『ビヨンド』
1981年 イタリア
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ルチオ・フルチ
脚本 ダルダーノ・サケッティ/ジョルジオ・マリウッツォ
撮影 セルジオ・サルヴァティ
音楽 ファビオ・フリッツィ
出演 カトリオーナ・マッコール/デヴィッド・ウォーベック/サラ・ケラー/ヴェロニカ・ラザール/アンソニー・フリーズ/アントニー・セイント・ジョン/ジョヴァンニ・デ・ナヴァ/アル・クライヴァー/ミシェル・ミラベラ
《解説》
ミステリアスな古書が闇の世界の死人を呼ぶ、地獄の門が今、開け放された
究極の残酷描写で話題を呼んだ「地獄の門」に次いでルチオ・フルチが放つ血まみれのカタストロフィ、イタリアン・スプラッターの帝王として絶頂期にあったフルチが、溢れ出る豊穣なイマジネーションを「サンゲリア」の名手ジャネット・デ・ロッシの超絶メイクで彩って描く、自らのホラー路線の総決算
冒頭の凄惨なリンチシーンをはじめ、硫酸で顔面が溶ける、蜘蛛の大群が人肉を喰らう、犬に喉笛を嚙み切られる、ゾンビの頭を拳銃で吹っ飛ばすなど残酷シーンが満載である
《物語》
1927年、ルイジアナ州にあるセブン・ドアーズ・ホテル36号室に滞在していた画家シュワイクがホテルの地下にある冥界と現世をつなぐ7つの扉を開けようとして、町民のリンチにあって壁に埋め込まれた
それから54年後の1981年、叔父の遺産が転がり込んできたライザは彼の残した閉鎖されたホテルの経営を再開するため、マーチンと当地を訪れる
荒れ果てた建物の補修工事の最中に事故は起きる、壁を塗っていたペンキ屋が足場から転落、地下の水道管の補修をしていた水道屋が何者かに惨殺される
隣に住むという盲目の女性エミリーの警告「すぐにここを立ち去れ…」、ホテルの改修を勧めたコンサルタントも謎の死を遂げる、水道屋ジョーの遺体が見つかるが60年前のミイラ化した死体も見つかり病院に搬送
病院ではジョーの妻と娘がやってくる、夫を正装させる妻、しかし安置室から叫び声、娘が中に入ると妻は硫酸で顔が溶かされていた、ショックで娘のジルは失明してしまう
盲目のエミリーがライザにホテルの過去にあった凄惨な事件を話すが、ライザはそんな話ではホテルは手放せないとエミリーを突っぱねる
しかしライザはエミリーの言っていた36号室が気になり鍵を壊して中に入るがそこは当時のまま、洗面所のドアを開けると磔にされたミイラがいた
友人のジョンが中に入ると磔にされたミイラは無く釘だけが刺さっていた、マーチンが図書館でホテルの歴史を調べていると雷が鳴り頭を床で打って動けなくなる、そこに無数のクモが現れてマーチンは生きたままクモに食べられてしまう
ジョンもホテルを調べるが全てはあのミイラに関係すると考えミイラを調べる事に、盲目のエミリーは自らの盲導犬に噛み殺されてしまった
ジョンとライザが地下に行くと建物が崩れそうになり、2人はあわてて車に乗って逃げるが誰もいないホテルに人影があった、車を走らせていると街には誰1人いない、行きついた先で死者が生き返り2人を襲う
このホテルは現世と地獄を繋ぐ7つの門があり、その門番がシュワイクだったのだ、逃げ回っているとホテルの地下に出てしまった、頭がおかしくなりそうな2人だったが、地獄の門が開いてしまったのだ、今来た道はすでに無くなり2人は荒野に立っていた
《感想》
ある意味傑作です、先に残酷描写を撮影してからストーリーを作ったのではないかというくらい残酷シーンのオンパレード!、なのでストーリーがちょっと破綻してたりしてね
なんでそんなところに塩酸があって顔に上手くかかるのか、図書館になんで人間を食うクモがいるのか、他にもいろいろありますが難解ですね
壁から出てきた手に目を抉り出されたり、頭を掴んで後ろのクギに叩き付けると目玉が飛び出す演出はなかなか思いつかないと思いますよ、さすがフルチです
でもその残酷シーンのために物語があるんですから、ご都合主義と言われてもそれがルチオ・フルチなんですから、世界中にフルチのファンが納得してるんだから
かつてノーカット版をビデオ化したのは日本だけで、世界中で日本版ビデオが高額で取引されたとか、その残酷の規制は日本は低かったようですね、エロもボカシさえ入れればなんでもありですから
ルチオ・フルチが1番ノッてる時期に撮りました、「サンゲリア」「地獄の門」と撮って本作品で、一般的にはこの3作がフルチのゾンビベスト3です、主人公のライザを演じるのは「地獄の門」から引き続きカトリオーナ・マッコール
オープニングには地獄の門を開こうとした画家のリンチは鎖で殴って皮膚を剥ぎ取り、手首を釘を打ち付けて磔、硫酸をかけて生きたまま溶かします、う~ん初っぱなからナイス
その後は残酷シーンが続きますが盲導犬が盲目の人を噛み殺すのは最近の風潮では描けないですね、なぜか硫酸で顔を溶かされる女性、生きたままクモに食べられる男とエグいシーンのオンパレード、観ていてムチャクチャ気持ちいいくらいです
少女の頭を銃で撃って脳ミソが弾け飛ぶのもアメリカ映画では無理ですね、こういうシーンをきっちりと魅せるのはさすがにフルチですね、ナンセンスです
ただ内容はというと…なんだったかな?(汗) まあ好きな人だけが観れば良い作品です、フルチの映画はどれもそんな感じですからね、おいらはずっと好きで観てますけどね
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後にクエンティン・タランティーノのプロデュースにより全米リバイバル公開もされてます もちろんファンの間では最高傑作の呼び声も高いです




















