『チョコレート』
2001年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 マーク・フォスター
脚本 ミロ・アディカ/ウィル・ロコス
撮影 ロバート・シェイファー
出演 ハル・ベリー/ビリー・ボブ・ソーントン/ヒース・レジャー/ピーター・ボイル/ショーン・コムズ/モス・デフ
《解説》
たかが愛の、代用品
「ついに扉が開かれたの!」 愛に飢えた寂しくも情熱的な女性を熱演したハル・ベリーは、本作で黒人初のアカデミー最優秀主演女優賞を受賞し、そうスピーチした
またベルリン国際映画祭でも銀熊賞(最優秀主演女優賞)を獲得するなど、深い感動は各国映画祭を席捲して圧倒的評価を獲得、まさに映画史を塗り変える一作となった 愛する者を失った男女が出会い、哀しみと葛藤を乗り越え愛をつむぐ姿を静かに描き出す
《物語》
アメリカ南部ジョージア州で州立刑務所に勤めているハンクは、黒人嫌いの父親バックから人種偏見と看守の仕事を受け継いだ中年男性、庭に入った黒人の子供を銃で追い払うほどの、人種差別主義者だ
しかし息子のソニーは黒人に偏見は持たずに看守の仕事をしているが、黒人の死刑囚マスグローヴの死刑執行の次の日、ハンクの目の前で自殺した
ショックでハンクは看守を退職、一方、処刑されたマスグローヴの妻の黒人女性レティシアは、夫の死刑執行直後に1人息子を事故で亡くし、人生に絶望していた
その夜、たまたま車で通り掛かったハンクはためらいながらも事故にあったレティシアの息子を病院まで運んだ、亡くなった息子を前に泣き崩れるレティシアを気づかい家まで送る
その後、行き付けのカフェのウェイトレスとして働くレティシアを送ったハンクはたびたびレティシアと会った、大切な人を失って心に傷を負った者同士
お互いの寂しさを埋めるように求め合い結ばれる、当初は孤独から逃れるような性的な関係であったが、お互いに支え合うようになっていった
それ以来、ハンクは黒人への理解を深め近所の黒人親子とのわだかまりも取れていく、ある日、ハンクの家に立ち寄ったレティシア、ハンク不在だったが、バックから黒人差別用語でなじり、ハンクは黒人の女とセックスがしたかっただけだと蔑まされる
自分の父親によってレティシアは傷付けられてしまい、父親を手におえないハンクは施設に入れる、自分も人種差別主義者だったが人生をやり直すために断ち切ることにした
収入の少ないレティシアは借家を追い出され、迎えに来たハンクの家に住まさせてもらうことに、ハンクがチョコレートアイスを買いに行った時に、夫の死刑執行の同意書を見付けてしまった
ハンクが戻るとレティシアは何もなかったように振る舞い、アイスクリームを食べながら星を眺めた、2人は孤独を埋めあうように恋に落ちていく
《感想》
深い喪失感を抱えた男女が、人種の壁を超えて惹かれ合い、人生を再出発させるまでを描く大人のラブストーリーです、悲壮感の中にも色気を漂わせるハル・ベリーと、抑えた演技で孤独を表現するビリー・ボブ・ソーントン
演技派の2人の深みのある演技が、胸を締め付けるような大人のロマンスを紡ぎ上げます、特に「X-MEN」シリーズのハル・ベリーは本作でアカデミー主演女優賞を受賞するほどの演技で一躍その名を世界に轟かせました、本作で初めて見ましたけどインパクトある女優です
2人の結ばれるシーンはそんな包み込むような表現ではなく、大人のかなり濃厚なセックスシーンです、ハル・ベリーの眉間にシワを寄せての悦楽の表情や、ソーントンの上に乗ってのシーンは甘い恋愛映画とは一味違います、大人の恋愛映画です
チラッと見せるだけのラブシーンかと思ったら結構ハードなセックスシーンなのでビックリですね、黒人女性と白人男性の組み合わせも何の違和感もありませんでした
それにしても白人ってのは自分たちが優位な位置にいないと嫌なのでしょうか?、肌の色が違うだけでそんなに差別しないといけないのでしょうか?
やはり奴隷制度が尾を引いてるのでしょうね、自分の偏見で息子が自殺したならどん底に落ちたようになるでしょう、ハンクも父親から植えつけられた偏見なんですから
やはり子供の頃から植え付けられた偏見は疑いないのでしょうね、父親もハンクは黒人の女とセックスがしたかっただけとレティシアを蔑むような差別発言をします、その顔はいやらしいくて黒人女の具合はどうなんだと言わんばかりです
自分の息子がその人種差別に強い嫌悪から自殺、それを引きずりつつも正義のためにレティシアの息子を病院に運んでやったりとその辺の常識はあります、お互いに子供を亡くし、埋め合うように体を重ねます
大人のラブストーリーなんですがその奥深いものがある映画でした、本作の邦題は素晴らしく良いと思いますが、原題の「怪物の舞踏会」もなんだか深い意味がありますね
深い喪失の淵から、愛を知ることで人生を取り戻す、男と女の物語 それが『チョコレート』です。
ハル・ベリーはこの後、ゴールデンラズベリー賞を獲ってます(笑)
更に過激な裏237号室の『チョコレート』のレビューはこちらです。














