ホワイトナイツ 白夜 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ホワイトナイツ 白夜』

 

 

 

 

 

1985年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 テイラー・ハックフォード

 

脚本 ジェームズ・ゴールドマン/エリック・ヒューズ

 

撮影 デビッド・ワトキン

 

音楽 ミシェル・コロンビエ

 

 

 

出演 ミハエル・バリシニコフ/グレゴリー・ハインズ/イザベラ・ロッセリーニ/イエジー・スコリモフスキ/ヘレン・ミレン/ジェラルデン・ペイジ/ジョン・グローバー/ウィリアム・フットキンス/シェーン・リマー

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

生き方の違う2つの世界、燃えさかる4つの命、今、1つの夢〈愛とダンスの熱情〉に羽ばたく

 

芸術の自由を求めて祖国を捨てたソ連の青年と、自国の政策に抵抗してソ連に亡命したアメリカの青年の友情を描く、監督は「カリブの熱い夜」のテイラー・ハックフォード

 

ミハエル・バリシニコフ、グレゴリー・ハインズという異なるジャンルの世界的ダンサーが俳優として共演、米ソ冷戦時代を背景に、国籍の異なる2人の男の友情と亡命をめぐる脱出劇を描いたサスペンス

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ロンドンでの公演で大喝采を浴びた世界的ダンサーのニコライ、その夜には東京へ国際便で向かっていた、しかしジャンボジェットにトラブルが発生し、緊急着陸をすることとなった

 

 

その場所はロシアのシベリア基地、それを聞いたニコライは身元のわかるパスポートなどを引き千切ってトイレに流した、彼は8年前に自由を求めてアメリカに亡命、祖国ソ連では犯罪人となっている

 

 

着陸の衝撃で4人が死亡し、20人のケガ人が出た、その中の1人がニコライ、病院で目を覚ましたニコライにKGBのチャイコ大佐が引き千切られたパスポートを持って現れ、「おかえりニコライ」と笑みを浮かべた

 

 

チャイコはニコライをソ連の偉大なダンサーだが哀れな男だと蔑む、他の乗客はすぐにモスクワに移動、ニコライのマネージャーのアンは抗議するがチャイコはニコライが危篤状態だと言って話しを聞かない

 

ニコライにはある計画があった、ニコライが目を覚ますと黒人のレイモンドとソ連人妻のダーリャの家、チャイコはニコライをキロフ劇場に再び登場させようと考えて、2人に説得役を任せたのだ

 

 

レイモンドはニコライとは逆にアメリカからソ連に亡命したタップダンサー、しかし亡命当時は優遇されていたが今はシベリア公演のみの扱いだ

 

監禁状態のニコライはレイモンドとダーリャをスパイだと批難、芸術の自由を得るために母国を捨てたソ連人を、自国の政治に反発して国を捨てたアメリカ人

 

 

2人はお互いに立場を理解するようになり、ニコライはレイモンドとダーリャと共にレニングラードへ移される、そこでかつての恋人ガリナと再会、ニコライはダンスをすることを了承するが…

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

子供の頃に一度観たのですが、その時はチンプンカンプンだったのですけど、最近になって観たら世界の情勢がわかって、すごく恐ろしい事だと、当時は亡命とか難民とかの言葉をあまり知らなくて、国を捨てるなんて理解できなかったです

 

米ソ冷戦時代はとにかくソ連という国の情報があまりに少なくて実際にどんな国なのかわかりませんでした、想像するにアメリカとは真逆ではないかとね

 

主人公のニコライを演じるのはソ連出身のバレエダンサーのミハエル・バリシニコフ、彼自身もソ連からアメリカに亡命していて、まるで自らをモデルにしたような役です

 

 

日本にもミハエル・バリシニコフのファンが大勢いて、当時はその熱狂的なファンで大きな話題となったそうです、まさに80年代のハリウッドを代表する米ソ冷戦映画ですね

 

 

レイモンドを演じるのは大物タップダンサーのグレゴリー・ハインズ、彼のタップダンスは気迫に満ちていて迫力満点です、優雅なニコライのダンスと激しいレイモンドのタップダンスの共演は圧巻

 

 

ロンドンから東京に向かう飛行機がトラブルでロシアに緊急着陸、これによってソ連から亡命していたニコライは大慌てです、もしソ連に身元がバレたら犯罪者、当時のソ連のイメージだったら強制労働や終身刑

 

しかしチャイコ大佐はニコライをソ連バレエ界に復帰させて、国内外に向けたプロパガンダに利用しようと考えているんです、そこでチャイコはアメリカから亡命してきた黒人タップダンサーのレイモンドに監視役と説得役をさせるんです

 

 

レイモンドは反米プロパガンダとして利用されていて最初は優遇されていたのですが、用済みとなってシベリア行きのお払い箱となってるんです、ニコライの説得はレイモンドにとってモスクワに戻るチャンスなんです

 

 

レイモンドの妻のロシア人妻のダーリャを演じるのはイザベラ・ロッセリーニ、イタリア出身でロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バーグマンの娘で、イタリアとアメリカの国籍を持っている彼女の本格デビューは本作です

 

 

ニコライの元恋人でキロフ劇場の幹部となっているガリナを演じるのは「カリギュラ」のヘレン・ミレン、ニコライが亡命してガリナは相当事情聴取をされてしばらく尾行付きの生活だったそうです

 

 

ニコライとレイモンドが次第に心を開いて友情が生まれると、ダーリャとガリナも含めたソ連からの脱出計画を練るんです、その計画はほぼ完璧に進んでいくのですが、異変に気付いたチャイコによって阻止されるのか?

 

 

当時のソ連におけるバレエダンサーの立場は国家の優れたイメージを知らしめる有効なプロパガンダの道具だったようです、それにバレエ団の世界公演は外貨獲得手段

 

しかし成功したダンサーは豊かな暮らしが約束されていましたが、プライベートまで厳重に監視されている状況です、なので70~80年代は芸術家の亡命事件が後を絶たなかったそうです、ミハエル・バリシニコフもその一人です

 

監督のテイラー・ハックフォードは本作の撮影で知り合ったヘレン・ミレンと、後に結婚しています、そして主題歌がアカデミー賞を受賞したライオネル・リッチーの「セイ・ユー、セイ・ミー」

 

 

 

 

 

世界的ダンサーによる華麗なダンスと共に、米ソ冷戦を背景とした脱出劇と友情を描くサスペンスドラマ それが『ホワイトナイツ 白夜』です。

 

 

 

 

 

オープニングのミハエル・バリシニコフのダンスは圧巻です、グレゴリー・ハインズとのタップの共演も素晴らしかった