【前編:再会】
ギルド「ユグドラシル」近くに、
1件の静かなバーがあります。
その名も、
「リュカオン’S BAR 」
オーナーは、ジョリリ
マスターは、
おいら、リュカオン(*^-^)b
今宵のお客様は、
↑リュカオン ?
【魔の手にありながら、光の世界に
憧れる一族。月に抱くは、畏怖か憧
憬か。】
[リュカーオーン]
(Lykaon希:Λυκάων)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してリュカオンとも表記される。同名の人物が複数知られ、
アルカディアの王 プリアモスの息子
の他に数名が知られている。
(Wikipediaより抜粋)
♪(*^ ・^)ノ⌒☆
赤い満月が、
バーの窓から見える。
「何か気持ち悪いですね。」
シズクがボソリと言った。
「そうだね。」
おいらは、誰にともなく答えた。
「あの日も赤い満月が出ていた
なぁ。」
おいらは小さく呟いた。
「えっ、」
シズクが反応したが、
おいらは答えなかった。
バーには、まだ客はいない。
その時、
カラン♪と、
小さくドアベルが鳴り、店内に風が吹いたような気がした。
シズクが小さく、
「キャッ!」
と、言った。
「この気配....、まさかな。」
おいらが呟くと、カウンター前に奴はいた。
「おひさしぶりです。師匠、いや、マ
スターゼロ。」
そこには、
が立っていた。
「えっ、えっ、えっ。」
シズクが面白そうに言った。
(マスターが二人?二匹?)
シズクの瞳は、驚きよりも好奇心に満ち溢れていた。
「3年、いや、5年ぶりか?ナン
バー5。」
おいらは、答えた。全身に緊張がはしる。
シズクは、ただならぬ雰囲気を感じていた。(さすが、龍の子)
「マスター、わたし、裏で伝票の整理
をしてきますね。」
シズクは、気を気かしてバックルームに引っ込んだ。が、彼女の事だ、聞き耳を立てている事だろう。
ナンバー5は、シズクが消えると、
「座っても?」
椅子を指差した。
「あ、ああ。」
おいらは、動揺していた。
(なぜ、今頃になって....。)
「バーボンのロックを。」
ナンバー5は、腰を降ろした。
おいらは、無言でバーボンロックを作り、ナンバー5の前にグラスを置いた。
「伝説のあなたが、バーのマスターで
すか...。」
グラスのふちを指でなぞりながら、ナンバー5は吐き捨てた。
「なかなか楽しいぞ。バーのマスター
も。」
バン!
ナンバー5は、テーブルを叩き、まくし立てるように、喋り出した。
「リュカオンのエリート部隊、ナン
バーズ。実力順に1~10のナンバーを
与えられるが、さらに上の存在、ゼ
ロ。SR装備を唯一許された、伝説の
マスターゼロ。その、あなたが、こ
んなバーのマスターだなんて、私は
許せない!」
それだけ喋ると、ナンバー5はバーボンを一気に流し込んだ。
「今のお前のナンバーは?」
おいらは、冷静に聞いた。
ナンバー5は、マントの裏をおいらはに見せた。
そこには、
[ 1 ]
と、ナンバーが。
「強くなったな。」
おいらは、ナンバー5を見つめた。
しかし、ナンバー5の興奮は、収まっていなかった。
「あなたが去ってから、エリア2は探
偵どもの無法地帯に。同胞もかなり
の犠牲が出てる。それなのに、あな
たは、のうのうとバーを。一体あの
頃のあなたは、どこに。」
おいらは、窓から赤い月を眺めていた。
「マスターゼロか。懐かしい響き
だ。」
そう言って、自らバーボンロックを作り、一気に飲み干した。
バックルームのドアが微かに開いているのも気付いていたが、気には成らなかった。
「で、ナンバー5、いや、ナンバーワ
ン。一体何をしにきた。」
ナンバーワンは、少し落ち着いたようであるが、眼光は鋭いままだった。
「我々をもう一度導いてほしい。」
「なるほど。」
おいらは、そう言って静かに目を閉じた。
そして、一呼吸おき、
「安らぎを覚えた戦士は、闘いには戻
れない。」
と、マスターワンにおいらは答えた。
背後でシズクが息を飲んでいた。
(マスターがそんなに凄い人?狼?だなんて....。)
それを聞き、マスターワンは小さな笑みを浮かべ、グラスを差し出した。
「おかわりを。」
(こいつ、何か隠してるな。)
おいらは、グラスを受け取った。
バーの夜は静かに更けていく。
シズク?
もとい、
つづく....。
次回、
中編【赤い満月の夜】
では、
お楽しみに~、
ゲッゲ~ロ♪