小さい頃に創った“最善の生き残り戦略”に従って、
多くの人が生きている話…水曜日の心の痛み考1の続きです。
いつもの通い慣れた道に、ある日突然通行止めの表示がされていたら、
どうしますか?
あれ!?と思って、
時には「なんで突然工事が?!」と怒ったり、
回り道をしていたら電車に遅れちゃうかも…と焦ったり、
色々な反応が起きるかもしれませんね。
心も同じです。
ず~っと使い慣れてきた、“最善の生き残り戦略=自分にとってのうまくいくやり方”が、
ある日なぜか、いい感じに進まないように感じられる。
何となくモヤモヤする、
このままでいいのか?とふと思う、
自分が本当にはどうしたいのか、わからない…と、実はずっと思っている、
そのことを無視できなくなってくる。
こういう時、人は漠然と不安になることが多いと思います。
でも大丈夫。(何かのCMみたい)
現状がわかると…言い換えれば、今いるところが認識できると、
それだけでかなりスッキリしてきます。
成長して智恵もスキルも身に着けた、パワーアップした自分には、
色々な選択肢と可能性があるということが腑に落ちると、
ほとんどの人が力みの抜けたとってもいい笑顔を見せてくれます。
数十年たって、やっと道路工事中のサインに気づいた、という人も多くいらっしゃいます。
逆に言えば、それだけの時間をかけて待つほどに、
心の痛みが大きいと感じていたということですね。
でも、数十年かけて守ってきた自分自身を、開放してももう大丈夫だよ、とうサインも、
やはり心が送ってくれる。
ではどのように、開放していくのか。
それは、本当に人それぞれなのですが、
共通するのは“今自分自身がどんな気持ちを感じているか”に、
毎日毎瞬意識を向けていくことがヒントになるということ。
何度も重ね塗りをする漆塗りの、最初の一塗りに傷がついていたとしても、
きれいに上塗りしてしまえば見た目はわからないかもしれない。
でも、何十年もたったとしても、見えないところの傷は傷のまま残っています。
心も同じ。
痛みは、どれだけ封印したとしても、無かったことにはならない。
ただ、漆の傷は直せないけれど、
心は、大人の自分がヨシヨシと手を差し伸べることができる。
今できることを教えてくれるのは、心の中の“小さい頃の自分”です。
大人の自分と小さい頃の自分、2人で協働作業をしていきます。
どんな風に進めるかの方法や、かかる時間は本当に人それぞれですが、
「道路工事中」のサインに気づいたからこそ、
自分らしく充実して、バランスのとれた味わい深い人生の道を選ぶことができるのです。
どんどん味わいが増していく毎日って、いい発酵が進んだかのような芳醇な香り。
そんなクライアントさんの姿を見るのは、コーチとしての最高の喜びです。
漆の器も、見えない傷が味わいを増してくれているのかもしれません。
何にしたって“完璧”なんて、ないですから。
※
心の痛みのサインに耳を傾けて、より自分らしい人生を創っていくコーチングセッションを行っていますが、
精神科の治療を受けている方、あるいは症状が出ている方は、まず症状の治療を優先なさってください。
