接する
冷たくあしらわれても根気よくジョンに接するルピタ、彼女は水泳が得意だがスタートが悪いせいで大会では3位止まり、そんなルピタにジョンは水泳の特訓を開始
そして見事に1位を獲れた時、2人は喜びを共有、それからジョンはルピタのおかげで笑顔を取り戻し、彼女に対して父親のような感情が芽生える
そんなある日、ピアノ教室からルピタの帰りを待っているジョンの前に不審な車が通り掛かり警官や男たちと銃撃戦となり、ジョンは数人を射殺するがジョンも銃弾に倒れてしまう
ジョンに駆け寄って来たルピタは男たちに誘拐されてしまう、事件は警官が誘拐に絡んでおり、身代金の受け渡しの失敗によりルピタは殺されたとジョンは連絡を受け、リサに対して犯人を全員抹殺すると誓う
《感想》
いろんな作品でメキシコという国が取り上げられてきましたが、その度にこんなに恐ろしい国なのってね、麻薬カルテルによる警察や国家との戦争なんかは本当なのかと
それに本作では誘拐がビジネスとして成り立っているってどういう事なのでしょうか?誘拐して身代金を稼ぐって事なのでしょうけど、警察は何やってるの?
もちろん警察は誘拐ビジネスの奴らに賄賂を貰って犯罪に手を貸しているのでしょうけど、それでも正義ってのはあるはずです、でも誘拐保険があるなんてすごいですね
富裕層は誘拐保険更新の為にボディーガードを雇わなくてはならなくなってジョンを雇います、この保険更新でボディーガードを雇うってのがよくわからないのですが
このボディーガードのジョンを演じるのが「ボーン・コレクター」のデンゼル・ワシントンで元工作員で現在はアルコール依存症なのですが、その実力は折り紙つきなのです
ジョンを会社社長のサムエル・ラモスに推薦したのが旧友でメキシコで仕事をするポールで演じるのはクリストファー・ウォーケンでいぶし銀の演技派です
そしてラモスの娘ルピタを演じるのがダコタ・ファニング、天才子役として名優や名監督から絶賛され、本作撮影中でもデンゼル・ワシントンに「会った中で本当に優れた役者はジーン・ハックマンとダコタ・ファニングだけだ」と語られてます
それにダコタ・ファニングは本作の出演するにあたって、撮影開始までの3か月で水泳とピアノとスペイン語をマスターしたそうです、2005年にはアメリカの雑誌で11歳でアメリカ最強の女優に選ばれてます
サムエル・ラモスを演じるのはマーク・アンソニーでプエルトリコ系アメリカ人でラテン系歌手です、リサ・ラモスを演じるのがラダ・ミッチェルでジョンは彼女に復讐を誓うのです
誘拐事件を捜査するFBI長官のミゲルを演じるのがジャンカルロ・ジャンニーニ、新聞記者のマリアナを演じるのは「トータル・リコール」のレイチェル・ティコティン、サムエルの顧問弁護士のカルフスを演じるのがミッキー・ローク、知った名前がずらっと並んでます
仕事としてボディーガードをするジョンなのですが次第にルピタと心を通わせていくのです、この仲良くなっていく感じがすごく良くてね、でもルピタが誘拐された時のジョンの悲しみと怒りは凄まじい物がありました
ジョンはわずかな手掛かりから証拠を集めて事件に関わっていた者を拷問をして殺していくのです、それが表向きは正義の人間でも誘拐に関わっていたなら容赦なくです、そして驚愕の真実に辿り着きます
ラストは切なかったです、まさかこんなラストとはね、完全なハッピーエンドではない終わり方ですごく胸に沁みましたね、監督はトニー・スコットがこんな切ないラストにするとはね
迫り来る危険が純粋すぎる愛を生んだ、新たな感動作の誕生! それが『マイ・ボディーガード』です。
この邦題って内容とはちょっと違う感じがしました、原題は「燃える男」ですからね。