『鉄男』
1989年 日本
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本・撮影 塚本晋也
撮影 不二稿京
音楽 石川忠
出演 田口トモロヲ/不二稿京/叶岡伸/塚本晋也/六平直政/石橋蓮司
《解説》
鋼光速者電撃的の魔弾…
1989年、製作費1000万円、アイランプ3つ、拾い集めた廃物を利用したSFX、四畳半のアパートで数人のスタッフ兼キャストによって1年半かけて製作された伝説のカルト・エンタテインメント・ムービー
当時無名の塚本晋也はその1本で世界映画界にデビューした、単館レイトロードショーでは驚異的なヒットを記録し、海外ではローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞
《物語》
平凡なサラリーマンの男はある朝に自分の頬から金属片が出ているのに気付く、無理に取ろうとすると出血してしまい、そのまま家を出て電車に乗った
途中で気分が悪くなり駅のベンチで座っていると隣に座っていた眼鏡の女が襲い掛かってきた、手に金属の塊を付けて追い掛けてくる、女は執拗に男を追い、男はボールペンを突き刺して逃げた
どこかの工場にまで逃げてきたがそこにも女も現れた、何とか力尽くで女を壊して工場から出るが、今度は自分の腕に金属の塊が付いていた、そして足にも
男が目を覚ますと隣に女がいた、男の恋人だ、頬の金属片は更に大きくなり、男はがむしゃらに女を抱いた、しかし体は次第に金属と化して股間からドリルが回転して現れた
既に体の半分は金属に侵蝕されていて狂ったように女に襲い掛かるが、女に反撃されて包丁で刺された、男が目を覚ますと寂しがり屋の女は自らの手で男のドリルを挿入、ドリルが回転して女は血しぶきを上げて絶命
全ては数日前に男が女とドライブ中にヤツを轢いてしまい山林に捨てた、その復讐だ、ヤツは速く走る事に執着し、金属を使って肉体改造を施すが失敗
自分の体に蛆虫が湧いているのに驚いて外に飛び出してしまい、そこに通り掛かった男の車に轢かれたのだ、それによってこの能力を身に付けた
眼鏡の女はヤツによる遠隔操作により体を乗っ取られていて男を襲ったのだ、やがて全身が金属に覆われた時、男はヤツと対峙する事となる
《感想》
賛否両論ありますが初めて観た時はやっぱ驚きましたね、粗削りながらもスピード感があってテンポよく展開していって、それでいてさっぱり分からない(笑)
主人公の男を演じるのが田口トモロヲで最近では名バイプレーヤーとして知られていますね、朝目覚めると頬に金属片があるんです、ニキビのように潰そうとすると血が飛び散るんです、なんだか生々しかった
体は少しずつ金属に覆われていくのですが、恋人を抱こうとするのですがパンツを突き破ってドリルが回転しながら飛び出してくるんです、これは笑ってしまいました
女もこんなドリルで抱かれたら死んでしまうので男に包丁を突き刺してしまうんです、男が目を覚ますと女が男跨いで股間のドリルを自分の中に挿入しているんです
ここで男は気が付くのですがドリルが回転して女は部屋中に血しぶきを飛び散らして絶命、この時の女の表情が凄くて忘れられません、微動だにしないんです、悲鳴を上げるでもなくただドリルで体を貫かれるのを待っているだけ
ここまで観て身震いするような感じがしましたね、これはホラー映画なのか、アクション映画なのかどうなのか?ただの映画じゃないなって感じましたね
塚本晋也が1986年に撮った「普通サイズの怪人」が本作の原型となっており、出演者もほぼ同じです、1992年に「鉄男Ⅱ BODY HAMMER」が公開され、2010年に「鉄男 THE BULLET MAN」が公開されてます
シリーズ作品ですが直接的な繋がりはありません、それでも肉体が金属に侵蝕されていく過程は同じなのですが、手が銃になったりと趣向を凝らしています
ヤツを演じるのが塚本晋也で自身の体を改造しようとして失敗、男の車に轢かれた事で覚醒して能力を身に付けます、しかし体はメカのように変身していくんです
このヤツの能力は金属で侵蝕して他人を操る事が出来るんです、眼鏡の女も読書が好きな普通の女だったのにあんな恐ろしい形相で襲い掛かって来るなんてね
この男とヤツによって世界中を錆鉄にして宇宙の藻屑にしてしまうんです、ラストはなんだか清々しささえ感じましたね
体が金属化してゆく、恐ろしい殺意が溢れてゆく、肉体と精神を侵蝕する金属との、壮絶な戦いが始まる! それが『鉄男』です。
やっぱ印象的なのはドリルですね、もう相当凄くて驚きでした










