http://www.sankei.com/west/news/150315/wst1503150004-n1.html
「積極的に休め」「従業員とその家族が一番大事」-。今年で創業140周年を迎え、特殊鋼などの素材を販売する老舗中小企業、天彦(てんひこ)産業(大阪市住之江区)のユニークな経営手法が注目を集めている。
天彦産業は、従業員が休暇を積極的に取得するよう奨励している。そのための社内ルールも10年ほど前から順次導入してきた。例えば従業員の子供が入学式や運動会、参観日といった学校行事がある場合、勤務がある平日であっても、原則休みを取るように義務づけた。
これは樋口社長が自身の経験で「父親が1回だけ授業参観に来てくれたことを鮮明に覚えている」と語るように従業員に家族とのコミュニケーションを大事にしてほしいと願うためだ。この制度で休みを取った社員の翌日の仕事ぶりをみると「気分良く出勤し、こちらも『休ませてよかったな』という気持ちになる」(樋口社長)という。
年に1回、7日間まとめて休んでもらう「メモリアル(記念日)休暇」という制度もある。結婚記念日など休みたい理由や日程を申し込んでもらい、会社の業務に支障が出ない範囲でスケジュール調整し、休ませる。独身の従業員も「『メモリアルがないので、それを考える記念日で』という申告があった」(樋口社長)という理由で休暇の取得は可能だ。4月からは休暇期間を現在の7日間から10日間へ延ばす。
このほか、7~9月にお盆休み以外に2日間の「リフレッシュ休暇」を取ってもらう。
休暇制度を充実させたのは、休みを取りやすい社内風土を醸成し、有給休暇の消化を徹底する、という考えもある。有給休暇の消化率は、国内平均で5割弱とされるなか、同社は6~7割の水準という。
さらに残業は奨励せず定時に帰宅を促す方針だ。労働力に余裕があるわけではなく、当初は業務に支障ができるのではないかと懸念された。ただ、実行してみると「仕事の日にこれだけをやろうという意識が高まり、結果的に生産性向上につながっている」(樋口社長)という。
同社の経営理念は「社員第一主義」。顧客を重視するのは当たり前で、顧客のために「生きがいをもって働く従業員らを大事にするのが一番」(樋口社長)と考えるためだという。
















