『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』 | 一言小言の

一言小言の

普通に日記です。他には映画、マンガ、雑学、音楽など自分がおもしろいと思う記事を掲載します。


進化論と創造論

原題:The ROYAL TENENBAUMS
監督・共同脚本・共同製作:ウェス・アンダーソン
共同脚本・製作総指揮:オーウェン・ウィルソン
製作:バリー・メンデル、スコット・ルーディン
製作総指揮:ラット・シモンズ
撮影:ロバート・ヨーマンA.S.C.
プロダクション・デザイン:デイヴィッド・ワスコ
編集:ディラン・ティシュナー
音楽:マーク・マザーズボー
音楽監修:ランダル・ポスター
出演:ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・スティラー、グウィネス・バルトロウ、ルーク・ウィルソン、オーウェン・ウィルソン、ビル・マーレー、ダニー・グローバー、シーモア・カッセル、クマール・パラーナ
公式サイト:http://www.movies.co.jp/royal/


テネンバウム家の長男チャスは10代にして金融の才能に目醒め、長女のマーゴは12歳で劇作家として活動を開始し、次男のリッチーはジュニアスクール3年の頃からテニスプレイヤーとして知られた存在となった。天才兄弟として才能と名声とをほしいままにしていた3人だったが、彼らの唯一にして最大の不幸は、父親----ロイヤル・テネンバウム(ジーン・ハックマン)が、桁外れた大馬鹿野郎だったことだった。さんざっぱら家族を引っかき回した挙句、浮気他の素行不良で妻エセル(アンジェリカ・ヒューストン)に三行半を突き付けられ、子供達も家もエセルに奪われてホテル暮らしを始める。

----それから22年の月日が過ぎた。
 チャス(ベン・スティラー)は離婚後、コンバットゲームで味方だったはずの父に後ろから手の甲を打たれたことがきっかけで父親不信に陥り、以来稀にしか連絡を取っていない。加えて1年前の家族旅行で飛行機事故に遭い、自分も息子も積み荷扱いで連れて行った愛犬も無事だったのに、妻ひとりを喪ってしまった。その為に神経過敏になり日夜避難訓練に明け暮れ、とうとうアパートを出て2人の息子共々実家に戻ってきた。
 マーゴ(グウィネス・パルトロウ)はその後も劇作家としての活動を続けていたが、12歳の時に煙草を覚え、それから家族にすら秘密にしていることが増えた。あるときリッチーと家出し市立図書館で数日を過ごし、16歳の時には本格的に家出、しばらく消息を絶った。実は養女であり、失踪中に実の父親を訪ねたらしいが詳しい経緯を語ろうとしない。失踪中に右手の薬指を喪い義指をつけ、神経学者のラレイ・シンクレア(ビル・マーレー)と結婚したが、兄弟の幼馴染みであるイーライ・キャッシュ(オーウェン・ウィルソン)と何やら相通じているようで、いよいよ謎が多い。
 リッチー(ルーク・ウィルソン)は天才テニスプレイヤーとしての経歴を着実に積み重ねていたが、3年前の国際試合で最悪のプレイを見せると即座に現役を退いた。その後は客船や貨物船を乗り継ぎ、五つの海を股に掛ける旅に出る。彼の奇行の裏には、実はマーゴへの秘めたる想いがあった。
 聡明で美しく魅力的なエセルには、籍を抜いていないにも拘わらず求婚者があとを絶たなかった。どんな名士が求婚しようと軽く袖にしていたエセルだったが、今回だけは様子が違っていた。長年彼女の会計士を務めてきたヘンリー・シャーマン(ダニー・グローバー)が職場で囁いた迂遠なプロポーズに、初めて「考えておくわ」という答えを返したのだ。
 一方その頃一家離散の元凶であるロイヤルはというと、ある事件を契機に職場であった法曹界を追われ、以後稼ぎもないままにホテル暮らしを続けてきたために破産しツケも溜まり、居場所を失う瀬戸際に来ていた。そんな矢先に、古い友人であり今もエセルたちの家で執事をしているパゴダ(クマール・パラーナ)からの密告でエセルの気持ちが再婚に傾きはじめていることを知ると、嫉妬からか居場所を失いそうな危機感からか、俄に一計を講じる。
 エセルの前に突如舞い戻ったロイヤルは、彼女にこう告げる。自分の命はあと六週間しかない、その間に家族との絆を取り戻したい、と。