全館空調にはデメリットが多くあります。

設備コストが高く、交換が難しかったり、空調コストが高ついたり

寒冷地ではなくてはならい設備です。

 

住宅を計画する上でいらない設備として全館空調は上位に上がるケースが多いです。

 

新型コロナウイルスの影響で、換気扇の売れ行きが多いです。

住宅の換気扇とエアコン、家の中の空気を調整しています。

 

私は、電気に合わせて空調換気の設計の仕事もしています。

 

ご相談いただく内容で多い、

「2階が暑くて寝苦しい、部屋はエアコンを早めにつけて置けば何とかなるけど、廊下とトイレが暑いのはどうにかできないの?」

 

 

今回はこんな問題に答えていきます。

 

 

こんにちは、成功電気の今井です。

愛知県北名古屋市で住宅の電気設計を20年ほど続けています。
主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの設計施工を

500件以上実施しています。

 

 

 

もくじ

全館空調とは

全館空調のデメリット実体験

全館空調デメリットを解消!自然エネルギーの地中熱利用システム

全館空調とコロナ対策の換気方法

全館空調のデメリットまとめ

 

 

全館空調は断熱性能、気密性能を高めたらおすすめ。

さっそく全館空調のデメリットと住宅にいらない理由を解説してきます。

 

 

  全館空調とは

 

 

ホテルに行った時に冷暖房の変更ができず、風量しか調整できない部屋に泊まったことはないですか。

あの設備が全館空調です。

寒冷地では、よく見かけますが、温暖な地域の場合はあまり見かけないですね。

 

古くは朝鮮半島で「オンドル」と言い、キッチンの余熱を床下に回し暖房したり

寒冷地の冬を乗り切るための手法として、全館暖房は進化してきました。

 

冬は浴室でヒートショックになり命を落とすケースも増えています。

ヒートショックとは、暖房のかかった部屋から急に寒い部屋に移動することで体に負担がかかってしまうことです。

局所空調ではこのようなデメリットが発生してきます。

 

全館空調の種類により、建物全体を適温にする手法と

建物全体をほんのり適温(冬なら10℃、夏なら30℃)にして局所空調も導入する手法があります。

 

建物全体を適温にする場合、エネルギーコストがかかり過ぎること(これが全館空調いらないとなる原因)と

住む人それぞれの体感温度にばらつきがあり、全館空調のデメリットが勝るので

ある程度の温暖地域では後者を選択します。

 

 

 

  全館空調のデメリット実体験


蓄熱暖房機の代理店をしていましたので、全館空調についてはよく研究しましたし

実際に蓄熱暖房機を設置させて頂いたお客様のお宅で、全体に暖房がいきわたらない。

ということもありました。

 

蓄熱暖房機はリフォームでつける場合も多く
お申し出に対応して、家のあちらこちらに風量計を設置し対流を解析したりしていました。
全館空調する場合に必要になるのが、当たり前ですが全体に空調された空気が循環することです。

 

暖房していても「足元が冷える」状況があったとすると
コールドドラフト現象と言って、冬、窓で熱交換した冷たい空気が床の上を流れていく現象
で床が冷えているのか、床下に入っているはずの断熱材が効いていないのか

を状況から原因を判断する必要が出てきます。

経験したことがあるのは、床下の断熱材がめくれてしまって、いくら暖房しても床から熱が逃げてしまっていたことや
2階建て以上の建物を全館空調する場合、原則2か所の吹き抜けが必要ですが

階段室のみしかなかったときに熱が2階に回らない原因を特定し

1階と2階の気圧を調整し解決させました。

 

他にも、
簡易的に断熱材を補修したり、サーキュレーターを設置したり
基礎断熱工法の場合と、床断熱工法の場合で暖まり方が全然違ったり、、、。

建物全体が均一の温度分布となるよう

起きている問題に対して観測データから仮説を考え実証していきます。

 

と全館空調は計画通りには進まず、ノウハウの積上げが必要となってきます。

 

 

  全館空調デメリットを解消自然エネルギーの地中熱利用システム



成功電気が開発した全館空調システムで東京ビッグサイトに出店

基礎断熱工法による、地中熱利用システムは効果が大きく
なかなかご存じの方は少ないですが、地下水の流れ具合によって大きく変わります。
よく誤解せれるので断っておきますが、地熱熱利用システムとは温泉のようにマントルの影響を利用するシステムで。地中熱利用システムとは、地下水(井水)の影響や、地中数mでは、地上温度の影響を数か月遅れで影響を受けたり、年中一定の温度帯になっていたりするものを利用するシステムです。
例えば、年中一定の温度帯の層を蓄熱層として利用したり、数か月遅れの温度帯の層を冷暖房に利用したり、地下水はその層を流れてくる水なので、流動性があり熱源を取り出しやすかったりします。

井水の流量が速いと、その井水と空気をいっぱい熱交換しても、また新たな井水が流れてくるため問題ありません。
それに加え、井水は様々な層を通ってくる種類がありますが、ほぼ深いところを通ってきますので、16℃前後の安定した温度帯です、
この温度帯であれば、夏は冷房に使用が可能で、冬は暖房にも活用可能です。
ただ、私が仕事をしている愛知県では、冬場の設定温度は温暖化の影響もありますが、夏場の対策により効果があります。
40℃を超えますからね最近は、
全館空調の話しからずいぶん脱線しましたが、全館空調は、基本的に、常に一定の温度をキープすることが最も省エネ性が高まり、快適性も高まります。


ただ、地下水が多い地域では、地下からの水蒸気の影響で床下が結露したり、
沼地の跡地では、地下水が滞留しているので、これもまた結露の原因になったりします。
地中熱利用システムが一番活用できる地域は、山から平野の間にあり、地下水の流速が速いと、エアコンをはるかに凌駕する空調エネルギーが地下水から取り出せます。
自社開発した「地中熱利用冷風機」はこの、地域性の影響により、開発がとん挫しています。

 


工場での働く人の暑さ対策も、過去に多数実施してきました。
企業では、そこで働く人から「暑くて仕事に集中できない」とクレームが出ると、すぐ「エアコンをつけよう」となります。そして、電気業者やエアコンメーカーに相談すると「これだけ解放されていて、熱源がある場所だとスポットクーラーが最適です」と決まったトークでスポットエアコンを買わされます。
これも、換気計画の見直しで対応できたり、地中熱利用システムで改善したりできます。
スポットクーラーは、エアコンの室内機と室外機が一体となった設備で、風に当たっている人だけはいいが、その他の場所は電気を使用した分、余計熱くなる悪循環の設備です。
なので、室外機を外に置くタイプならまだましです。

全館空調の考え方はいい面と悪い面があり、双方をうまくバランスさせるのが大切です。
最近では、換気計画は新型コロナウイルス対策としてよく取り上げられていますが。

 

 

 

  全館空調とコロナ対策の換気方法

 


 

 

菌を入れないクリーンルーム(花粉症対策にも利用)
クリーンルームの設計などもしてきた経験の話しですが、クリーンルームは基本第2種換気が採用されています。
第2種換気とは、給気を機械で行い、排気を自然に行います。
気密性を最大限高めることで、隙間がほぼない状態となり、そこに空気を入れ込みます。そうすると、気圧が上昇し、ある一定以上の気圧になると開放する弁を取り付けておくことで、外気の侵入が完全にゼロになり、空気の循環をコントロールすることが可能になります。
この方法は、人体の影響を研究したチームがいて、人体は負圧より加圧のほうが健康でいられることが証明されているそうです。

負圧は体にとってデメリットとなり、加圧はメリットとなります。

 

 

 

確かに、低気圧の時は気持ちがどんよりして、高気圧の時は気持ちが晴れ晴れするものこの効果のようです。
私の妻は、低気圧に弱くて、雨が降りそうになるといつも「頭が痛い」と不機嫌になっています。

冷暖房の考え方で、大きいのは、蓄熱層の有無も考える必要があります。九州の師匠を訪ねた際、ご指導いただいた内容は、断熱材の熱容量をお前は知っているか?
と聞かれたとき、私は全く知りませんでした。調べてみると、体感温度は、物質から放出される赤外線の影響も大きく、熱容量が大きい例えばレンガなどは、そのレンガが出す赤外線により、体感温度が上昇します。
どういうことかというと、クロス張りの部屋で空調を付けたり消したりする方が、計算上は効率がいいことになりますが
熱容量の高いレンガや漆喰などの壁の部屋で24時間空調した方が、体感温度は実際の設定温度が冬、低くても問題ないということなんです
九州に住む師匠からは、熱容量の高い断熱材が北海道にあると教えて頂きました。(もう10年近く前の話し)

 

 

 

 

  全館空調デメリットのまとめ


「エアコンで暖房するのが嫌いだからいらない。」という人によく合います。
これも、原因が明確で、局所空調、間欠空調と24時間の3種換気をエアコンで行うと、エアコンは対流による熱交換で、対流の度に湿度を吸収するので
乾燥して、かつ空気の回転が速くなり温度差が発生しやすくなり、不快に感じることがデメリットとなります。
 

熱の伝わり方の3要素
対流、輻射熱、放射熱、を全館空調24時間換気うまく組み合わせた空調が最適になると私は考えています。

 

全館空調 部分的に空調できなくなるデメリットがあります。
ちょっと古めの家ではコールドドラフト現象と言って窓から熱伝導で冷えた空気が足元に流れて寒さを感じます。
対流の発生原因として温度差が大きいほど対流が早くなり体感温度が下がります(足元がスースーする)
全館空調専用の設備を設置する(空調機)、全館空調用給排気設備を設置する
ルームエアコンで全館空調する
全館空調は常時空調を建物全体で行うため、空調コストが高くなり

断熱や気密を向上させるメリットがとても高くなるため断熱性能との関連が深いです。

 

おわり

 

 

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  ただただ、うんちく

 


蓄熱暖房機とは、中にレンガとヒータを入れて、周りを断熱材で覆います。
断熱材を通り超えた熱源が輻射熱として、室内を温めて、必要な時に熱を取り出せるようにファンが付いています。
ただこの設備は、原子力発電の影響をもろに受けます。
オール電化のプランがなぜできたのか、につながりますが、
まず、火力発電は必要な時に燃料を燃やせば発電できるので調整が簡単です、
太陽光発電や風力発電は太陽や風の影響をそのままうけます。
原子力発電は、24時間安定した電気を発電し続ける為、昼はいっぱい電気が欲しいが夜はあんまりいらない、とか、夏と冬はいっぱい電気が欲しいが春と秋はあんまりいらない
となると、対応できません。なので、電気代に差をつけて、夜や深夜に昼と同じくらい電気を使ってもらうようにしていたのです
2011年の東日本大震災から全てが変わりました、だから、太陽光発電だけが一気に普及するとその時は深夜の電気より昼間の電気が余ってくるかもしれません。
とはいえ、すべての電力会社が2011年から方針転換したため、私が販売していた蓄熱暖房機は無用の長物となりました。

中部電力とタイアップしながら、各営業所が展開するオール電化の旗印のもと、展示会やイベントなどに誘っていただいていましたが、手のひらを返した状態で、2011年後は一切なくなりました。
メーカーも撤退を決め、事業の譲渡が行われました。
私も、プルサーマル計画を信じて、資源のない日本が仕入れた資源を無限ループで使用できると聞き。
これはとんでもない最強の発電システムだ!
と胸を躍らせていましたが、まあ当たり前の話ですが、そんな都合のいい無限発電ができたら
経済も回らなくなるし、新たな開発も不要になってしまいます。
できる訳ないですね~! でも未だに日本はそのプルサーマル計画に税金を投入しています。
そして、そこで働く東大卒のエンジニア達が「生活のために仕方がない」と言って働いています。
アメリカのシリコンバレーの優秀な大学の卒業生たちは、「新しい世界を作る」と言って働いています。
このギャップを聞いて、あなたの目から見て日本の未来はどう見えますか?

日本の未来にとってデメリットとなることはしたくありません。
人生は1回しかありません。
生活のために仕方がなく働くために、あなた達は大変な苦労を積上げ、東大を卒業して
今、働いているのですか。苦労を積上げた先にある眩しくて見えないくらいの未来ではなく、今の生活のためなんですか?
と言いたくなってしまいます。
今、私が思うのは、今の子供たちにこの日本を託しても自分は恥ずかしくないか?
という部分です。
批判は簡単です。今の政治はだめだ、とか、このままだったら日本に住まない方がましだ!とか
自分が今42歳で子供たちは11歳、14歳、17歳。
子供たちが少しでも前向きになれる。また、今よりも1ミクロンでも明るい未来に向けて私は頑張りたい。

いま世界でも
環境対策が熱いわけです。
SDGS
最速で省エネできれば、輸出する技術が身に付きます。
頑張ろう日本


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センサーによる省エネ
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