エルム街の悪夢 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『エルム街の悪夢』





1984年 アメリカ





《スタッフ&キャスト》


監督・脚本 ウェス・クレイヴン

撮影 ジャック・ヘイトキン

音楽 チャールズ・バーンスタイン



出演 ヘザー・ランゲンカンプ/アマンダ・ワイズ/ジョン・サクソン/ロニー・ブレイクリー/ジョニー・デップ/ロバート・イングランド





《解説》


目を覚ませナンシー、眠ると奴がやって来る!、1985年・アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭、批評家賞/主演女優賞受賞

 

人の夢に巣食う鉄の爪の殺人鬼フレディ・クルーガーと少女の死闘を描いた傑作ホラー、眠ったが最後、夢の中で殺されると本当に死んでしまうというフレディの絶対的なパワーは、その風貌や惨殺のビジュアルと相まって圧倒的迫力を生む

高校生のナンシーは、毎夜悪夢に悩まされていた、鋼鉄の爪をもった男が迫ってくるのだ、さらに、現実に戻った彼女の体には夢の中で負った傷が残されていた、眠るたびに悪夢が襲ってくる、果たしてこれは夢なのか、それとも現実なのか?

「13日の金曜日」のジェイソンと並ぶホラー映画の代表的キャラクター、フレディ・クルーガーのデビュー作、「スクリーム」シリーズの巨匠ウェス・クレイヴンのホラー監督としての地位を確固たるものにした





《物語》


アメリカ・オハイオ州に住む高校生ティナは毎夜悪夢に悩まされていた、鋼鉄の爪をもったケロイドの殺人鬼フレディに襲われる悪夢、夢だと安堵したのですがティナの体には傷が残っていた



ティナは親友のナンシーに夢の話をして、ナンシーの恋人のグレンと2人で泊まりに来てもらう、そこに元カレのロッドがやってきて4人で一夜を過ごすことに



その夜、ティナはまた悪夢を見てフレディに襲われる、うなされるティナをロッドが起こそうとするが目覚めない、そして現実にも切り裂かれて殺されてしまう、ナンシーとグレンが駆け付けた時には、ティナはすでに血の海だった




恐ろしくなって逃走したロッド、すぐに警察の捜査が始まりナンシーの父であるトンプソン警部にティナ殺害容疑で捕まり、真実を話すが信じてもらえず犯人扱い

やがてナンシーも悪夢を見るようになる、それは死んだはずのティナが夢の中で殺され、鋼鉄の爪の殺人鬼が現れた、現実に戻った彼女の体には夢の中で負った傷が残っていた




ナンシーはロッドに会いに拘置所に行くが、そこでも眠るロッドにフレディは忍びより、ナンシーが見たものは既に夢の中で殺され現実にも殺されたロッドだった



悪夢にうなされるナンシーを母親は病院で検査を受けさせるが異常数値を記録する、母親が悪夢の原因をフレディだと知って全てをナンシーに話した

フレディとは近所の子供20人を殺した殺人鬼、近所の大人たちがフレディが子供を殺したボイラー室にいるところに火を放ち焼き殺した、フレディは自分を殺した親たちの子供を殺している

ナンシーはグレンと寝ない約束をするがグレンは寝てしまう、ナンシーはグレンの身を按じるがベッドに引きずりこまれて殺されてしまう、ベッドから吹き出た血は天井を埋めつくしてしまう



耐えられなくなったナンシーはフレディと戦うことを誓い、罠を仕掛けて自らフレディの住む夢の世界に行くために眠り、フレディの世界で戦い、現実世界に連れてくることが出来ると考える




そして目覚ましと共にフレディを現実の世界へと連れ出すことに成功し、現実の世界でフレディを次々と罠に掛けて翻弄するが倒すことはできず、ナンシーは父親を呼ぶ





フレディは炎に巻かれながら母親を殺害し夢の世界へと連れ去ってしまう、そこでナンシーは現実の世界でフレディの存在を否定し、フレディを消すことに成功するが…







《感想》


眠ると悪夢の中にフレディが現れ、その鋭いナイフの爪で惨殺されるという、寝たら死ぬ恐怖が目新しかったです、フレディの歌もなんだか怖いしね、縄跳びで子供たちが歌うほど伝説となってるんです



オープニングでフレディが鋼鉄の爪を作っているところからゾクゾクしました(笑)、錆びれた工場で鉄パイプを削って鉄の爪を作るんです、このシーンは秀逸です、演じるのは「悪魔の沼」のロバート・イングランド



「サランドラ」のウェス・クレイブンは前作がコケたので本作の製作費を集めるのが大変だったそうです、低予算ですがアイデアの勝利ですね、夢の中の殺人鬼ってありそうですがなかったね



ティナが殺されるシーンは見事です、ベッドの上から空中で、もがきながら回転しながら血まみれになっていきます、天井にまでのたうち回り絶命、フレディの凄さを表しています

それにナンシーがお風呂で襲われるシーンはめっちゃ有名ですよね、おいらも大好きなシーンです、ナンシーがこんなに脚を広げてバスタブに浸かっているなんてドキドキです




前半はジワジワとフレディが迫り、後半のナンシーとの一騎打ちではアクション映画さながらの立ち回りで、2重3重の悪夢の中を永遠に逃げるナンシー




ナンシー役のヘザー・ランゲンカンプの叫びっぷりが当時、ホラークイーンと言われました(笑)、フレディがなんかエロいんですよ、他の殺人鬼と違ってなんだかそう見えるんです



のちに6作目まで作られていますが、2作目は引っ越したナンシーの家に新たな住人がやってきて、ナンシーの日記を見つけて過去の惨劇を知る、3作目はナンシーが心理学の研究者として登場、フレディの忌まわしい出生の秘密が明らかになる、4作目以降は支離滅裂で記憶に薄いです(笑)



ビックリするのが本作がジョニー・デップのデビュー作でもあります、若々しくてなんだかカワイイですよね、今みたいにセクシーではありません(笑)、ナンシーの父親を演じるのは「シャドー」のジョン・サクソン



「鮮血の美学」で鮮烈デビューをして、数々のホラー映画を撮ってました、「サランドラ」や「スクリーム」は有名で本作と共に代表作ですね、しかし2015年の8月30日に76歳で亡くなりました

 







ウェス・クレイヴン監督作にしてホラー映画の最高傑作、これがナイトメア・ムービーだ! それが『エルム街の悪夢』です。





DVDではもうひとつのエンディングが見れます、2010年にはリメイクもされている傑作ホラーです