『花様年華』
2000年 香港
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ウォン・カーウァイ
撮影 クリストファー・ドイル/リー・ピンビン
音楽 マイケル・ガラッソ
出演 トニー・レオン/マギー・チャン/レベッカ・パン/ライ・チン/スー・ピンラン
《解説》
女は顔を伏せ近づく機会を男に与えるが、男には勇気がなく女は去る
「欲望の翼」「ブエノスアイレス」のウォン・カーウァイ監督がトニー・レオンとマギー・チャンを主演に迎え、それぞれ家庭を持つ男女の不倫の愛を描いた恋愛ドラマ
設定の一部や世界観は「欲望の翼」から引き継がれており、さらに「2046」へと繋がってゆく、第53回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞とフランス映画高等技術委員会賞を受賞
《物語》
1962年・香港、偶然同じ日に同じアパートへと引っ越して来た新聞記者のチャウと商社の社長秘書のチャン夫人のスーは隣人となった、お互いの伴侶は忙しくすれ違い気味
大家のスーエン夫人の面倒見の良さもあってチャウとスーは次第に親しくなっていった、ある日、チャウの妻が臨時の夜勤と言っていたので迎えに行ってみると妻は日勤で既に帰ったと言われてしまう
それに同僚にお前の妻が男と歩いていたのを見たと、そんなある日、スーの夫は海外出張、チャウの妻は母親の看病で実家に帰っている、そこで2人は一緒に食事をした
チャウはスーのバッグはどこで売ってるのか聞くと、海外出張で夫が買ってきてくれたと、チャンがそのネクタイはどこでと聞くと海外出張で妻が買ってくれた
実はそのネクタイは夫も持っている、妻も同じバッグを持っている、2人はお互いの伴侶が不倫関係にある事を知ってしまった、どちらが誘ったにせよもう始まっている
それから2人は頻繁に密会を重ねるようになる、独身の時はいろんな事が出来た、だけど結婚するとそうもいかない、お互いに独身ならどうなっていたか、幸せな結婚生活は難しい、自分だけが頑張ってもダメ、2人は同じ境遇だが思い悩まない、人生は短い、別の生き方を、どう生きるの?
チャウは新聞の連載小説を書き始め、それをスーに手伝って欲しいと筋を話し合う、スーは彼の部屋を訪ねて彼を手伝い、すぐに帰るつもりがスーエン夫人が麻雀を始めてしまい帰れなくなってしまい、次の日の朝にスーは密かに出て行った
連載小説が軌道に乗り部屋を借りると言い、スーを誘うチャウだが一線は守りたいと断るもチャウの借りた部屋で密会を重ねる、しかし2人の間には思い空気が流れ、ついに別れを決意しなければならない時が来た…
《感想》
「恋する惑星」「天使の涙」とは全然違うテイストの作品で凄くスタイリッシュで官能的でした、1960年代の香港を舞台に既婚者同士のプラトニックな恋を描いた作品です
この時代の女性はみんなチャイナドレスを着ていたのですね、とにかくスー・リーチェンを演じるマギー・チャンが体のラインを見せて腰を振りながら歩いている姿は本当に官能的です
チャウを演じるのはトニー・レオンでこちらもダンディズムでスーに対してガツガツしていないところが大人でしたね、そっと手を握るくらいで我慢出来るところが素晴らしい
同じ日に引っ越して来たチャウとスーです、当時の香港は部屋を貸す商売があったようで同じアパートの部屋の中で開いている部屋を貸しているようなものなのかな?
チャウの妻がスーと同じバッグを持っていたり、スーの夫がチャウと同じネクタイだったり、2人が同じ日程で海外出張や実家に帰っていたりするんです
そんな偶然が続いてお互いの伴侶が不倫関係にあると分かったのです、チャウの妻やスーの夫はあまり出てきません、出ても顔がはっきり見えないのです
なのでお互いの不倫相手を比べるような事は出来ないのです、マギー・チャンより綺麗な不倫相手なのか、トニー・レオンよりカッコイイ不倫相手なのか?
お互いに浮気されているのでその仕返しのような感じでお互いが近付き始めたかと思いますがチャウもスーももう一歩が踏み出せないのです、スーが隙を作ってもチャウは行けません
チャウが誘ってもスーは一線は守りたいとね、でも2人は密会を繰り返してプラトニックな愛を育むのです、もちろん全ては秘密の事なのでスーがチャウの部屋に行ってるのを見られるとあらぬ噂が立つかもしれません
でもスーエン夫人が麻雀を始めると部屋から出れなくて朝まで一緒にいたりするのです、それでも2人は一緒に食事をしたり、たまには寄り添ったりするだけ、タクシーの中でもそうなんです
しかし遂に別れの時が来るのですがチャウはスーにシンガポールに一緒に来て欲しいと、スーはチケットが取れたら連れて行ってと、でもそれは叶わぬ夢なのです
カットされたその後の展開はカンボジアに行ったチャウと観光に来たスーが偶然に再会するのです、これはウォン・カーウァイは敢えてカットしたのでしょうね、とにかく膨大なフィルムを回したそうですから、当初から内容も変わってしまったくらいですから
花様年華とは、満開の花のように、成熟した女性が一番輝いている時のこと それが『花様年華』です。
「欲望の翼」の続編であって続編ではない、「2046」へと続きます。

























