今回のテーマは少々扱いにくい点があります。
ブログを見た全国の消防職員から非難を浴びる可能性…もあるからです、はい(苦笑)
都会消防と田舎消防…明確な基準はありませんが、僕の独断による分け的には人口が概ね40万以上だと都会的消防と感じます。田舎と言うと、まるでバカにしてるように聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません、そもそも僕の消防とて、東京消防庁から見れば田舎消防扱いされますからネッ(笑)
なお、以下の内容はあくまでキムニィ個人の思うところ及び県内・全国の同期の消防吏員からの情報を元にするものであって、全ての消防に当てはまるものでは無いという点をご承知おき下さい。
では本編。
都会消防と田舎消防の最大の違いは何と言っても災害出動の数。救急出動は圧倒的に前者が多いのは言うまでもありません。急病人発生はもちろん、交通事故、ケガ人の数もケタ違い。当然、人口に比例するように病院数も多く、病院間の搬送…いわゆる転院搬送も多くあります。そんな事由から都会の消防では傷病者を搬送する際に「どの病院に搬送するか…」とい言った選択肢も増える事になります。
一方、田舎は救急出動件数が少ないと共に、管内の病院数も多くはありません。言い換えれば搬送先の選択肢がなく、殆どが管轄する市町村内のメインとなる病院に集中する傾向があります。どこに搬送すべきか迷う必要がなく、病院選定時間が短縮される微妙なメリットも存在します。但し、全てが高度な救急医療を行える病院ではないため、ドクターヘリの出動が都会より多い特徴があるのです。なお、都会に隣接する地域では、管轄外の病院(高次医療が可能な病院や大学病院など)へ搬送する選択肢も含まれるので、少々事情が変わってきます。
次に火災出動ですが、こちらも圧倒的に田舎は少ないです。そもそも近年は、耐火・防火仕様の建築材が仕様されるなど、建物構造の変化から建物が炎に包まれる炎上火災と呼ばれるもの自体が激減しており(市民から見れば良い事です)、ただでさえ放水により消火するような火災が減っている現在、田舎では建物が全焼する様なホンモノ(消防吏員として失礼な呼び方、ゴメンナサイ)の火災は滅多に起きないと言っても過言ではないでしょう。
僕の所属する消防は職員約500 名、キムニイ分類的にはとりあえず都会に分けますが、僕が入職した当時でさえ年間200件前後の火災件数で、そのうち全焼・半焼以上の炎上火災は50件程度しかありませんでした。ですから人口の少ない田舎では炎上火災が年に数回、なかには「火災なんて数年間発生してない、忘れちゃった…」なんて話も県内及び全国の同期から聞いた事があります。
それに、市街地特有のブロック火災(街区火災とも呼びます)が当てはまらない地域も多数ありますし、はしご車が出動する火災もほぼ皆無…と言うより、はしご車自体を持たない消防(はしご車配置の基準を満たさないため、配備する必要がない)も多数存在したりします。
結論から言えば、災害出動、特に火災関係に関しては都会に比して田舎はダントツに実戦が少ないため、若手職員が火災防ぎょの経験を得る機会が極めて少ないという現実があります。消防学校で学んだものは机上の空論…は言い過ぎですが、実戦に勝るものはありません。また、職員数が少ないため、火災の後に消防が行う火災原因調査(現調=ゲンチョウと略します)も新人職員が行う消防もあります。災害自体は少ないものの、職員が少ないためオールラウンダー的な職員を求められる傾向があるのも特徴のひとつですね。
災害出動が少ない…逆に言えば、時間はある訳で、訓練・教養に専念できる事も可能です。消防には通称・救助大会と呼ばれるものがあり、救助技術の早さと正確性を各種目ごとに競い合うのですが、都道府県予選、地方予選(例=関東地区、東北地区、四国地区…)を勝ち抜くと全国大会(毎年8月頃に行われ、東京、大阪、熊本などなど会場は持ち回り)に出場でき、これは救助隊員のステータスでもあり、全国の救助隊員はココを目指すのです。当然、職員数の多い東京消防庁などは選手層(救助隊員の数)が厚いため好成績を残しますが、その中に分け入る様に、地方の、いわゆる田舎消防が突然立ちはだかる事も珍しくありません。それは訓練環境が良いためか(消防署の訓練敷地が広く、時間も多くとれ、職員(隊員数)も少ないため同じメンバーで長い間チームを組め結束が強くなる)、都会のエリート集団的消防を圧倒的な強さで蹴散らす事があるのです。
最後に田舎の最大のメリット。下の意見が比較的に短時間で反映されることで、羨ましい限り。僕の部下が「キムニイ隊長、○○消防では△△さんの声を聞き、すぐに◇◇を採用したのに、何でウチはできないのですか?」こんな愚痴をこぼされた事があります。「ふむふむ、そうだねぇ…」一見、部下の意見に納得しかけましたが、デメリットが存在する点を忘れてはいけません。チェック機能が万全か?と言うものです。大きな組織の消防では末端から出た意見が正しいと思われても、本当に採用して良いのか?関係法令との絡みは?費用対効果は?などなど、多くの問題を協議チェックしたうえで初めて実行に移されます…つまり、どうしても時間がかかるのです。この点の考えは二分されるかもしれませんが、一番良いのは双方を足して2で割ったものかもしれませんね。正しい意見に耳を貸し、素早く精査し迅速に実行する…でありましょう ← これは世の中全てにあてはまる事ですが(笑)
都会消防と田舎消防、それぞれメリット、デメリットがある訳でどちらが良いかは個々の思うところ。今、僕が所属する署はメチャメチャ多忙なところで、救急出場は常に一日10件前後、消防隊の出動も多くあります(火災はなくとも、自動火災報知器が作動、救急隊の支援活動、交通事故による危険物排除、救助出動の支援活動など、一日に1~2回はほぼ出動があります。)
それ故、全体の指揮(指揮隊長)を任される時、救急出動ほど災害はないものの、勤務中は常に妙な緊張感を持ち続ける事になります。そんな時「あ~、出動の少ない署に移動したいなぁ~」と思う事もよくあります。でも、ローカルな署に配置されると「もう少し出動のある署へ移動したいなぁ~」と思うから不思議です、一体どっちなんだ(笑)
何やらまとまりのない今ブログですが、都会と田舎、どちらが良いのやら…
追記)
指揮隊を任された時、変な緊張が走るものがあります、ソレは事故発生。出動途上の交通事故や活動中の事故…これ、もの凄~く大変なんです。とにかく事故だけは…後日、別の機会にお話しましょう。