『片腕ドラゴン』
1972年 香港
《スタッフ&キャスト》
製作 レイモンド・チョウ
監督・脚本 ジミー・ウォング
撮影 J・S・モウ
音楽 F・L・ウォング
武術指導 S・W・チェン
出演 ジミー・ウォング/タン・シン/ティエン・イェー/ライ・シュン/ルン・フー/フェイ・ルン/マー・チ/ロイ・フェイ
《解説》
世界中が必殺拳撃のヒーローに湧いた!ブームの頂点に鮮血を叩きつけるドラゴン衝撃の作品、カラテ映画の全盛期に製作された異色カンフー活劇
1973年12月に公開されるや一大ブームを巻き起こしたブルース・リーの「燃えよドラゴン」に続いて、日本におけるドラゴンブーム、第2弾作品として堂々登場したのがジミー・ウォング監督・脚本・主演による本作「片腕ドラゴン」だ
超人的ブルース・リー人気に対抗すべく、ジミー・ウォング扮する片腕のヒーローが活躍する奇想天外なアイデアとアクションをふんだんに盛り込んだ本作はアジア、欧米で大ヒット
同じくジミー・ウォング監督・主演による正統続編「片腕カンフー対空とぶギロチン」を筆頭に多くの類似作品が作られ、クエンティン・タランティーノら熱狂的ファンを数多く生み出すなど今なお最強のカルトムービーとして愛され続けている
片腕を失ったヒーローが奇抜な戦法と超人的なアクションで敵を倒していくさまは壮快の一言に尽き、ありえないと思いながらもぐいぐい惹き込まれてしまう
《物語》
郊外に煉瓦工場と染色工場を経営しているハン・ツイは、町に武道の道場、”正徳武館“を持ち、多くの若者たちの武道の訓練と人格の向上に努めて、人々から人格者として尊敬されていた
一方、近くにもう1つ道場”鉄鉤門“があったが、それは麻薬と売春で儲けているチャオ・ラ・ルーが開いている道場で一味は町の人々から嫌われていた チャオはかねてからハンの経営している2つの工場に目をつけ、何とかして手に入れようと狙っていた
ある日、町の料理屋でチャオの高弟トンが弱い者いじめをしている所にハンの愛弟子ユー・チェンルンが対立し、ハン一門の若者たちと町外れの谷で決着をつける事になった

大乱闘の末にハン一門が勝利し、相手は逃げてしまった、ハン一門にも2人の死者と多くの負傷者が出た、この事件を知ったハンは原因はともあれ、血気にはやった無意味な戦いを戒め、責任者のチェンルンを処罰した

ハンがチャオに詫びに行こうとした矢先に、部下を従えたチャオが道場に乗り込んできた、チャオはチェンルンの引き渡しを要求、しかしハンがこれを断った事から再び乱闘が始まった
最後にはハンとチャオの対決となったがチャオは傷を受けて引き下がったが、チャオは復讐のために麻薬の売買で知り合った各国の武道の達人を雇い入れた

沖縄空手の達人の二谷太郎と弟子2人、韓国テコンドーの名人チン・チー・ヨン、ムエタイの兄弟でツイ兄弟、インドのヨガのムラ・ツン、日本の柔道四段の高橋、更にチベットのラマ密教の僧2人

こうした各国各流儀の武道の達人たちの助太刀を得て、ハン一門に決戦を挑むことになった、再度ハンの道場で死闘が開始された、だがさすがに各国から集められた達人たちは強かった

門下生たちは次々に殺され、チェンルンも二谷の怪力の手刀で右腕を肩の付け根から叩き落とされてしまった

正徳武館のハン一門はほとんど全滅、片腕を失い、ハンに逃がしてもらい九死に一生を得たチェンルンは通りがかった医者の父娘に助けられた
娘のシャオ・ユーの手厚い看護で傷は癒えたが、今では左腕1本の不具者、片腕では復讐を遂げる事は無理だと悲観していた

そんな彼の苦悩を知ったシャオ・ユーは、かねてから父が研究する秘薬を使う事を勧めた、残された左腕1本を攻防の武器とするためには2本分の強さが必要だ
シャオ・ユーの父が作った秘薬は、まず腕を焼いて全神経を殺してから再び神経の循環を復元するというもの、チェンルンは苦しみながらも鉄よりも硬い左腕を手に入れた

チェンルンは左腕の修行に励んだ、それから半年経ち、シャオ・ユーと町に出た、正徳武館や工場は乗っ取られていた、悔しさのあまり町で粗暴な行為をするチャオの弟子を倒す
チェンルンは復讐を開始する、まずは柔道の高橋の道場に行き高橋を血祭りにし、チャオに宣戦布告だ
チャオに対して3日後、町外れの石切場での決闘を挑んだ、チャオに雇われた各国の武道の達人たちも勢揃いした、しかし鉄の片腕を持つチェンルンの敵ではなかった…


《感想》
ただただ、おもしろいです(笑) 主役のジミー・ウォングはブルース・リー以前の香港のカンフースター、ちなみにジミー・ウォングはカンフーが出来ないようです

それでも様になってましたよ、空手の達人の二谷の弟子には勝利するのですがやはり二谷は強すぎて歯が立ちません、超人的に強いです
ブルース・リーがアメリカで観た、ジミー・ウォング主演の香港映画「吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー」を観て、俺ならもっといいものが作れると香港に帰国したとか、さすがブルース・リー
カンフーの出来ないジミー・ウォングがアイデアで勝負してます、悪役サイドの個性が爆発の武道家たち

巨大な柱や岩盤を叩き割ってしまうほどの力を持つ、なぜか牙の生えた沖縄空手の達人とその弟子2人、顔だけ黒いコマ送りの逆立ちで相手を撹乱するインド人

体が風船のように膨らむラマ密教の僧2人

闘う前にどこからともなく流れる音楽に合わせてワイクーを踊るムエタイ兄弟

パンチばっかりでキックを使わないテコンドーの達人、畳の上で靴をはいてる柔道家、等々‥(笑) ツッコミ所満載、笑うしかないです(爆)
最初に登場した時は空手家の二谷がラマ僧の悪口を言ったら屋根をぶち破って現れるんです、そして大暴れして家主のチャオもたまったもんじゃないね、少し暴れたらあちこち壊れちゃいますもん
それにラマ僧はハンに、お互いの武術の根源は一緒だと情けを掛けるとこもあるんです、まぁその後は体を膨らまして暴れるんですけどね
柔道場に道場破りにチェンルンが行った時にその門下生たちが、「何だ?柔道が習いたいのか?片腕でか?あーはははははーっ!」、すごいセリフです(汗)、今なら深夜でも放送出来ないんじゃないかな?
ラストにはチェンルンと二谷が壮絶な闘いをするんです、体中ケガだらけで目も潰れてる感じで凄惨ですよ

本作には続編があって、「片腕カンフー対空とぶギロチン」という凄いタイトルの作品です(笑)、たしか敵側の師匠が敵討ちに来てチェンルンと闘うんです

でもこの空とぶギロチンを操る男は目が見えないんで片っ端からギロチンで首を切断する危ない男、片腕ドラゴンの名を騙る奴なんかは速攻で首チョンパです
観てない人はすぐに観るべし、後世に伝えるべき傑作です、少し褒めすぎましたけど、でも絶対お薦めです、このレビューでおもしろさが全然伝わらないのが悲しいです、興味を持っていただけたらレンタルへGO!
ジミー・ウォング、彼の当たり役となった、片腕の武術家の活躍を描く それが『片腕ドラゴン』です。
「燃えよドラゴン」によって作られたカンフー・ブームの中で公開された傑作です、70年代の香港映画にはトンデモナイ作品がいっぱいありますよ




