『CUBE キューブ』
1997年 カナダ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本 アンドレ・ビジェリク/グレーム・マンソン
撮影 デレク・ロジャース/スコット・スミス
音楽 マーク・コーベン
出演 モーリス・ディーン・ウィン/ニコール・デ・ボア/ニッキー・グァダーニ/デビッド・ヒューレット/アンドリュー・ミラー/ジュリアン・リッチングス/ウェイン・ロブソン
《解説》
カナダの恐るべき新鋭がおくる、20世紀の言葉では語れないオーバージャンル・ゲーム・ムーヴィー
謎の立方体に閉じ込められた男女6人の脱出劇をスリリングに描き、低予算ながら世界的大ヒットを記録したカナダ製シチュエーションスリラー
ゲーム感覚の謎めいた物語やシュールな美術・SFX等を駆使し、人間の闇部を抉った秀作、奇抜なストーリー、斬新なビジュアル・センスで話題となった
《物語》
ある男が光を発している立方体の部屋で目を覚ました、壁には扉があって男はそのひとつを開いて隣の部屋へ、すると網状のワイヤーによって一瞬で肉片となってしまった
この男の他にも立方体の部屋に閉じ込められている人間がいた、警察官のクエンティン、この部屋の外壁の設計担当のワース、脱獄の天才のレン、数学が得意な学生のレブン、精神科医のハロウェイ
ひとつの部屋に会した5人は記憶を頼りに何故ここに閉じ込められたのかを考えるも理由が分からない、脱獄のプロであるレンを先頭にして靴を使ってトラップをかわしながら進むもレンも部屋の法則を破れずに顔に酸を浴びて溶かされて死んでしまう
学校で数学を専攻しているレブンがそれぞれの部屋に数字を書いたプレートに気付き、その数字の中に素数が入っている部屋にはトラップがあるという法則を導き出した
その法則で進んで行くと自閉症のカザンが現れた、ハロウェイは政府による陰謀説だと言うがワースは陰謀ではない、黒幕もいない、何の展望もなく行われている計画だと説明
レブンがワースから面積を聞き、全体で17576部屋があると推測、数字が座標だと分かったレブンは外壁の端の部屋に進みドアを開けてみた
しかしそこには何も無く、服を繋ぎ合わせてハロウェイが下に降りるが何も無い、落ちそうになったハロウェイをクエンティンが掴むが手を放してハロウェイを殺してしまった
クエンティンは暴走を始め、ワースを下の部屋に落すと、そこにはレンの死体があった、この立方体の部屋は移動していたのだ
《感想》
何でこの立方体の部屋に閉じ込められたのか?何でこんな立方体の部屋が存在するのか?何でこの6人が選ばれたのか?それらの理由は明らかにされませんがめっちゃ面白いんです
オープニングでいきなり男が網状のワイヤーのトラップで一瞬で切り裂かれてバラバラと崩れ落ちてしまう恐ろしいシーンから始まって、この先の面白さを予感させます
まずは5人の男女が同じ部屋に集まります、警察官のクエンティンがリーダーシップを取るのですが、この男は警察官だからと言って善人って感じではありません
精神科医のハロウェイと対立してしまうんです、ハロウェイは口が達者なので腕力だけのクエンティンは論破されてしまうんです、でも服を繋げてハロウェイが部屋の外にぶら下がって落ちそうになるのです、一旦はクエンティンはハロウェイを掴むのですが放してしまいます
意図的にハロウェイを殺してしまうんです、他の者には掴めなかったように言って事故を装うんです、とにかく自分が優位ではないと我慢ならない性格なのかもしれません
脱獄のプロのレンは靴を部屋に投げ入れてトラップがない事を確認して中に入るのですが罠に掛かってしまいます、酸を顔面に浴びせられて溶けて絶命してしまいます
この部屋の外壁の設計担当のワースは外壁だけで中の立方体の部屋の事はまるで知らなくて、何故に自分が選ばれたのかも分かりません、そんなに役に立たないのですがその面積からレブンが部屋数を把握
レブンは数学を専攻している女子学生で毎日が退屈で目立たない存在の自分に嫌気がさしているのですが、この立方体の部屋のシリアルナンバーを見て法則を導き出すんです
このレブンを演じるのがニコール・デ・ボアでこの子がめっちゃ可愛かったですね、胡散臭い男と終始機嫌が悪い女の中では清涼感があって救われます(笑)
ハロウェイは機嫌が悪いのですが、コミュニケーション障害を持つカザンの面倒も看たりと弱い者に手を差し伸べるようです、カザンは数学に秀でた能力を持つサヴァン症候群のようで、適応障害の為に周囲を危険に晒す事もあります
監督はヴィンチェンゾ・ナタリで長編デビュー作、短編映画の「elevated」が原点のようです、こちらもシチュエーションスリラーで面白かったです
世界を犯す、騒がしい絶望 それが『CUBE』です。
正式な続編が2本ありますが、おいらは観てません、監督はヴィンチェンゾ・ナタリから代わっているようです。