水素ステーションについて

充填スタンドはどこにあるのか

車を購入するにしても、スタンドがなければ使い物にならない

 

現在では、トヨタの燃料電池車FCV「ミライ」を東京オリンピックで利用した中古車がお値打ちです。

水素の相場と、他の車と比較した効果

ステーションの種類と単価を徹底解説

 

エネルギーの在り方から、現在の研究状況など

オーストラリアから来る水素を利用しハイブリッド車の約半額で走れる計画です。

ガソリンに例えると、1リットル(180円)当たり40km走れて二酸化炭素が出ないわけです。

 

2022年現在

石川県に水電解型オンサイト水素ステーションが計画されています。

 

 

 

こんにちは、成功電気の今井です。

愛知県名古屋市で住宅やシステムの電気設計を20年ほど続けています。
主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの

設計施工を500件以上実施しています。

 

 

もくじ

水素ステーションの種類と単価

HV、EV、と比較したFCVの魅力

国内の事例

海外の事例

電気分解オンサイト水素ステーションのメリット

まとめ

 

 

 



水素ステーションの種類と単価

FCVは70MPa(メガパスカル)の高圧タンクに水素を詰めて走っています。

その燃料となる高圧ガス水素を充填(ガソリンスタンドみたいな所)する水素ステーションには

その場所で水素を製造して販売しているオンサイト型と

別の場所で作った水素を運搬して販売しているオフサイトがあります。

 

 

水素は様々なものから作れます。

天然ガス(メタン主体CH4 )や、水(H2O)やアンモニア(NH3)

H水素の割合が多いほど効率的に取り出せます。

 

また、水素は製造の過程によって呼び方が変わります。

 

グレー水素:二酸化炭素を排出する方法で製造します。

ブルー水素:二酸化炭素を排出しない方法で製造します。

グリーン水素:再生可能エネルギー由来のエネルギーだけで製造します。

などがあります。

 

高圧水素ガス1kgあたりの販売価格は1100円のケースが多いです。

現在は単独では採算が合わないため

経済産業省からの補助金で運営されている水素ステーションとなっています。



HV、EV、と比較したFCVの魅力



車の主要な燃料にはガソリン、電気、水素があります。

省エネを軸に考えた場合

ハイブリッド車 HV(プラグインハイブリッド車PHEV)ガソリンと電気で走行

電気自動車 EV    電気で走行

燃料電池自動車 FCV 水素で走行

などが一般的です。

 

各車の移動コストを比較してみます。


FCVとEVとHVの比較  タンク   航続距離   満タン金額 km単価
FCVオンサイト天然ガス  5.6㎏  500km  1100円/kg=6160円 12.32円/km
FCVオンサイト電気分解  5.6㎏  500km  2100円/kg=11760円 23.52円/km
電気自動車 リーフ    40KWh  250km  36円/KWh※=1440円 5.76円/km
ハイブリッド車 プリウス  30ℓ  600km  180円/ℓ=5400円 9円/km
FCVオーストラリア水素オフサイト   5.6㎏  500km  434.3円/kg=2432円 4.864円/km


※急速充電 エネゲート50KW 1分30円×60÷50=36円

こう見るとFCVオーストラリア水素オフサイトが有利になります。

そして、この価格帯に合わせた太陽光発電の余剰分電気を利用した水電気分解オンサイト水素ステーションが

作れると、補助金なしで水素ステーションが自立できることになります。



国内の事例

水素ステーションを国内に作る場合、建設に最大1億5千万円の補助金が出ます。
 

水素ステーション2028年に黒字化が目標となっており

それまでは1540万円の運営補助が出るようになっています。

 

補助金で導入した設備の場合、8年間の運営義務についてきます。

 

2023年から開始として
2031年までの運営義務となります。


省エネ事業として現在石川県で新たな水素事業がスタートします。

石川県モデルにおける、2案件の導入される経緯も踏まえ関係者が期待しているポイントを含め検討。
「のと里山空港」と「石川県庁」です。


まず、のと里山空港

世界農業遺産「能登の里山里海」に登録されたことで観光に力を入れています。

定期便がなくならないよう、年間平均搭乗率が70%未満の場合は県と地元自治体が航空会社に2億円までの損失補填を行う、全国初の「搭乗率保証制度」が作られています。

近隣に日本航空高等学校石川、日本航空大学校があり
道の駅のと里山空港が防災と災害支援拠点としての「防災道の駅」に選定されました。


世界的に重要な農業上の土地利用、景観、生物多様性の保全を推進
地域に古くから伝わる農業や伝統的・文化的資源を活用しつつ
生物多様性の保全や生物資源の持続的な利用を図る目的から

トヨタレンタリース石川能登空港店が主体となり
電車などのインフラに頼らず、レンタカーで観光する

能登スマート・ドライブ・プロジェクトに取り組んでいます。



観光バスのように決まった場所に多数で行動するのではなく、行きたいところに移動しながら移動も観光の一部とする。
ガソリン車だと環境に悪影響があるため、電気自動車やFCV車が有効。

空港から来る観光客で直通は東京国際空港線のみなので関東圏
C+PODやC+WALKは近距離で一人又は二人がターゲットとなる


トヨタFCV→ミライを用意する。乗りなれた車なのでドライブも楽しめます。


関東圏でご飯がおいしく家族で行く田舎を少し感じれる場所「奥多摩湖、江の島展望灯台」などに寄せながら石川県のモデルを作っていくとうまくいきそうです。

BCP対策や環境対策を考えています。をアピールすることで効果がでる。




海外の事例



オーストラリアは
2040 年までに水素輸出額 100 億豪ドルの目標を掲げ、世界的リーダーになることを目指している。
水素が魅力的な代替燃料として検討されるために、水素価格を将来的に 1 ㎏当たり 2 豪ドルまで下げ

2025 年には日本に対して 1 ㎏当たり 4.61 豪ドルで水素が提供可能となると見積
2022.7.24 豪ドル対日本円 94.21円→434.3円

Origin Energy は、TAS 州の Bell Bay 先進工業地帯において、水素貯蔵材料

アンモニアは、水素キャリアの中でも水素密度が大きいなどの利点を持ち既存の LPG タンカーを利用して海上輸送することが可能

WA 州北西部 Port Hedland の東 220km の地域における、大規模な風力発電と太陽光発電に
よる水素の製造・輸出プロジェクト
最初のエネルギー輸出は 2027~28 年と予想

「オーストラリア-アジア パワーリンク(AAPowerLink)
26GW の発電容量
建設には 300 億豪ドルもの投資が必要
「オーストラリアにおける水素産業に関する調査JETRO」より抜粋
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/82b3276826014c69/20200042_02.pdf

 

 

 

電気分解オンサイト水素ステーションのメリット

 

電気エネルギーを少しでも多く再生可能エネルギーにするには

変動の激しい発電をコントロールする技術が必要となります。

コントロールには、まずどんな手法を用いるかを検討します。

発電自体を制御する、消費電気を制御する、発電電気を貯める。があります。

 

貯めることを効率的にできることが理想です。

しかし、蓄電池にためる場合、費用がかかり過ぎ効率的とは言えません。

電気エネルギーとしての消費ではなく、水素エネルギーとして消費すると貯める効率が良くなります。

 

例えば、太陽光発電で発電しすぎた電気を水素に電気分解して貯めておき、必要な時に利用する。

水電気分解オンサイト水素ステーションはこのようにグリーン水素として利用が可能です。

 

現在、PDCというメーカーの商品「シンプルフューエル」と、ホンダ「SHS]がこのシステムとなっています。


観光用レンタカー業務よる充填では特にタイミングの調整が簡易となります。
ただ週末や連休に需要が集中するため、平日のレンタカーやカーシェアで利用している業務用社用車を集めてくることで、回転率を高めることが可能となります。
 

例えば観光レンタカー業務単体だけでなく、建築などの平日に利用されている車を休日に利用するシェアモデルが、採算ベースで考えた場合必須となります。

1日3台3kg充填をベースに考えた場合
300km走行のレンタカーが毎週帰ってくる
その空いたタンクを利用し、余っている太陽光発電の電気で水素を作って貯めておくことが可能となります。


2022年7月現在、新電力の撤退が加速しており
電力会社最終保障契約で中部電力パワーグリッドと契約するか、PPAを実施するかのプランが必要となっています。
 

 

 

まとめ

 

 

現在までは様々な選択枠がありました。

ゲームメーカーのヨーロッパはEV車にシフトしたため、日本もそのルールに乗っかるしかありません。

2022年からすごい勢いで、EVシフトが加速し始めています。

 

日本では燃料電池自動車の技術力は世界1位でした。

太陽光発電の技術力のように1位からずるずる転落していった二の舞をたどる予定です。

 

現在ではオーストラリアがグリーン水素の開発や投資を国を挙げて実施しています。

日本は2028年にはオーストラリアからこのグリーン水素を輸入する計画です。

 

EVシフトが普及しきった後にやってくる予定の水素事業

2032年には太陽光発電の売電20年の固定買取期間が終了し始める為、作った電気を貯めておく技術が必要となります。

そこに高圧にした水素や、アンモニア変換する技術が必要となってきます。

 

その通りになる確証はなく、1年後の未来も具体的に想像しにくい今、夢物語感が出てきてしまいます。

それでも必要になる可能性があるなら進めていくことが大切です。

 

 

おわり

 

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