『ゴースト ニューヨークの幻』
1990年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジェリー・ザッカー
脚本 ブルース・ジョエル・ルービン
撮影 アダム・グリーンバーグ
音楽 モーリス・ジャール
出演 パトリック・スウェイジ/デミ・ムーア/ウーピー・ゴールドバーグ/トニー・ゴールドウィン/リック・アビレス/ヴィンセント・スキャヴェリ/フィル・リーズ/アンジェリカ・エストラーダ/アルメリア・マックィーン/ゲイル・ボグズ/スティーヴン・ルート
《解説》
マンハッタンに星が流れた夜、不思議な愛のファンタジー・ドラマは始まった
暴漢に殺された男性が幽霊となって恋人を守る姿を描き、世界的大ヒットを記録したロマンティックファンタジー、サスペンスとロマンスがほどよくブレンドされ日本でも大ヒットした作品
主演は「アウトサイダー」のパトリック・スウェイジと「セント・エルモス・ファイアー」のデミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグが霊媒師を好演し、第63回アカデミー助演女優賞を受賞した
《物語》
誠実な銀行員のサム・ウィートは陶芸家のモリー・ジャンセンと同棲中で、同僚で友人のカール・ブルーナーが彼らの引っ越しの手伝いをし、順調で平穏な日々を送っている
ある日、サムは勤め先の銀行で大金が動き過ぎている異変を発見して顧客ファイルのコードを変更して調べていた、カールは手伝おうとしたがサムは断り、今夜の予定を聞かれてモリーとマクベスを見に行くと答えた
マクベスの帰りにモリーはサムに結婚の事を話題にし、サムは戸惑ってしまい、それにモリーはいつも「愛している」と言った時に、「同じく」としか答えない、モリーはそれが不満
そんな気まずい2人に暴漢が銃を手に金を要求、サムは暴漢ともみ合いとなり発砲、暴漢は逃げサムが追い掛けるがモリーの元に戻ると、そこには血まみれのサムを抱いて泣き叫んでいるモリーの姿
サムの背後に光が差すがサムはモリーの方に行くと光は消えた、サムは病院に運ばれるが死亡が確認され、サムは隣にいた幽霊の男性に話し掛けられ、自分が死んで幽霊になった事を実感させられた
死んで幽霊となったサムはモリーの近くで見守っている、そこにカールが訪ねて来て閉じこもり気味なモリーを散歩に誘った、しかしその後にサムを殺した暴漢が2人の部屋へと合鍵で侵入
サムは強盗の後をつけて暴漢の名前はウィリー・ロペスと分かり住所も知った、街を歩くサムは霊媒師の店を見付け、インチキ臭い霊媒師の名はオダ・メイ・ブラウン、明らかにインチキだったがサムの声に反応した
サムは一晩中オダ・メイに歌を聞かせ続けるというモリーにもしたやり方で協力をしてもらいモリーに会わせた、半信半疑ながらモリーは話しを聞く事にする
サムはオダ・メイを介して危険が迫っている事と犯人の名前と住所を教えた、それをモリーはカールに相談、カールが犯人であるウィリーのアパートへと向かう
そこでカールはマネーロンダリングをサムに気付かれたと思ってファイルのコードを奪おうとウィリーに依頼したが、ウィリーが勢い余って殺してしまったのだ
秘密を知っているオダ・メイを殺そうとウィリーが店にやって来るがサムが危険を知らせて命拾いする、サムはウィリーを追い詰めて事故死、ウィリーの幽霊は影に連れられて消えた
サムはオダ・メイに偽の身分証明書を用意させて銀行に行き、架空口座から400万ドルを小切手で出金、カールは400万ドルが消えた事でオダ・メイが言うサムの存在を信じ始めてモリーの命と引き換えに金を寄こせと
銃でモリーとオダ・メイを人質にしようとするカールだったがサムによって助けられてパニックになったカールは割れたガラス窓が刺さり死亡、カールの幽霊は影に連れられて消えた
モリーを助けたサムの声はモリーにも届き、光が差し込みその姿はモリーとオダ・メイの前に現し、サムはオダ・メイに礼を言い、モリーに「愛してる」と告げ、モリーは「同じく」と返事をしてサムは天へと昇って行った
《感想》
当時劇場は満員で本作でデミ・ムーアは大人気女優となりました、「きのうの夜は…」で注目した女優さんが本作で大ブレイクしたんです、ハスキーな声で気の強い役柄が似合ってます
デミ・ムーア演じるモリーは若手陶芸家で部屋で轆轤を廻しているのですが、それをサムが邪魔をして作品がダメになってしまうのですが、そのまま愛し合うのです、このシーンは有名ですよね
サムを演じるのは「アウトサイダー」のパトリック・スウェイジで、真面目な銀行員なのです、いつかはこの車に乗ると指さしたのはフェラーリ・テスタロッサ、時代ですね~
この作品でマネーロンダリングという言葉を知ったんです、犯罪で得た金を銀行をあちこち動かす事で足が付きにくくなる事で、サムはそれを自分の勤める銀行で感じるんです
モリーとマクベスを見た帰りに暴漢に襲われて発砲されるんです、逃げる暴漢に追い掛けるサム、しかし逃がしてしまってモリーの元に戻ると血まみれで抱きかかえられた自分の姿
この時においらはサムが2人いて何が何やらって感じになって、サムが幽霊になったと分かったんです、サムは後ろで光が差すのですがそちらではなくモリーの方へ
このサムの役はなかなか決まらなかったそうです、オファーをしても死人の役なので断られてばかりだったとか、オファーを快諾したのがパトリック・スウェイジだったんです
そして重要な人物の祈禱師のオダ・メイを演じるのはウーピー・ゴールドバーグ、初登場シーンからインパクトが絶大で彼女じゃなかったら成立しなかったのではと思わせるほどの絶妙なキャスティングです
オダ・メイのインチキ臭い降霊術を見て笑ったり文句を言っているとその声がオダ・メイに届くんです、サムと呼んでと言ったらオダ・メイはサムと呼んで逃げるのですがサムは逃がせません、オダ・メイの寝室で一晩中歌を歌って寝させません、オダ・メイは仕方なく協力する事に
そしてサムの幽霊として物に触れるように指導する地下鉄の幽霊も絶妙なキャスティング、演じるのはヴィンセント・スキャヴェリでちょっと不気味な風体で近付きがたい雰囲気です
そしてサムの同僚で友人のカールを演じるのがトニー・ゴールドウィンでマフィアの金をマネーロンダリングしていたのですがサムが気付いて凍結、その後に幽霊になってオダ・メイに協力してもらってその400万ドルを小切手として引き出して慈善団体に寄付、でもこの格好は(笑)
この寄付のシーンはウーピー・ゴールドバーグの真骨頂でめっちゃ面白かったです、大金を寄付するなんて嫌なのに持っていたらマフィアに狙われるかもしれない、小切手をなかなか離さないのも気持ちは分かります(笑)
ラストのサムの声がモリーに聞こえてその姿が光と共に見えるんです、それはモリーだけでなくオダ・メイにもね、その最後の別れのシーンは悲しいはずなのにモリーもサムも笑顔だったのが印象的でした
全米をア然とさせた大ヒット! それが『ゴースト ニューヨークの幻』です。
主題歌の「アンチェインド・メロディ」は1955年発表で1965年のライチャス・ブラザーズの曲が1990年の本作に使用されて再び大ヒットしました。