『黒いジャガー』
1971年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ゴードン・パークス
原作 アーネスト・タイディマン
脚本 アーネスト・タイディマン/ジョン・D・F・ブラック
撮影 アース・ファーラー
音楽 アイザック・ヘイズ
出演 リチャード・ラウンドトゥリー/モーゼス・ガン/チャールズ・シオッフィ/クリストファー・セイント・ジョン/グウェン・ミッチェル/ローレンス・プレスマン
《解説》
女には、唇を奪ってから名前を聞く、男には、殺してから身許を確かめる
犯罪渦巻くニューヨークを舞台に、腕利き私立探偵ジョン・シャフトの活躍を描いたアクション映画で、60年代末から70年代初頭にかけてのブラック・パワー・ムービーの中でも最もメジャーな位置にある
写真家出身のゴードン・パークス監督をはじめ、スタッフ・キャストすべて黒人で製作されヒットし、続編も2本作られた、アイザック・ヘイズの音楽も出色の出来栄えだ
《物語》
ニューヨークの黒人私立探偵ジョン・シャフトは警察も一目置く腕利きの探偵、街を歩くシャフトに2人組が行方を追っていると知らされる、白人警官のビクは居住区で何かゴタゴタがあったので協力しろと、そして2人組が捜していると警告
彼の事務所に男2人が訪問し、乱闘の末に1人がビルの窓から落ちて死んだ、それはハーレムのボス・バンピーの手下、警察には協力しなければ探偵免許剥奪するとこっぴどく怒られるがビクに間をとってもらい、ハーレムの実情を知らせろと
翌日にバンピーがシャフトの事務所に現れた、これまでの事は水に流すので仕事を受けろと、彼の依頼は娘のマーシーが誘拐され、身代金の要求もない、マーシーを捜し出せというものだった
ハーレムには過激派グループ黒軍派がありマーシーがそこだとバンピーも手を出しにくい、乗り込むと死体の山が出来るのがオチだ、シャフトは仕事を引き受け、黒軍派のリーダーのベンを訪ね回った
ベンとは旧友だが最近は会ってはいない、シャフトは彼らの会合を捜し当ててそこに行くがベンは誘拐など知らないと言う、そこに突然マシンガンを乱射されてシャフトとベンは逃げ延びるが他の者は殺されてしまった
ビクの話しではバンピーがハーレムで商売を広げ、そこに不穏な動きをキャッチしたマフィアが現れた、マフィア同士の出入りを越えて黒人と白人の対決に発展してしまった
ハーレムの麻薬商売をバンピーに奪われたマフィアが縄張りを取り返しに掛かったのだ、そのおかげでシャフトはマーシー誘拐犯の目星がついた
シャフトはベンを連れてバンピーを訪ねてこれまで隠していた事を白状させてベンの黒軍派に協力を頼み、シャフトはマフィアのいるホテルに乗り込んだ
《感想》
70年代にブラック・パワー・ムービーやブラックスプロイテーションなどと言う黒人を主人公にした黒人向けの娯楽映画の事を差します、本作はその代表作と言われています
物語は単純なんですが内容よりもリチャード・ラウンドトゥリー演じるシャフトのカッコ良さを前面に出してます、革のコートの下にはホルスターでいつも堂々としています
大物マフィア相手にも怯まず、警察にも真っ向から渡り合い、マフィアも警察も手玉に取ってしまいます、過激派グループとは旧知の仲でとにかく顔も広い
それでいて女にもモテる、それは黒人でも白人でもアジア人でもね、ベッドの中でのテクニックも一流で女にもベッドでは最高だけど別れ際は最悪だと言われてしまいます
オープニングではニューヨークも街を闊歩するシャフトがいろんな人に声を掛けて掛けられて情報を得るんです、そこには白人警官のビクもいます、この2人は持ちつ持たれつでしょうね
いきなり2人組に襲われて返り討ちにしてシャフトは警察の事情聴取となるんです、その後に2人組を送り込んだボスのバンピーが直接事務所に現れるんです、そんな大物にも臆しないシャフト
バンピーは娘のマーシーが誘拐されて行方を捜して欲しいと涙を流すんです、悪党でも人の親なようでシャフトも仕方なく依頼を受ける事にするんです、ハーレムの過激派グループが相手だとバンピーは言うのですが本当の相手はマフィアで縄張り争いからの誘拐なんです、こうしてハーレムとマフィアの抗争に巻き込まれていくんです
本作は大ヒットを記録し、続編の「黒いジャガー シャフト旋風」と「黒いジャガー アフリカ作戦」の2作品が作られました、「シャフト旋風」はシャフトの恋人の兄が殺され大金が消えた、大金の行方をシャフトが追う
「アフリカ作戦」はアフリカに行き、黒人奴隷組織に潜入して悪事を暴くのですが、アフリカの黒人女性が出てくるのですがその女性は高貴な人なんですけど、「まだ割礼はしていない」と言うんです、男の割礼のように女性も陰核を取るんだって(汗)
そこでシャフトは、「その割礼の前に使ってみないか?」と口説くんです、結果はその女性は割礼はしないと心変わりするんです、良い事したねシャフトは(笑)
夜の大ニューヨーク・強烈なロックのリズム、非情の手段で暗黒街に挑戦した男…、男は『黒いジャガー』と呼ばれた!
パム・グリアの「コフィー」くらいしかブラックスプロイテーション・ムービーを観た事なかったですけど面白かったです













