『ローズマリー』
1981年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジョセフ・ジトー
脚本 グレン・レオポルド/ニール・バーベラ
撮影 ラウル・ロマス
音楽 リチャード・エインホーン
出演 ヴィッキー・ドーソン/クリストファー・ゴートマン/シンディ・ワイントロープ/ファーリー・グレンジャー/ジョン・サイツ/ローレンス・ティアニー/リサ・ダンシース/ドナ・デイビス
《解説》
次の犠牲者はあなた、ゾンブンに叫んで下さい…
脳天を突き抜ける長剣、苦悩に白目をむく顔、下腹を刺し貫く農作業用フォーク、銃剣で真一文字に切り裂かれる喉笛、特殊メイク界の第一人者トム・サビーニによる凄惨なシーンが殺人カタログ調に展開
アクション映画で名を馳せるジョセフ・ジトーのサスペンス演出も快調だ、トム・サヴィーニとの同じコンビによる「13日の金曜日・完結編」と並び、80年代スラッシャー映画を代表する傑作ホラー
《物語》
1945年、戦争を終えてヨーロッパから兵士たちが続々と帰国、彼らは妻や恋人や家族のもとへと戻っていった、しかしある兵士は恋人ローズマリーから別れの手紙を受け取っていた
6月28日、ニュージャージー州アバロン・ベイのプリッチャー学院では卒業生のプロムパーティが開かれていた
ローズマリーと新しい恋人ロイはプロムを抜け出して河畔でキスをしていると軍服を着た何者かに農作業用のピッチフォークで2人まとめて突き刺されて殺され、ローズマリーの手には一輪の薔薇の花を置いた
1980年6月28日、35年ぶりに再びプロムパーティが開かれようとしていた、過去にチャタム少佐の娘のローズマリーが殺されたことでプロムパーティが自粛されていたのだが実行委員長のパムが再開したのだ
しかもコロンバスで強盗殺人事件が発生し犯人が州をまたいで逃走中、保安官のジョージは休暇を取り町は副保安官のマークだけ、マークの恋人で学生のパムは少し不安でもあった
夜になりみんなが会場に向かう頃、寮ではシェリーがシャワーを浴びていた、そこで恋人のカールが現れ、一緒に浴びようと服を脱いでいると軍服の男が後ろから彼の頭に剣を突き刺しアゴに貫通
シャワー中のシェリーはピッチフォークで突き刺されて殺され薔薇の花を一輪置く軍服の男
ドレスが汚れてしまい寮に戻ったパムは犯人と遭遇、追い掛けてくる犯人を振り切りマークの元へ、マークに全てを話してマークは不審者の存在を報告し、プロム会場から外に出ないように警告
会場の外に出てプールで泳いでいたリサは剣で首を斬られて殺され、リサを捜しにきた女教師のミス・デイビスも首を刺されて殺された
雑貨店主のキングズレーが墓地で若者が騒いでいるとマークに苦情、マークが墓地を調べるとローズマリーの墓が掘り起こされ、中にはリサの死体があった
パムは35年前の事件と関係があると考え2人はチャタム少佐の家へと向かうがそこに軍服の男が現れ2人に襲いかかる
《感想》
本作は個人的には大好きなスラッシャー映画でとにかく残酷描写が素晴らしいです、それもあってかカルト作品として根強い人気があります アメリカ映画ではよくプロムパーティが描かれることが多いですね
青春映画やホラー映画ではこのプロムの後とかにセックスなんてことがよくありますね(笑)、ホラー映画ではそんなことしてると殺されます
第二次世界大戦が終わって卒業記念のプロムパーティで卒業生のローズマリーには従軍したフィアンセがいたのですが、寂しさのあまり別れを一方的に告げて新しい恋人を作っていたんです
パーティを抜け出して楽しんでいた時に軍服の男に恋人と共に2人とも殺されます、それ以来、ローズマリーの父親チャタム少佐の意向でプロムが中止されていたのですが35年経って再開
それによってまたもや殺人事件が発生します、ここで犯人捜しの要素も含まれてくるんです、犯人はローズマリーの父親のチャタム少佐か?、はたまた逃走中の強盗犯か?、それともローズマリーを殺した同じ犯人なのか?
主人公のパムを演じるのがヴィッキー・ドーソンでホラー映画にありがちなヒロインで殺されそうで殺されず、犯人と対面するのですが気が強くて乗り切るんです
マークが保安官のジョージと連絡を取ろうと宿泊先に電話を入れるのですが適当な仕事をしている受付の電話番の男がムカつく~! こいつが殺されればいいのに!
特筆すべきはやはり「マニアック」のトム・サヴィーニによる特殊メイクの素晴らしさですね、数々の作品でゴア・シーンを魅せてくれたトム・サヴィーニですが本作はクオリティが高いです
とにかく描写が細かいです、脳天からアゴまで剣が突き抜けるのですが悶絶のあまり白目になったり、プールで首を斬られて殺された女性の傷口から泡が漏れるのは凄い
監督のジョセフ・ジトーは本作のヒットで「13日の金曜日・完結編」の演出を任され、そこでもトム・サヴィーニとコンビを組んで強烈なビジュアルでシリーズ中でもインパクトある作品となりました、おいらもシリーズの中でも好きな方ですもん
忍び寄る恐怖、美しき生贄を求める凶器が鋭く光る! ホラー・メイクの真骨頂!スラッシャー映画ブームにとどめを刺した伝説の衝撃作! それが『ローズマリー』です。
この手の作品はDVDやブルーレイでリリースされてもすぐに廃盤になってしまうからドキドキです(笑)
更に過激な裏237号室の『ローズマリー』のレビューはこちらです。