『007/ゴールドフィンガー』
1964年 イギリス・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ガイ・ハミルトン
原作 イアン・フレミング
脚本 リチャード・メイボーム/ポール・デーン
撮影 デッド・ムーア
音楽 ジョン・バリー
出演 ショーン・コネリー/オナー・ブラックマン/ゲルト・フレーベ/シャーリー・イートン/タニア・マレット/ハロルド坂田/マイケル・メリンジャー/バート・クウォーク/マーティン・ベンソン/セク・リンダー/バーナード・リー/デスモンド・リュウェリン/ロイス・マクスウェル
《解説》
史上最高の黄金強奪作戦!
イアン・フレミングの原作の「007/危機一発」のリチャード・メイボームとポール・デーンが脚色、「好敵手」のガイ・ハミルトンが監督したアクション
初代ボンド、ショーン・コネリーによるシリーズ第3作、本作の大ヒットで、007が世界的ヒーローとして定着した、シャーリー・バッシーのパンチの効いた主題歌、悪役ゴールドフィンガーには、ドイツの名優ゲルト・フレーベが扮し、その右腕を演じた日系レスラー、ハロルド坂田の怪演も見もの
《物語》
MI6の諜報員のジェームズ・ボンドはメキシコの革命家のラミレスの麻薬工場を爆破してその資金源を絶った、追手を振り切って国外へと脱出に成功
マイアミに向かったボンドはCIAのエージェントのフィーリックスと接触、そこでオーリック・ゴールドフィンガーを監視しろと命じられ、カードゲームに興じるゴールドフィンガーのイカサマを妨害、そのイカサマを手伝っていたジル・マスターソンと親密な関係となる
しかしそこに現れたゴールドフィンガーの部下のオッドジョブに気絶させられ、ボンドが目を覚ますとジルが全身に金粉を塗られて殺されていた
ロンドン本部に戻ったボンドはゴールドフィンガーの金の密輸を調査するよう命じられる、ゴルフ場で旧ナチスの金貨を見せて賭けゴルフに挑むボンドはオッドジョブのボールのすり替えを見抜き、ボンドもボールをすり替えて勝利
ボンドはゴールドフィンガーの車に発信機を取り付けてジュネーブに向かう彼を追う、そこでボンドはゴールドフィンガーの命を狙う女性ティリー・ソームズと出会う
ゴールドフィンガーの経営するオーリック社に潜入、そこでゴールドフィンガーがロールスロイスのボディを金とすり替えて密輸していた事が分かった
ティリーはマイアミで殺されたジルの妹だったが2人は一味に追われてティリーはオッドジョブに殺され、ボンドは捕らえられてしまう、ボンドはレーザー光線で処刑されそうになるが、グランド・スラム作戦を口にして命だけは助けもらう
気を失っていたボンドが目覚めると女性パイロットのプッシー・ガロアが操縦する飛行機でアメリカ・ケンタッキー州に連行され、オーリック牧場で監禁される
グランド・スラム作戦とはアメリカ政府が全ての金塊を保管しているフォート・ノックス陸軍基地の上空からプッシーらが24時間失神する神経ガスを散布し、金塊を奪うというもの
しかし実際は殺人ガスを作り金塊は核物質で汚染させて市場を混乱させ、ゴールドフィンガー所有の金の価格を上げるのが目的だ
翌日、計画通りガスを散布するが兵士たちは倒れずに計画は失敗、ボンドによってプッシーと親密になり改心させたのだ、ボンドは爆弾の時限装置を停止させようとオッドジョブと格闘の末に倒し時限爆弾を停止させた、怒りに燃えるゴールドフィンガーはボンドを狙うのだが
《感想》
「ロシアより愛をこめて」に続く作品で本作で人気を不動のものとしました、現在の007の基本形はこの作品がルーツとなり確立されました、007特有のオープニングは誰でも知ってますもんね
そしてシャーリー・バッシーのカッコイイ主題歌が流れてこれは今でも強烈なインパクトで耳に残るメロディです、このタイトルのゴールドフィンガーが本作の悪党なんです
そのゴールドフィンガーを追うのがジェームズ・ボンドで演じるのはもちろんショーン・コネリー、ボンドはメキシコで革命家の麻薬工場を爆破してマイアミへと来ました
そこで今度はゴールドフィンガーの監視を命じられてイカサマのカードゲームを妨害するんです、遠くから部下のジルが相手のカードの手札をゴールドフィンガーに知らせるというものなんです
ゴールドフィンガーを演じるのがゲルト・フレーベでかつてナチス党員だったそうですが、第二次世界大戦中はドイツ国内のユダヤ人を国外に脱出させて救助していたそうです
ボンドはこのジルに接近して親密な仲となるんです、ここら辺はさすがボンドでどんな女もイチコロなんです、しかしボンドはオッドジョブに襲われて気を失い、目を覚ますとジルは殺されているんです
この殺し方が凄くて、裏切ったジルの全身に金粉を塗って皮膚呼吸が出来ないようにして殺しているとか、でもこの死体は映画史上最高に美しい死体ではないかな?
ジルを演じたのがシャーリー・イートンで美しいブロンドで本作の出演で注目を浴びるものの、1969年に子育てのために女優業を引退しています
ボンドは殺されずにいるのですが、ロンドンに戻るとMからゴールドフィンガーを調査せよとの事で彼の経営するゴルフ場で賭けゴルフをするのですが、ゴールドフィンガーはオッドジョブにイカサマさせてるんです
オッドジョブを演じるのがハロルド坂田でロンドンオリンピックで重量挙げ銀メダリストで日系の悪役レスラーをしていました、本作が映画初出演です
その後にスイスに行ったゴールドフィンガーを追うボンドですが彼を狙うティリーと出会うんです、彼女はジルの妹で後にオッドジョブに殺されてしまいます
ティリーを演じたのがタニア・マレット、彼女は前作のオーディションに落ちたのですが本作のティリー役に抜擢されました、しかし映画は制約が多くてそれに安かったのでモデル業に戻ったそうです、ちなみにヘレン・ミレンと従姉妹だそうです
ボンドは捕まってアメリカのケンタッキー州で監禁されるのですが女性パイロットのプッシーを改心させてゴールドフィンガーのグランド・スラム作戦を失敗させるんです
このプッシーを演じるのがオナー・ブラックマンで当時37歳、このプッシー・ガロアのプッシーは女性器を意味する言葉で国によってはキティー・ガロアに変えたりしたそうです
オナー・ブラックマンもただのジョークなのにと言ってますがこの名前を口にする時は躊躇してしまうとか、おいらも久しぶりに観てこんな大胆な名前だったのかと驚きでしたね
アメリカでのヒットを目論んで、次から次へとアクションとお色気の連続でオッドジョブとの死闘があったりと手に汗握る展開で最後の最後にゴールドフィンガーとの対決で007のお決まりとなった感じです、「サンダーボール作戦」へと続きます
全世界を興奮の渦に捲きこんだボンド・シリーズ第3弾! それが『007/ゴールドフィンガー』です。
ジェームズ・ボンドの敵と言えばスペクターなのですが、ゴールドフィンガーはスペクターではなくて属さない悪党だったんです。